経絡経穴一覧

手の太陰肺経 Lung Meridian LU 11穴

経脈流注: "手の太陰肺経は、中焦に起こり、下って大腸を絡い、かえりて噴門部をめぐり、横隔膜を貫いて肺に属する。肺から気管、喉頭をめぐって腋下に出て、上腕前外側、肘窩[尺沢]、前腕前外側、手関節前面横紋外端の橈骨動脈拍動部[太淵]、母指球外側を経て、母指外側端に終わる。

前腕下部[列欠]より分かれた支脈が、示指外側端に至り、手の陽明大腸経につながる。

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WHO 経穴名 読み 部位 取穴 補足 筋枝 靱帯・腱など 皮枝 血管 要穴 主治 意義

LU 1 中府 ちゅうふ 部位:前胸部、第1肋間と同じ高さ、鎖骨下窩の外側、前正中線の外方6寸。 取穴:雲門の下方1寸、華蓋(任脈)から第1肋間に沿って外方6寸、鎖骨下窩で大胸筋の張ったところよりやや上方に取る。 筋枝:内側・外側胸筋神経(大胸筋・小胸筋) 皮枝:鎖骨上神経 血管:胸肩峰動脈・外側胸動脈 要穴:肺の募穴 主治:呼吸器疾患、特に肺結核、喘息の特効穴、心臓疾患。 意義:中はなか、あたる、府は人やものが集まるところ。中府とは疾病の反応が強く現れるところにある穴という意味である。また中は中焦を意味し、中焦の気がここに集まるともいう。

LU 2 雲門 うんもん 部位:前胸部、鎖骨下窩の陥凹部、烏口突起の内方、前正中線の外方6寸。 取穴:上肢を前に挙げて、鎖骨中央のやや外方下際にできる陥凹部に取る。 補足:腋窩動脈が深部を通る 筋枝:内側・外側胸筋神経(大胸筋) 皮枝:鎖骨上神経 血管:胸肩峰動脈・外側胸動脈 主治:中府に同じ。 意義:雲は生気、門は人やものが出入りするところ。雲門とは外界の生気が出入りするところで、肺と関係のある穴という意味である。

LU 3 天府 てんぷ 部位:上腕前外側、上腕二頭筋外側縁、腋窩横紋前端の下方3寸。 取穴:腋窩横紋の前端と尺沢とを結ぶ線を3等分し、腋窩横紋前端から3分の1のところ、上腕二頭筋の外側縁に取る。 補足:腋窩横紋の前端から尺沢までの長さを9寸とする。 筋枝:筋皮神経(上腕二頭筋・上腕筋) 皮枝:上外側上腕皮神経 血管:上腕動脈の枝 主治:鼻出血(特に高血圧によるもの)の特効穴、その他、脳、肺、胃などの出血、上肢の神経痛、肩関節リウマチ。 意義:天は空、外界の生気、府は人やものが集まるところ。天府とは外界の生気が集まる反応点という意味である。

LU 4 侠白 きょうはく 部位:上腕前外側、上腕二頭筋外側縁、腋窩横紋前端の下方4寸。 取穴:天府の下方1寸で上腕二頭筋の外側縁に取る。 天府に同じ。筋枝:筋皮神経(上腕二頭筋・上腕筋) 皮枝:上外側上腕皮神経 血管:上腕動脈の枝 主治:心臓疾患、特に心臓痛、胸内苦悶、心窩部痛。 意義:侠ははさむ

LU 5 尺沢 しゃくたく 部位:肘前部、肘窩横紋上、上腕二頭筋腱外方の陥凹部。 取穴:肘を軽く曲げて上腕二頭筋腱を緊張させ、その外側陥凹部、肘窩横紋上に取る。 補足:尺沢から太淵までの長さを1尺2寸とする。 筋枝:筋皮神経(上腕二頭筋・上腕筋) 皮枝:外側前腕皮神経 血管:橈側反回動脈(橈骨動脈の枝) 要穴:肺経の合水穴 主治:呼吸器疾患および心臓疾患、特に咽頭痛の特効穴、眼、鼻の疾患、高血圧、小児痙攣および過敏症、肘関節リウマチ。 意義:尺は尺中(肘窩)、尺脈(橈骨動脈)、沢は水が浅くたまるところ。尺沢とは肘窩において邪気がよく反応するところにある穴という意味である。

LU 6 孔最 こうさい 部位:前腕前外側、尺沢と太淵を結ぶ線上、手関節掌側横紋の上方7寸。 取穴:尺沢と太淵とを結ぶ線の中点の上方1寸に取る。 筋枝:橈骨神経(腕橈骨筋)、正中神経(円回内筋) 皮枝:外側前腕皮神経 血管:橈骨動脈 要穴:肺経の郄穴 主治:肛門疾患の特効穴、母指麻痺、呼吸器疾患。 意義:孔はあな、すきま、最はもっとも、邪気の集まるところ。孔最とは急性症状の反応がよく現れるところにある穴という意味である。

LU 7 列欠 れっけつ 部位:前腕橈側、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間、手関節掌側横紋の上方1寸5分。 取穴:太淵の上方1寸5分で、母指を外転・伸展して長母指外転筋腱と短母指伸筋を緊張させ、その間の溝に取る。 筋枝:橈骨神経(腕橈骨筋・長母指外転筋・短母指伸筋) 皮枝:外側前腕皮神経 血管:橈骨動脈 要穴:肺経の絡穴、四総穴、八脈交会穴 主治:扁桃炎、咽頭痛、母指痛、片麻痺(特に上肢)、顔面神経麻痺。 意義:列は連なる、缺は一部が欠けて少なくなる。列缺とは本経から絡脈(分枝)が分かれるところにある穴という意味である。

LU 8 経渠 けいきょ 部位:前腕前外側、橈骨下端の橈側で外側に最も突出した部位と橈骨動脈の間、手関節掌側横紋の上方1寸。 取穴:太淵の上方1寸で、橈骨下端の外側で最も高くなっているところと橈骨動脈との間に取る。 筋枝:橈骨神経(腕橈骨筋・長母指外転筋) 皮枝:外側前腕皮神経 血管:橈骨動脈 要穴:肺経の経金穴 主治:扁桃炎、気管支炎で発熱したもの、喘息、感冒。 意義:経はたていと、すじ、五行穴の経であり、渠は溝。経渠とは脈気が勢いよく流れる溝、すなわち橈骨動脈部にある穴という意味である。

LU 9 太淵 たいえん 部位:手関節前外側、橈骨茎状突起と舟状骨の間、長母指外転筋腱の尺側陥凹部。 取穴:手関節前面横紋上で、橈骨動脈拍動部に取る。 補足:太淵、大陵(心包経)、神門(心経)は手関節掌側横紋上に並ぶ。 皮枝:外側前腕皮神経 血管:橈骨動脈 要穴:肺の原穴、肺経の兪土穴、八会穴の脈会 主治:呼吸器疾患およびそれに伴う胃腸障害の特効穴、母指痛、手関節炎またはリウマチ。 意義:太はふとい、重要、淵はふち、水が深くたまるところ。太淵は肺経の原穴であり兪穴であるから、反応がよく現れるところである。

LU 10 魚際 ぎょさい 部位:手掌、第1中手骨中点の橈側、赤白肉際。 取穴:第1中手骨中点の外側、表裏の境目に取る。 筋枝:正中神経(短母指外転筋・母指対立筋) 皮枝:橈骨神経浅枝 血管:母指主動脈の枝 要穴:肺経の栄火穴 主治:母指痛の特効穴、心悸亢進症、頭痛、脳充血。 意義:魚は魚腹といって母指球を意味し、際はきわ、ほとり。魚際とは母指球のほとりにある穴という意味である。

LU 11 少商 しょうしょう 部位:母指、末節骨橈側、爪甲角の近位外方1分(指寸)、爪甲橈側縁の垂線と爪甲基底部の水平線との交点。 取穴:母指爪根部近位縁に引いた線と、外側縁に引いた線との交点に取る。 皮枝:橈骨神経浅枝 血管:母指橈側動脈・母指主動脈の枝 要穴:肺経の井木穴 主治:扁桃炎、咽頭炎。 意義:少はすくない、経脈の末梢を意味し、商はあきなう、五臓色体表の五音で肺にあたる。少商とは肺経の末端にある穴という意味である。

手の陽明大腸経 Large Intestine Meridian LI 20穴

経脈流注: "手の陽明大腸経は、手の太陰肺経の脈気を受けて示指外側端に起こり、示指外縁をめぐって、第1・第2中手骨間の手背側[合谷]に出て、長・短母指伸筋腱の間[陽渓]に入る。前腕後外側(長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋との間)を上り、肘窩横紋外端[曲池]、上腕後外側、肩を上り、[大椎]に出る。[大椎]から大鎖骨上窩を下り、肺を絡い横隔膜を貫いて大腸に属する。

大鎖骨上窩で分かれた支脈は、頚部を上り、頬を貫き、下歯に入り、かえり出て口をはさみ、人中で左右交差し、鼻孔をはさんで、鼻翼外方で足の陽明胃経につながる。

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WHO 経穴名 読み 部位 取穴 補足 筋枝 靱帯・腱など 皮枝 血管 要穴 主治 意義

LI 1 商陽 しょうよう 部位:示指、末節骨橈側、爪甲角の近位外方1分(指寸)、爪甲橈側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。 取穴:示指爪根部近位縁に引いた線と、外側縁に引いた線との交点に取る。 皮枝:正中神経 血管:背側指動脈 要穴:大腸経の井金穴 主治:瀉血での特効穴、扁桃炎、脳充血、高血圧、耳鳴、胸内苦悶。 意義:商はあきなう、五臓色体表の五音で肺にあたり、陽は陽明大腸経を意味する。商陽とは肺経を受けた経脈が大腸経として始 74まるところにある穴という意味である。

LI 2 二間 じかん 部位:示指、第2中手指節関節橈側の遠位陥凹部、赤白肉際。 取穴:第2中手指節関節の外側を触察し、その下部に触れる陥凹中、表裏の境目に取る。 筋枝:尺骨神経(第1背側骨間筋) 皮枝:橈骨神経浅枝 血管:背側指動脈 要穴:大腸経の栄水穴 主治:扁桃炎、歯痛、鼻出血(胆経の風池穴、完骨穴と併用する)、その他、小児のひきつけに際してこの部にうっ血を認める時、瀉血すると効果がある。 意義:二は2、間はあいだ。二間とは示指の末端から数えて二つめにある穴という意味である。

LI 3 三間 さんかん 部位:手背、第2中手指節関節橈側の近位陥凹部。 取穴:第2中手骨の外側縁を指頭で撫で下ろしたとき、指が止まるところに取る。 筋枝:尺骨神経(第1背側骨間筋) 皮枝:橈骨神経浅枝 血管:背側指動脈 要穴:大腸経の兪木穴 主治:二間に同じ、その他、関節リウマチ。 意義:三は3、間はあいだ。三間とは示指の末端から数えて三つめにある穴という意味である。

LI 4 合谷 ごうこく 部位:手背、第2中手骨中点の橈側。 取穴:第2中手骨中点の外側に取る。 筋枝:尺骨神経(第1背側骨間筋) 皮枝:橈骨神経浅枝 血管:第1背側中手動脈 要穴:大腸の原穴、四総穴 主治:すべての眼科疾患、高血圧や脳充血、耳鳴や歯痛などの実証、神経系疾患(特にてんかん、小児のひきつけ、神経衰弱など)、化膿性疾患(疔や癤に多壮灸)、母指のリウマチには必須の穴である。脳貧血にも用いる。また、高熱、扁桃炎、咽頭痛などには、商陽穴、二間穴、三間穴とともに用いる。 意義:合はがっする、谷はたに、谷あいのくぼみ。合谷とは第1・第2中手骨が基節で合わさってできたくぼみで、反応点・治療点として脈気がよく集まるところにある穴という意味である。

LI 5 陽渓 ようけい 部位:手関節後外側、手関節背側横紋橈側、橈骨茎状突起の遠位、タバコ窩(橈骨小窩)の陥凹部。 取穴:タバコ窩(橈骨小窩)の陥凹部で、手関節背側横紋橈側、橈骨と舟状骨との間に取る。 補足:タバコ窩(橈骨小窩)は、長母指伸筋腱と短母指伸筋腱との間で、母指を十分に外転・伸展させたときにできる。陽渓から曲池までの長さを1尺2寸とする。陽渓、陽池(三焦経)、陽谷(小腸経)は手関節背側横紋上に並ぶ。 筋枝:橈骨神経(長母指伸筋・短母指伸筋) 皮枝:橈骨神経浅枝 血管:橈骨動脈 要穴:大腸経の経火穴 主治:手関節リウマチ、歯痛、耳鳴、橈骨神経痛および麻痺。 意義:陽は陽明大腸経、谿は細長い谷川。陽谿とは陽明大腸経の脈気がよく流れるところにある穴という意味である。

LI 6 偏歴 へんれき 部位:前腕後外側、陽渓と曲池を結ぶ線上、手関節背側横紋の上方3寸。 取穴:陽渓と曲池とを結ぶ線を4等分し、陽渓から4分の1のところに取る。 筋枝:橈骨神経(長母指外転筋) 皮枝:外側前腕皮神経 血管:橈骨動脈 要穴:大腸経の絡穴 主治:手関節の過労に基づく腱鞘炎の特効穴(灸、鍼および皮内鍼が良く効く)、母指麻痺、歯痛、鼻出血(血の道)。 意義:偏はかたよる、歴はめぐる、注ぐ。偏歴とは大腸経の本幹が前腕の外側部にかたよって注ぐところにある穴という意味である。

LI 7 温溜 おんる 部位:前腕後外側、陽渓と曲池を結ぶ線上、手関節背側横紋の上方5寸。 取穴:陽渓と曲池とを結ぶ線の中点の下方1寸に取る。 筋枝:橈骨神経(長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋) 皮枝:外側前腕皮神経 血管:橈骨動脈 要穴:大腸経の郄穴 主治:歯痛、特に下歯痛の特効穴、口内炎(多壮灸)、頬の腫れ、肛門疾患。 意義:温はあたたまる、いで湯、溜はたまる。温溜とは郄穴として脈気がたまり、反応点としてよく現れるところにある穴という意味である。

LI 8 下廉 げれん 部位:前腕後外側、陽渓と曲池を結ぶ線上、肘窩横紋の下方4寸。 取穴:陽渓と曲池とを結ぶ線を3等分し、曲池から3分の1のところに取る。 温溜に同じ。筋枝:橈骨神経(長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋) 皮枝:外側前腕皮神経 血管:橈骨動脈 主治:橈骨神経痛および麻痺、歯痛、扁桃炎、顔面の腫れ。 意義:下はした、廉はかど。下廉とは上廉に対応する穴名で、前腕の前廉の経路にある穴という意味である。

LI 9 上廉 じょうれん 部位:前腕後外側、陽渓と曲池を結ぶ線上、肘窩横紋の下方3寸。 取穴:陽渓と曲池とを結ぶ線を4等分し、曲池から4分の1のところに取る。 温溜に同じ。筋枝:橈骨神経(長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋) 皮枝:外側前腕皮神経 血管:橈骨動脈 主治:下廉に同じ。 意義:上はうえ、廉はかど。上廉とは下廉に対応する穴名で、前腕の前廉の経路にある穴という意味である。

LI 10 手三里 てさんり 部位:前腕後外側、陽渓と曲池を結ぶ線上、肘窩横紋の下方2寸。 取穴:曲池の下方2寸に取る。 温溜に同じ。筋枝:橈骨神経(長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋) 皮枝:外側前腕皮神経 血管:橈骨動脈 主治:疔、癤などの化膿性疾患、すべての麻痺の特効穴、歯痛、脳溢血、脳充血、脳貧血、下腹部の冷え込みが頭へ上がったもの、蓄膿症、扁桃炎、顔面麻痺、半身不随、上肢麻痺。 意義:三は三つめ、初陽(陽の数の始まり)、里はさと、宿るところ。三里とは陽病の初期症状が宿るところで、陽病に用いる穴という意味である。

LI 11 曲池 きょくち 部位:肘外側、尺沢と上腕骨外側上顆を結ぶ線上の中点。 取穴:肘を深く曲げ、肘窩横紋外端の陥凹中に取る。 補足:肩関節を90度外転したときの曲池から肩髃までの長さを便宜上1尺とする。 筋枝:橈骨神経(長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋) 皮枝:外側前腕皮神経 血管:橈側側副動脈(上腕深動脈の枝) 要穴:大腸経の合土穴 主治:皮膚病、瘰癧、化膿性疾患、すべての眼科疾患、上肢の神経痛と麻痺、半身不随、歯痛、咽頭痛などの特効穴、その他、大腸経の表熱や月経不順、頭痛、肩こりなど。 意義:曲はまがる、ここでは肘関節、池はたまる、地をうがち水を集めるところ。曲池とは肘関節が曲がる部にあって脈気がよく集まるところという意味である。

LI 12 肘髎 ちゅうりょう 部位:肘後外側、上腕骨外側上顆の上縁、外側顆上稜の前縁。 取穴:曲池の後上方で、上腕骨の外側顆上稜の前縁に取る。 補足:外側顆上稜とは、上腕骨外側上顆の上縁のあたりで、上腕骨の外側縁下端で外側上顆へ斜めに連なる部分をいう。 筋枝:橈骨神経(長橈側手根伸筋) 皮枝:下外側上腕皮神経、後前腕皮神経 血管:橈側側副動脈(上腕深動脈の枝) 主治:上肢の神経痛や麻痺、肘関節リウマチ。 意義:肘は肘関節 髎は亀の尾、骨のかどすみ。肘髎とは上腕骨下部後外縁のかどばったところにある穴という意味である。

LI 13 手五里 てごり 部位:上腕外側、曲池と肩髃を結ぶ線上、肘窩横紋の上方3寸。 取穴:曲池と肩髃を結ぶ線上、曲池の上方3寸、上腕三頭筋の外側縁に取る。 補足:深部に橈骨神経幹が通る。 筋枝:橈骨神経(上腕三頭筋)、筋皮神経(上腕筋) 皮枝:下外側上腕皮神経、後前腕皮神経 血管:上腕深動脈 主治:肘髎に同じ、その他、瘰癧、皮膚病など。 意義:五里の穴名の意義は明らかではない。

LI 14 臂臑 ひじゅ 部位:上腕外側、三角筋前縁、曲池の上方7寸。 取穴:曲池の上方7寸、三角筋の前縁に取る。 筋枝:腋窩神経(三角筋)、筋皮神経(上腕二頭筋) 皮枝:上外側上腕皮神経 血管:上腕深動脈(三角筋枝) 主治:上肢の神経痛および麻痺、五十肩、頭痛、瘰癧。 意義:臂は前腕、臑は上腕。臂臑とは上肢の疾患に用いる穴という意味である。

LI 15 肩髃 けんぐう 部位:肩周囲部、肩峰外縁の前端と上腕骨大結節の間の陥凹部。 取穴:肩関節を90度外転したとき、肩峰の前後に現れる2つの陥凹部のうち、前の陥凹部に取る。 筋枝:腋窩神経(三角筋) 皮枝:鎖骨上神経 血管:胸肩峰動脈(三角筋枝) 主治:肩関節炎やリウマチ、上肢の神経痛または麻痺、半身不随、皮膚病などの特効穴、五十肩。 意義:肩は肩峰または肩関節、髃はかどすみ。肩髃とは肩峰の外端にある穴という意味である。

LI 16 巨骨 ここつ 部位:肩周囲部、鎖骨の肩峰端と肩甲棘の間の陥凹部。 取穴:棘上窩の外側で、鎖骨肩峰端と肩甲棘との間、肩鎖関節の後内方陥中に取る。 筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋)、肩甲上神経(棘上筋) 皮枝:鎖骨上神経 血管:肩甲上動脈 主治:上肢の神経痛、肩関節リウマチ、頑固な肩こり、歯痛、小児の疳虫症。 意義:巨骨は現今の鎖骨にあたり、したがって鎖骨の際にある穴という意味である。

LI 17 天鼎 てんてい 部位:前頚部、輪状軟骨と同じ高さ、胸鎖乳突筋の後縁。 取穴:扶突の下方で胸鎖乳突筋の後縁に取る。 補足:胸鎖乳突筋をはさんで、水突(胃経)と同じ高さにあたる。胸鎖乳突筋は、抵抗に抗して頭を反対側に向けるとよく現れる。 筋枝:顔面神経(頚枝)(広頚筋)、副神経・頚神経叢の枝(胸鎖乳突筋)、頚神経前枝(前斜角筋・中斜角筋) 皮枝:鎖骨上神経 血管:上行頚動脈・鎖骨下動脈の枝 主治:主として頚部、咽頭部の異常に用いる。すなわち、扁桃炎、歯痛、肩こりなど。 意義:天は心身の天の部(頚より上)、ここでは咽頭と喉頭とを意味し、鼎はかなえ(三本足の入れ物)。天鼎とは正三角形の頂点にあたるところで、胸鎖乳突筋後縁と僧帽筋外縁および鎖骨の上縁で囲まれた外側頚三角の一頂点にあって、咽頭・喉頭と深い関係のある穴という意味である。

LI 18 扶突 ふとつ 部位:前頚部、甲状軟骨上縁と同じ高さ、胸鎖乳突筋の前縁と後縁の間。 取穴:下顎角の直下で胸鎖乳突筋中、人迎(胃経)の外方に取る。 補足:甲状軟骨上縁の高さで、胸鎖乳突筋の前縁に人迎(胃経)、中央に扶突、後縁に天窓(小腸経)が並ぶ。胸鎖乳突筋の深部に内頚静脈があるため刺鍼に注意する。 筋枝:顔面神経(頚枝)(広頚筋)、副神経・頚神経叢の枝(胸鎖乳突筋)、頚神経前枝(前斜角筋) 皮枝:鎖骨上神経 血管:胸鎖乳突筋枝(外頚動脈の枝) 主治:天鼎に同じ。 意義:扶はたすける、かたわら、また手の指4本を並べた横幅の寸法を一扶という。突は突出、ここでは喉頭隆起をさす。扶突とは喉頭隆起のかたわら一扶ぐらいにある穴という意味である。

LI 19 禾髎 かりょう "部位:顔面部、人中溝中点と同じ高さ、鼻孔外縁の下方。

(別説)部位:顔面部、人中溝の上から3分の1と同じ高さ、鼻孔外縁の下方。

" "取穴:鼻孔外側縁の下方で、水溝(督脈)の外方5分に取る。

(別説)取穴:鼻孔外側縁の下方で、水溝(督脈・別説)の外方5分に取る。

" 筋枝:顔面神経(頬筋枝・下顎縁枝)(口輪筋) 皮枝:上顎神経(三叉神経第2枝) 血管:上唇動脈 主治:鼻疾患(鼻出血、鼻カタル、鼻孔閉塞、嗅覚減退など)、三叉神経痛、特に上歯痛、顔面神経麻痺。 意義:禾は稲、稲の穂で五臓色体表の五穀で肺・大腸にあたり、髎はかどすみ。禾髎とは大腸経のかどすみにあたる穴という意味である。

LI 20 迎香 げいこう "部位:顔面部、鼻唇溝中、鼻翼外縁中点と同じ高さ。

(別説)部位:顔面部、鼻唇溝中、鼻翼下縁の高さ。

" "取穴:鼻翼外側縁の中点で、鼻唇溝中に取る。

(別説)取穴:鼻翼下縁の高さで、鼻唇溝中に取る。

" 筋枝:顔面神経(頬骨枝)、(上唇鼻翼挙筋・上唇挙筋・小頬骨筋) 皮枝:上顎神経(三叉神経第2枝)、 血管:眼角動脈 主治:禾髎に同じ。 意義:迎はむかえる、香は五臓色体表の五香で脾と胃に属する。迎香とは胃を迎えるところで、大腸経から胃経に連絡する穴という意味のほか、においを迎えるところから嗅覚に関係する穴という意味もある。

足の陽明胃経 Stomach Meridian ST 45穴

 経脈流注: "足の陽明胃経は、手の陽明大腸経の脈気を受けて鼻翼外方に起こり、鼻根部で足の太陽膀胱経と交わり、鼻の外側を下り、上歯に入り、かえり出て口をはさみ唇をめぐり、オトガイで交わる。戻って、顔面動脈拍動部[大迎]、下顎角、耳前から髪際をめぐり、額中央に至る。

[大迎]から分かれた支脈は、総頚動脈拍動部[人迎]、気管をめぐり、大鎖骨上窩に入り、横隔膜を貫いて、胃に属し、脾を絡う。

本経は、大鎖骨上窩より、胸部では前正中線外方4寸を、腹部では前正中線外方2寸を下り、幽門部に起こり腹部を下る支脈と、鼡径部の大腿動脈拍動部[気衝]で合流し、大腿前外側、膝蓋骨、下腿前面を下って、足背から足の第2指外側端に終わる。

膝下3寸から分かれた支脈は、下腿前面を下り、足の第3指外側端に出る。

足背で分かれた支脈は、足の第1指内側端に至り、足の太陰脾経につながる。

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WHO 経穴名 読み 部位 取穴 補足 筋枝 靱帯・腱など 皮枝 血管 要穴 主治 意義

ST 1 承泣 しょうきゅう 部位:顔面部、眼球と眼窩下縁の間、瞳孔線上。 取穴:正視させて、瞳孔を通る垂線上で、眼球と眼窩下縁の間に取る。 筋枝:顔面神経(側頭枝・頬筋枝)(眼輪筋) 皮枝:上顎神経(三叉神経第2枝) 血管:眼窩下動脈 主治:眼科疾患、特に充血や炎症性の場合、眼瞼麻痺。 意義:承はうける、うけいただく、泣はなく、なみだ。承泣とは眼の直下にあって涙を受けるところ、すなわち眼と関係ある穴という意味である。

ST 2 四白 しはく 部位:顔面部、眼窩下孔部。 取穴:正視させて、承泣の下方で、骨が陥凹しているところに取る。 補足:眼窩下神経の出る部にあたる。 承泣に同じ。筋枝:顔面神経(側頭枝・頬筋枝)(眼輪筋) 皮枝:上顎神経(三叉神経第2枝) 血管:眼窩下動脈 主治:眼科疾患、蓄膿症、三叉神経痛、顔面神経麻痺。 意義:四は四方、周囲、白はしろい。四白とは眼輪筋の睫白部(まつげにかくれている白い部分)にあたり、眼と関係のある穴という意味である。

ST 3 巨髎 こりょう 部位:顔面部、瞳孔線上、鼻翼下縁と同じ高さ。 取穴:正視させて、瞳孔を通る垂線と、鼻翼下端から横にひいた線との交点に取る。 筋枝:顔面神経(頬筋枝)(小頬骨筋) 皮枝:上顎神経(三叉神経第2枝) 血管:眼窩下動脈・顔面動脈の枝 主治:上歯痛、眼科疾患、蓄膿症。 意義:巨は大きい、ものさし、髎はかどすみ、巨は巨分する(大きく分ける)ことで鼻唇溝を意味し、鼻(天の気)、口(地の気)の出入りするところ。巨髎とは天の分と地の分を大きく分けるかどすみにある穴という意味である。

ST 4 地倉 ちそう 部位:顔面部、口角の外方4分(指寸)。 取穴:口角の外方4分、鼻唇溝あるいは鼻唇溝の延長線上に取る。 筋枝:顔面神経(頬筋枝・下顎縁枝)(口輪筋) 皮枝:上顎神経(三叉神経第2枝)・下顎神経(三叉神経第3枝) 血管:顔面動脈 主治:顔面神経麻痺、三叉神経痛、高血圧による言語渋滞(中風)。 意義:地は土、土地、地の気を意味し、倉はくら、ものを入れておく建物で大倉といえば胃の別名である。地倉とは口角の近くにあるところから胃の入り口にある穴という意味である。

ST 5 大迎 だいげい 部位:顔面部、下顎角の前方、咬筋付着部の前方陥凹部、顔面動脈上。 取穴:下顎角から下顎体に沿って指を前方に進め、顔面動脈拍動部に取る。 筋枝:顔面神経(頚枝)(広頚筋)、下顎神経(咬筋) 皮枝:下顎神経(三叉神経第3枝) 血管:顔面動脈 主治:下歯痛の特効穴、顔面神経痙攣および麻痺、咬筋痙攣、頚部リンパ腺炎、三叉神経痛。 意義:大は大切、重要、迎はむかえる、めぐりあう、二者相会するの意味がある。大迎とは下顎骨の体と枝とが接するところで、胃経と大腸経とが交わるところにある大切な穴という意味である。

ST 6 頬車 きょうしゃ 部位:顔面部、下顎角の前上方1横指(中指)。 取穴:下顎角の前上方で、歯を噛み締めると咬筋が緊張し、力を抜くと陥凹するところに取る。 筋枝:下顎神経(咬筋) 皮枝:下顎神経(三叉神経第3枝)・大耳介神経 血管:浅側頭動脈 主治:大迎に同じ。 意義:頬はほお、顔面の外側、車はくるま、軸を中心に回転する輪、歯ぐき、歯肉の意味、また牙車は顎関節部のことである。頬車とは頬部、牙車の際にある穴、頬の外側にある歯や歯ぐきの疾患に効果のある穴という意味である。

ST 7 下関 げかん 部位:顔面部、頬骨弓の下縁中点と下顎切痕の間の陥凹部。 取穴:頬骨弓下縁中点と下顎切痕との間、口を閉じれば深い陥凹ができ、口を開けば下顎骨関節突起が前に移動して陥凹がなくなるところに取る。 筋枝:下顎神経(咬筋・外側翼突筋) 皮枝:下顎神経(三叉神経第3枝) 血管:顔面横動脈 主治:歯痛の特効穴、耳痛、顔面神経麻痺、三叉神経痛、下顎が脱臼しやすいもの(習慣性)に効く。 意義:下はした、関はせき、しきり。下関とは頬骨弓が関(しきり)であり、したがって頬骨弓の下にある穴という意味である。なお下関に対し胆経の客主人穴を上関ともいう。

ST 8 頭維 ずい 部位:頭部、額角髪際の直上5分、前正中線の外方4寸5分。 取穴:額角髪際の後方5分、神庭(督脈)の外方4寸5分に取る。 補足:前髪際の後方5分には前正中線から、神庭(督脈)、眉衝(膀胱経)、曲差(膀胱経)、頭臨泣(胆経)、本神(胆経)、頭維が並ぶ。 筋枝:顔面神経(側頭枝)(前頭筋) 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝)・上顎神経(三叉神経第2枝) 血管:浅側頭動脈 主治:片頭痛の特効穴、眼科疾患(結膜炎、視力減退など)、脳充血。 意義:頭はあたま、維はつなぐ、ふとづな。頭維とは頭部のかどすみにある重要な穴という意味である。

ST 9 人迎 じんげい 部位:前頚部、甲状軟骨上縁と同じ高さ、胸鎖乳突筋の前縁、総頚動脈上。 取穴:甲状軟骨上縁の外方で胸鎖乳突筋の前縁、総頚動脈拍動部に取る。 補足:甲状軟骨上縁の高さで、胸鎖乳突筋の前縁に人迎、中央に扶突(大腸経)、後縁に天窓(小腸経)が並ぶ。 筋枝:顔面神経(頚枝)(広頚筋) 皮枝:頚横神経 血管:総頚動脈 主治:呼吸器疾患(喘息、扁桃炎、気管支炎など)、バセドー病、高血圧、瘰癧、甲状腺腫。 意義:人迎とはこの部にある総頚動脈拍動部をさしている。

ST 10 水突 すいとつ 部位:前頚部、輪状軟骨と同じ高さ、胸鎖乳突筋の前縁。 取穴:人迎の下方で胸鎖乳突筋の前縁、輪状軟骨の高さに取る。 補足:胸鎖乳突筋をはさんで、天鼎(大腸経)と同じ高さにあたる。 筋枝:顔面神経(頚枝)、副神経・頚神経叢の枝(胸鎖乳突筋) 皮枝:頚横神経 血管:総頚動脈 主治:喘息、気管支炎、咽喉カタル、咽頭炎、喉頭炎。 意義:水は流れるさま、水分、突は突出またはつきさす。水突とは咽喉の腫れや喘息などで水鳥のような声を発する病に鍼をさして効果のある穴という意味である。

ST 11 気舎 きしゃ 部位:前頚部、小鎖骨上窩で鎖骨胸骨端の上方、胸鎖乳突筋の胸骨頭と鎖骨頭の間の陥凹部。 取穴:鎖骨内端の上部で、胸鎖乳突筋の二頭間に取る。 筋枝:顔面神経(頚枝)(広頚筋)、副神経・頚神経叢の枝(胸鎖乳突筋) 皮枝:鎖骨上神経 血管:総頚動脈 主治:咽喉や気管の病、斜頚、扁桃痛、気管支炎、咽頭炎。 意義:気は生気、水蒸気、舎はやど、ゆっくり呼吸して休むなどを意味する。気舎とは生気の宿るところにある穴という意味である。

ST 12 欠盆 けつぼん 部位:前頚部、大鎖骨上窩、前正中線の外方4寸、鎖骨上方の陥凹部。 取穴:前正中線外方4寸の乳頭線上で鎖骨の上方陥凹中に取る。 補足:肺尖部に近い欠盆をはじめ、胸背部の経穴の刺鍼には気胸を起こさないように注意を要する。 筋枝:顔面神経(頚枝)(広頚筋)、頚神経前枝(前斜角筋・中斜角筋) 皮枝:鎖骨上神経 血管:鎖骨下動脈 主治:呼吸器疾患(胸膜炎、気管支炎、感冒など)に卓効がある。上肢の神経痛や麻痺。 意義:缺はかける、われやぶれる、盆はふちの浅い器。缺盆とはお盆のようにかけくぼんだところ、すなわち大鎖骨上窩にある穴という意味である。

ST 13 気戸 きこ 部位:前胸部、鎖骨下縁、前正中線の外方4寸。 取穴:鎖骨の下縁と乳頭線との交点に取る。 補足:胃経の胸部の経穴は、前正中線外方4寸、乳頭線上にあたる。 筋枝:顔面神経(頚枝)(広頚筋)、内側・外側胸筋神経(大胸筋)、鎖骨下筋神経(鎖骨下筋) 皮枝:鎖骨上神経 血管:腋窩動脈 主治:呼吸器疾患(胸膜炎、気管支炎、感冒、肺結核など)。 意義:気は生気、戸は門のとびら。気戸とは生気特に上焦の気(宗気)が出入りするところにある穴という意味である。

ST 14 庫房 こぼう 部位:前胸部、第1肋間、前正中線の外方4寸。 取穴:華蓋(任脈)から第1肋間に沿って外方4寸、乳頭線上に取る。 筋枝:内側・外側胸筋神経(大胸筋) 皮枝:鎖骨上神経・肋間神経(前皮枝) 血管:胸肩峰動脈・肋間動脈 主治:呼吸器および心臓疾患、肋間神経痛。 意義:庫はくら、房は小さな部屋。庫房とは五臓の華蓋である肺臓や心臓を入れている部位にある穴という意味である。

ST 15 屋翳 おくえい 部位:前胸部、第2肋間、前正中線の外方4寸。 取穴:紫宮(任脈)から第2肋間に沿って外方4寸、乳頭線上に取る。 筋枝:内側・外側胸筋神経(大胸筋・小胸筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝・外側皮枝) 血管:胸肩峰動脈・肋間動脈 主治:呼吸器および心臓疾患、肋間神経痛。 意義:屋は屋根、おおう、翳はかげ、おおいかくす。屋翳とは心臓や肺をおおう位置にある穴という意味である。

ST 16 膺窓 ようそう 部位:前胸部、第3肋間、前正中線の外方4寸。 取穴:玉堂(任脈)から第3肋間に沿って外方4寸、乳頭線上に取る。 屋翳に同じ。筋枝:内側・外側胸筋神経(大胸筋・小胸筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝・外側皮枝) 血管:胸肩峰動脈・肋間動脈 主治:呼吸器および心臓疾患、肋間神経痛、乳腺炎。 意義:膺は胸にいだき持つ、窓は通じる、内外を疎通するという意味。膺窓とは胸に通じる窓にあたる穴という意味である。

ST 17 乳中 にゅうちゅう 部位:前胸部、乳頭中央。 取穴:膻中(任脈)から第4肋間に沿って外方4寸、乳頭線上、乳頭部中央に取る。 補足:第4肋間の高さには前正中線から、膻中(任脈)、神封(腎経)、乳中、天池(心包)、天渓(脾経)、輒筋(胆経)、淵腋(胆経)が並ぶ。 屋翳に同じ。筋枝:内側・外側胸筋神経(大胸筋・小胸筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝・外側皮枝) 血管:胸肩峰動脈・肋間動脈 主治:なし。 意義:乳中とは乳の中央すなわち乳頭にある穴という意味である。

ST 18 乳根 にゅうこん 部位:前胸部、第5肋間、前正中線の外方4寸。 取穴:第5肋間に沿って前正中線から外方4寸、乳頭線上に取る。 補足:女性では乳房下縁の中点にあたる。 筋枝:内側・外側胸筋神経(大胸筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝・外側皮枝) 血管:胸肩峰動脈・肋間動脈 主治:乳腺炎、肋間神経痛。 意義:乳根とは乳の根本にある穴という意味である。

ST 19 不容 ふよう 部位:上腹部、臍中央の上方6寸、前正中線の外方2寸。 取穴:天枢の上方6寸、巨闕(任脈)の外方2寸で腹直筋中に取る。 補足:胃経の腹部の経穴は前正中線外方2寸、前正中線と乳頭線との中線上にあたる。胸骨下角が狭く、不容の下に肋骨がある場合の刺鍼は斜刺で行う。 筋枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:肋間動脈・上腹壁動脈 主治:胃疾患(胃痙攣、胃酸過多症、胃アトニー、胃拡張、嘔吐など)、肋間神経痛、咳嗽、喘息、しゃっくり。 意義:不ははじまり、否定する、容は容器、いれもの、ここでは胃を意味する。不容とは胃の始まり、噴門部にある穴という意味である。また「不容」を「いれず」と読んで、胃が障害されて 100食物を受け入れないときに用いる穴という意味もある。

ST 20 承満 しょうまん 部位:上腹部、臍中央の上方5寸、前正中線の外方2寸。 取穴:天枢の上方5寸、上脘(任脈)の外方2寸、腹直筋中に取る。 筋枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:上腹壁動脈 主治:胃疾患による疼痛(胃潰瘍、胃カタルなど)、その他の腹痛、肋間神経痛。 意義:承はうける、満はみつる、いっぱいになるの意味。承満とは胃部膨満や心窩満、胸脇苦満などの主治症がある穴という意味である。

ST 21 梁門 りょうもん 部位:上腹部、臍中央の上方4寸、前正中線の外方2寸。 取穴:天枢の上方4寸、中脘(任脈)の外方2寸、腹直筋中に取る。 筋枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:上腹壁動脈 主治:胃疾患の特効穴であり必須穴である。胃の陽証(急性胃カタル、胃痙攣など)、胃の陰証(胃アトニー、胃拡張、食欲不振など)の場合、いずれにも良く効く。肝臓や胆嚢疾患。 意義:梁ははり、屋根をささえる重要な横木、門は病邪が出入りするところ。梁門とは胃の上部にあって反応がよく現れるところにある穴という意味である。

ST 22 関門 かんもん 部位:上腹部、臍中央の上方3寸、前正中線の外方2寸。 取穴:天枢の上方3寸、建里(任脈)の外方2寸、腹直筋中に取る。 承満に同じ。筋枝:肋間神経(承満に同じ。腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:上腹壁動脈 主治:梁門に同じ、その他、脚気、遺尿症。 意義:関はせき、かんぬき、門は邪気が出入りするところ。関門とは梁門と同じく胃の反応がよく現れる穴という意味である。

ST 23 太乙 たいいつ 部位:上腹部、臍中央の上方2寸、前正中線の外方2寸。 取穴:天枢の上方2寸、下脘(任脈)の外方2寸、腹直筋中に取る。 承満に同じ。筋枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:上腹壁動脈 主治:胃腸疾患、脚気、遺尿症、てんかん、精神錯乱、躁うつ病。 意義:太は重要、乙はとどまる、終わり。太乙とは胃疾患を主治し胃の下部にある穴という意味である。

任脈 部位:上腹部、臍中央の上方1寸、前正中線の外方2寸。 取穴:天枢の上方1寸、水分 の外方2寸、腹直筋中に取る。 承満に同じ。筋枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:上腹壁動脈 主治:胃腸疾患(嘔吐、胃出血、胃痙攣、腸や下腹部の痛み、消化不良、脱肛など)、腎臓や脾臓の疾患、精神病。 意義:滑はすべる、肉は筋肉の肉、門はかど、出入口。沢田流ではこの穴を骨肉門とよび、骨は腎臓の支配を、肉は脾臓の支配を受けるから、腎臓や脾臓の病に効く穴であるとした。また風門(膀胱経)から入った風邪が腎臓や脾臓(ときには腸や肝臓)において反応を現し、これを取り除くのに効果がある穴である。

ST 25 天枢 てんすう 部位:上腹部、臍中央の外方2寸。 取穴:神闕(任脈)の外方2寸、腹直筋中に取る。 筋枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:浅腹壁動脈・上腹壁動脈・下腹壁動脈 要穴:大腸の募穴 主治:消化器疾患(下痢や便秘など)、泌尿器疾患(腎炎、膀胱炎など)、生殖器疾患(月経不順、子宮内膜炎、子宮出血、精力減退、冷え症など)。 意義:人身では天枢より上を天、下を地とする。天枢とは天の気と地の気を分ける枢要(重要)な部位にある穴という意味である。なお、天と地の寒気が天枢の部で相たたかって体が傷つき病気にかかることを傷寒という。

ST 26 外陵 がいりょう 部位:下腹部、臍中央の下方1寸、前正中線の外方2寸。 取穴:天枢の下方1寸、陰交(任脈)の外方2寸、腹直筋中に取る。 筋枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 主治:腸痙攣、胃下垂症、月経痛、副精巣炎。 意義:外は外側、陵はおおいなる丘、塚。外陵とは腹直筋の筋腹が著しく現れているところの外側にある穴という意味である。

ST 27 大巨 だいこ 部位:下腹部、臍中央の下方2寸、前正中線の外方2寸。 取穴:天枢の下方2寸、石門(任脈)の外方2寸、腹直筋中に取る。 筋外陵に同じ。枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 主治:大腸疾患の特効穴(下痢、便秘、腸疝痛、腸結核など)、呼吸器疾患(咽喉カタル、気管支カタル、肺炎、胸膜炎など)、泌尿器疾患(腎炎、腎臓結核、腎盂炎、尿閉、膀胱カタル、淋疾など)、婦人科疾患(子宮内膜炎、帯下、不妊症、月経不順、月経困難など)の必須穴、下腹部および下肢の疾患(坐骨神経痛、リウマチ、四肢倦怠、慢性腹膜炎など)、不眠症。 意義:大は大切、重要、巨は巨大。大巨とは大いに重要な穴という意味である。

ST 28 水道 すいどう 部位:下腹部、臍中央の下方3寸、前正中線の外方2寸。 取穴:天枢の下方3寸、関元(任脈)の外方2寸、腹直筋中に取る。 筋枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝)・腸骨下腹神経(前皮枝) 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 主治:泌尿器疾患(腎盂炎、膀胱炎、尿閉、膀胱麻痺、尿道炎など)、婦人科疾患(子宮位置異常、下腹痛、子宮内膜炎など)。 意義:水道とは水の道すなわち腎臓や膀胱と関係し、泌尿器疾患の主治穴という意味である。

ST 29 帰来 きらい 部位:下腹部、臍中央の下方4寸、前正中線の外方2寸。 取穴:天枢の下方4寸、中極(任脈)の外方2寸、腹直筋中に取る。 筋枝:肋間神経(腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝)、腸骨下腹神経(前皮枝) 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 主治:泌尿生殖器疾患の特効穴(膀胱炎、尿道炎、卵巣炎、子宮内膜炎、子宮筋腫、月経不順、腟炎、陰萎症、夢精など)。 意義:帰来とは帰り来るという意味で、胃経の分枝が本経に再び合するところにある穴である。

ST 30 気衝 きしょう 部位:鼡径部、恥骨結合上縁と同じ高さで、前正中線の外方2寸、大腿動脈拍動部。 取穴:天枢の下方5寸、曲骨(任脈)の外方2寸。 補足:大腿動脈の拍動は気衝より外方に触れることが多い。 筋枝:肋間神経・腸骨下腹神経(前皮枝)・腸骨鼡径神経(外腹斜筋・内腹斜筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝)・腸骨下腹神経(前皮枝) 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈・大腿動脈 主治:泌尿生殖器の炎症性疾患に著効がある。その他、腹膜炎、腹水、大小腸カタル。 意義:気は生気、衝はつく、大通り、動く、転じて動脈拍動部をさす。気衝とは衝脈(奇経八脈の一つ)の始まるところであり、気血のよく集まる動脈拍動部にある穴という意味である。

ST 31 髀関 ひかん 部位:大腿前面、3筋(大腿直筋と縫工筋と大腿筋膜張筋)の近位部の間の陥凹部。 取穴:上前腸骨棘と膝蓋骨底外端とを結ぶ線上で、大転子頂点の高さに取る。 補足:股関節と膝をわずかに屈曲し、股関節をわずかに外転し、大腿前内側に加えられた抵抗に抗したとき、三角形の陥凹が現れる。大腿直筋近位部は、内側の縫工筋と外側の大腿筋膜張筋の間の陥凹部にあり、この三角形の頂点の下方にある陥凹の最も深い部分に取る。大腿部の胃経の経穴はすべて上前腸骨棘と膝蓋骨底外端とを結ぶ線上に取る。 筋枝:大腿神経(縫工筋・大腿直筋)、上殿神経(大腿筋膜張筋) 皮枝:外側大腿皮神経 血管:外側大腿回旋動脈 主治:腰痛、外側大腿皮神経痛、股関節炎、中風と下肢の麻痺、腸疝痛。 意義:髀はもも、ももの骨、肥大、関は関節。髀関とはももの関節部(股関節)にある穴という意味である。

ST 32 伏兎 ふくと 部位:大腿前外側、膝蓋骨底外端と上前腸骨棘を結ぶ線上、膝蓋骨底の上方6寸。 取穴:膝蓋骨底外端と髀関を結ぶ線を3等分し、膝蓋骨底外端から約3分の1、大腿直筋の外縁に取る。 筋枝:大腿神経(大腿直筋・外側広筋) 皮枝:外側大腿皮神経・大腿神経(前皮枝) 血管:外側大腿回旋動脈 主治:脚気、下肢の神経痛と麻痺。 意義:伏はふせる、かくれる、兎はうさぎ。伏兎には兎が伏した形という意味がある。すなわち、正座するとき大腿四頭筋が盛り上がってこの部が兎が伏した形に隆起し、その頂点にこの穴がある。

ST 33 陰市 いんし 部位:大腿前外側、大腿直筋腱の外側で膝蓋骨底の上方3寸。 取穴:膝蓋骨底外端の上方3寸、大腿直筋腱の外側縁に取る。 筋枝:大腿神経(外側広筋) 皮枝:外側大腿皮神経・大腿神経(前皮枝) 血管:外側大腿回旋動脈 主治:下腹部、腰部、下肢の冷感、膝痛、下腹痛。 意義:陰はかげ、陰経、市は市場、物品を売買するところ。陰市とは陰の気が集まるところにある穴という意味である。陽明胃経の経穴で、陰経の症状たとえば下腹部の冷え症や疼痛などに効く穴である。

ST 34 梁丘 りょうきゅう 部位:大腿前外側、外側広筋と大腿直筋腱外縁の間、膝蓋骨底の上方2寸。 取穴:膝蓋骨底外端の上方2寸、外側広筋と大腿直筋腱との間に取る。 筋枝:大腿神経(外側広筋) 皮枝:外側大腿皮神経・大腿神経(前皮枝) 血管:外側大腿回旋動脈・外側上膝動脈 要穴:胃経の郄穴 主治:胃疾患のうち急性症の特効穴(胃痙攣、腹痛など)、下痢、膝関節炎やリウマチ、腰痛、坐骨神経痛。 意義:梁ははり、重要、丘はおか、たかまり。梁丘とはこの部が隆起して胃経における重要な穴という意味である。

ST 35 犢鼻 とくび 部位:膝前面、膝蓋靱帯外方の陥凹部。 取穴:膝を軽く曲げたとき、膝蓋骨外下方にできる陥凹中に取る。 補足:犢鼻から解渓までの長さを便宜上1尺6寸とする。 靱帯:膝蓋靱帯 皮枝:伏在神経膝蓋下枝 血管:外側下膝動脈 主治:膝関節炎やリウマチ、水腫、脚気。 意義:犢は子牛、鼻ははな。犢鼻とは膝蓋靭帯を鼻としその両側のくぼみを眼とみたて、鼻の先にある穴という意味である。

ST 36 足三里 あしさんり 部位:下腿前面、犢鼻と解渓を結ぶ線上、犢鼻の下方3寸。 取穴:犢鼻の下方3寸で腓骨頭の直下と脛骨粗面下端との中間、前脛骨筋中に取る。 筋枝:深腓骨神経(前脛骨筋) 皮枝:外側腓腹皮神経 血管:前脛骨動脈 要穴:胃経の合土穴、四総穴、胃の下合穴 主治:古来、万病に用いられる。特に胃疾患の特効穴(胃痙攣、胃カタル、胃アトニー、胃下垂など、ただし胃酸過多症、胃潰瘍には用いない)、その他の消化器疾患、下肢の神経痛および麻痺(坐骨神経痛、腓骨神経痛、膝関節や足関節のリウマチ、下半身不随、腓骨神経麻痺、脚気など)。 意義:三は三つめ、交わる、組み合わす、三は初陽(陽の数の始まり)、里はさと、道のり、やど。三里とは手の三里と同じく陽病の初期症状の宿るところで、陽病に用いる穴という意味である。

ST 37 上巨虚 じょうこきょ 部位:下腿前面、犢鼻と解渓を結ぶ線上、犢鼻の下方6寸。 取穴:条口を取り、その上方2寸に取る。 足三里に同じ。筋枝:深腓骨神経(前脛骨筋) 皮枝:外側腓腹皮神経 血管:前脛骨動脈 要穴:大腸の下合穴 主治:大腸疾患の特効穴(大腸カタル、便秘など)、腓骨神経痛、脚気、半身不随。 意義:上巨虚は下巨虚に対応する穴名で、上はうえ、巨はしきり、重要、虚はくぼみ、よわる、上巨虚とは虚実の反応点として重要な穴という意味である。

ST 38 条口 じょうこう 部位:下腿前面、犢鼻と解渓を結ぶ線上、犢鼻の下方8寸。 取穴:犢鼻と解渓との中点に取る。 足三里に同じ。筋枝:深腓骨神経(前脛骨筋) 皮枝:外側腓腹皮神経 血管:前脛骨動脈 主治:脚気、腓骨神経麻痺、胃腸の虚弱。 意義:条はえだ、分枝、すじ、口は出入口。条口とは経絡の分枝が出入りするところにある穴という意味である。

ST 39 下巨虚 げこきょ 部位:下腿前面、犢鼻と解渓を結ぶ線上、犢鼻の下方9寸。 取穴:条口を取り、その下方1寸に取る。 足三里に同じ。筋枝:深腓骨神経(前脛骨筋) 皮枝:外側腓腹皮神経 血管:前脛骨動脈 要穴:小腸の下合穴 主治:小腸疾患の特効穴(腸疝痛、消化不良など)、脚気、下肢の麻痺(半身不随、小児麻痺など)、乳房の疾患。 意義:下巨虚は上巨虚に対応する穴名である。

ST 40 豊隆 ほうりゅう 部位:下腿前外側、前脛骨筋の外縁、外果尖の上方8寸。 取穴:条口を取り、その外方1横指(中指)、前脛骨筋の外縁に取る。 筋枝:深腓骨神経(前脛骨筋・長指伸筋) 皮枝:外側腓腹皮神経 血管:前脛骨動脈 要穴:胃経の絡穴 主治:消化器疾患(腸疝痛、便秘、肝臓病など)、機能的疾患(頭痛、てんかん、神経衰弱、ヒステリーなど)、下肢の神経痛や麻痺、痙攣。 意義:豊はゆたか、隆は盛り上がる。豊隆とは下腿前面で最も高く隆起しているところにある穴という意味である。

ST 41 解渓 かいけい 部位:足関節前面、足関節前面中央の陥凹部、長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間。 取穴:足関節を背屈すると3本の腱が現れる。内側から前脛骨筋、長母指伸筋、長指伸筋の腱である。本穴は後二者の腱の間に取る 補足:内果尖と外果尖との中点にあたる。 筋枝:深腓骨神経(長母指伸筋・長指伸筋) 皮枝:浅腓骨神経 血管:前脛骨動脈 要穴:胃経の経火穴 主治:足関節炎やリウマチ、捻挫、腰痛、胃経の実証(腹張り、便秘、頭痛、眼や顔面の発赤や充血など)。 意義:解はとく、わける、谿は谷川。解谿とは足関節部にある経脈の流れるところという意味である。

ST 42 衝陽 しょうよう 部位:足背、第2中足骨底部と中間楔状骨の間、足背動脈拍動部。 取穴:第2中足骨底と中間楔状骨との間で、足背動脈拍動部に取る。 筋枝:深腓骨神経(長指伸筋・短母指伸筋) 皮枝:浅腓骨神経 血管:足背動脈 要穴:胃の原穴 主治:胃疾患の特効穴(嘔吐、食欲不振、腹部膨満など)、足関節炎やリウマチ、捻挫、歯の疾患。 意義:衝はつく、拍動部、陽は陽明胃経を意味する。衝陽とは陽明胃経をうかがう脈どころにある穴という意味である。

ST 43 陥谷 かんこく 部位:足背、第2・第3中足骨間、第2中足指節関節の近位陥凹部。 取穴:第2中足指節関節の後外側陥凹中に取る。 筋枝:深腓骨神経(短指伸筋)、外側足底神経(第2背側骨間筋) 皮枝:浅腓骨神経 血管:第2背側中足動脈 要穴:胃経の兪木穴 主治:足背水腫、足底痛。 意義:陥はくぼみ、谷は谷あい。陥谷とは中足骨間のくぼみにある穴という意味である。

ST 44 内庭 ないてい 部位:足背、第2・第3足指間、みずかきの後縁、赤白肉際。 取穴:第2・第3中足指節関節間の直前の陥凹部に取る。 筋枝:深腓骨神経(短指伸筋)、外側足底神経(第2背側骨間筋) 皮枝:浅腓骨神経 血管:背側指動脈 要穴:胃経の栄水穴 主治:食傷(食中毒)、歯痛(特に上歯痛)、手足の厥冷。 意義:内はうちがわ、庭は家の前の広場。内庭とはうちにわ、すなわち第3指を中心にするとその内側(母指側)にある穴という意味である。

ST 45 厲兌 れいだ 部位:足の第2指、末節骨外側、爪甲角の近位外方1分(指寸)、爪甲外側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。 取穴:足の第2指爪根部近位縁に引いた線と、外側縁に引いた線との交点に取る。 皮枝:浅腓骨神経 血管:背側指動脈 要穴:胃経の井金穴 主治:腹水、扁桃炎、ノイローゼ、気絶。 意義:厲はおこる、はげしい、鋭い、兌は小さいあな。厲兌とは足の陽明胃経の末端にある穴という意味である。

足の太陰脾経 Spleen Meridian SP 21穴

経脈流注: "足の太陰脾経は、足の陽明胃経の脈気を受けて足の第1指内側端に起こり、表裏の境目に沿って内果の前を通り、脛骨の後に沿って下腿内側を上り、足の厥陰肝経と交わって前に出て、膝を経て大腿前内側を上る。腹部では前正中線外方4寸を上りながら、任脈、胆経、肝経に交わった後、脾に属し、胃を絡う。

さらに、横隔膜を貫き、胸部では前正中線外方6寸を上り、外に曲がって側胸部中央[大包]に至る。さらに、上に向かい[中府]を通り、食道をはさみ、舌根につらなり舌下に広がる。

また、上腹部より分かれた支脈は、横隔膜を貫き、心中で、手の少陰心経につながる。

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WHO 経穴名 読み WHO 部位 取穴 筋枝 靱帯・腱など 皮枝 血管 血管 要穴 主治 意義

SP 1 隠白 いんぱく  SP 1 部位:足の第1指、末節骨内側、爪甲角の近位内方1分(指寸)、爪甲内側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。 取穴:足の第1指爪根部近位縁に引いた線と、内側縁に引いた線との交点に取る。 皮枝:浅腓骨神経 血管:背側指動脈 血管:背側指動脈 要穴:脾経の井木穴 主治:腹膜炎、急性腸カタル、月経過多、小児の慢性痙攣状態。 意義:隠はかげ、すなわち足の内側、白はしろ、すなわち白肉(足底の皮膚の色)。隠白とは足の内側で白肉の際にある穴という意味である。

SP 2 大都 だいと  SP 2 部位:足の第1指、第1中足指節関節の遠位陥凹部、赤白肉際。 取穴:第1中足指節関節の内側を触察し、その前部に触れる陥凹中、表裏の境目に取る。 隠白に同じ。 皮枝:浅腓骨神経 血管:背側指動脈 血管:背側指動脈 要穴:脾経の栄火穴 主治:胃腸病(腹張り、嘔吐、胃痙攣など)、手足の厥冷。 意義:大は大切、重要、都はみやこ、人が多く集まるところ。大都とは脈気がこんこんと流れる重要な穴という意味である。

SP 3 太白 たいはく  SP 3 部位:足内側、第1中足指節関節の近位陥凹部、赤白肉際。 取穴:第1中足骨の内側縁を後ろからつま先の方へ指頭で撫でていくとき、指が止まるところ、表裏の境目に取る。 筋枝:内側足底神経(母指外転筋) 皮枝:浅腓骨神経 血管:内側足底動脈浅枝 血管:内側足底動脈浅枝 要穴:脾の原穴、脾経の兪土穴 主治:消化器疾患、特に脾、胃の病(腹痛、嘔吐、便秘、消化不良など)、脾の病である精神病、神経衰弱、ヒステリー、不眠症、足の母趾麻痺。 意義:太は大切、重要、白は五臓色体表の五色で肺に属する。太白とは脾経のうちで肺疾患の反応が現れる重要な穴という意味である。

SP 4 公孫 こうそん  SP 4 部位:足内側、第1中足骨底の前下方、赤白肉際。 取穴:太白から第1中足骨の内側縁に沿って後ろへ指頭で撫でていくとき、指が止まるところ、表裏の境目に取る。 筋枝:内側足底神経(母指外転筋・短母指屈筋内側頭) 皮枝:伏在神経 血管:内側足根動脈 血管:内側足根動脈 要穴:脾経の絡穴、八脈交会穴 主治:消化器疾患(胃痛、嘔吐、食欲不振、腸出血、消化不良、脱肛など)、脾実証(頭痛、発熱、夏季急性の吐き下し、精神錯乱など)、足底痛、足の母趾麻痺。 意義:公はおおやけ、正しくしてかたよらず、孫はまご、つづく、従う。公孫とは脾の大絡(大包)に続く脾の絡穴にあたる重要な穴という意味である。

SP 5 商丘 しょうきゅう  SP 5 部位:足内側、内果の前下方、舟状骨粗面と内果尖の中央陥凹部。 取穴:内果前縁を通る垂線と内果下縁を通る水平線との交点に取る。 皮枝:伏在神経 血管:前内果動脈 血管:前内果動脈 要穴:脾経の経金穴 主治:足関節炎やリウマチ、捻挫、脾、胃に原因する呼吸器疾患(胸膜炎、肺結核など)と心臓病、胃アトニー、胃下垂、婦人病。 意義:商は五臓色体表の五音で肺にあたり、丘はおか、周囲の高いところ。商丘とは周囲の高いところにあって脾経の中で肺と関係する穴という意味である。

SP 6 三陰交 さんいんこう  SP 6 部位:下腿内側(脛側)、脛骨内縁の後際、内果尖の上方3寸。 取穴:内果尖の上方3寸、脛骨の内側縁と後脛骨筋との間に取る。 筋枝:脛骨神経(後脛骨筋・長指屈筋) 皮枝:伏在神経 血管:後脛骨動脈 血管:後脛骨動脈 主治:生殖器疾患の特効穴、すなわち女子では月経不順、月経困難症、子宮内膜炎、更年期障害、男子では淋疾、陰萎症、遺精症など、泌尿器疾患(腎炎、膀胱炎、尿道炎、夜尿症など)、胃腸疾患(慢性胃炎、食欲不振、消化不良、腹部膨満感、腸神経痛、腸雷鳴、下痢など)、下肢の厥冷、脚気。 意義:三陰交とは三つの陰経すなわち太陰脾経、少陰腎経および厥陰肝経が交わるところにある穴という意味で、陰病の反応がよく現れ、治療点としても重要な穴である。

SP 7 漏谷 ろうこく  SP 7 部位:下腿内側(脛側)、脛骨内縁の後際、内果尖の上方6寸。 取穴:脛骨内縁の後際、内果尖と陰陵泉とを結ぶ線のほぼ中点の高さに取る。 三陰交に同じ。筋枝:脛骨神経(後脛骨筋・長指屈筋) 皮枝:伏在神経 血管:後脛骨動脈 血管:後脛骨動脈 主治:腸雷鳴、腹部膨満感、消化不良、ヒステリー。 意義:漏はもれる、すきまから入りこむ、転じてあな、すきま、谷は谷あいのくぼみ、転じて骨と肉とのすきま。漏谷とは骨肉の間で脈気が谷川のように流れるところにある穴という意味である。

SP 8 地機 ちき  SP 8 部位:下腿内側(脛側)、脛骨内縁の後際、陰陵泉の下方3寸。 取穴:脛骨内縁の後際、内果尖と膝蓋骨尖とを結ぶ線を3等分し、膝蓋骨尖から3分の1の高さに取る。 筋枝:脛骨神経(ヒラメ筋・長指屈筋) 皮枝:伏在神経 血管:後脛骨動脈 血管:後脛骨動脈 要穴:脾経の郄穴 主治:糖尿病の特効穴、急性胃カタル、消化不良、脚気、大腿神経痛、下肢の麻痺、下腿水腫、膝関節炎やリウマチ。 意義:地は土地、五行では脾に属し、機は道具、主要なところ。地機とは脾に関係する重要な穴という意味である。

SP 9 陰陵泉 いんりょうせん  SP 9 部位:下腿内側(脛側)、脛骨内側顆下縁と脛骨内縁が接する陥凹部。 取穴:脛骨内側縁を指頭で撫で上げたとき、指が止まるところに取る。 筋枝:脛骨神経(腓腹筋・半腱様筋) 皮枝:伏在神経 血管:内側下膝動脈・下行膝動脈(伏在枝) 血管:内側下膝動脈・下行膝動脈(伏在枝) 要穴:脾経の合水穴 主治:消化器疾患(胃腸カタル、腹冷えなど)、婦人病一般、特に更年期障害、高血圧、膝関節炎やリウマチ、脚気、遺尿、尿閉。 意義:陰はかげ、うちがわ、陵は大いなる高まり、おか、泉はいずみ、湧き出る源。陰陵泉とは経脈の脈気がよく湧き出るところにある穴という意味である。

SP 10 血海 けっかい  SP 10 部位:大腿前内側、内側広筋隆起部、膝蓋骨底内端の上方2寸。 取穴:膝蓋骨底内側端の上方2寸で、内側広筋の隆起部に取る。 筋枝:大腿神経(内側広筋) 皮枝:大腿神経(前皮枝) 血管:下行膝動脈 血管:下行膝動脈 主治:婦人の血の病(子宮出血、子宮内膜炎、月経不順、月経閉止など)の特効穴、膝関節炎やリウマチ。 意義:血は血液、海はうみ、ものが多く集まるところ。血海とは血液疾患(血の道)や瘀血の反応がよく現れる穴という意味である。

SP 11 箕門 きもん  SP 11 部位:大腿内側、膝蓋骨底内端と衝門を結ぶ線上、衝門から3分の1、縫工筋と長内転筋の間、大腿動脈拍動部。 取穴:膝蓋骨底内端と衝門とを結ぶ線を3等分し、衝門から3分の1のところ、大腿動脈拍動部に取る。 筋枝:大腿神経(縫工筋)、閉鎖神経(長内転筋) 皮枝:大腿神経(前皮枝) 血管:大腿動脈 血管:大腿動脈 主治:大腿神経痛、生殖器疾患。 意義:箕はみ(穀物に混じったちりや糠をよりわける道具)、門は気血の出入りするところ。箕門とは脾経の脈気に混じっている邪気を分ける穴という意味である。

SP 12 衝門 しょうもん  SP 12 部位:鼡径部、鼡径溝、大腿動脈拍動部の外方。 取穴:曲骨(任脈)の外方で、府舎の内下方、大腿動脈拍動部の外方に取る。 筋枝:腰神経叢・大腿神経の枝(腸腰筋) 皮枝:腸骨下腹神経・腸骨鼡径神経・陰部大腿神経 血管:大腿動脈 血管:大腿動脈 主治:腹水の特効穴、大腿神経痛、精索神経痛、陰嚢ヘルニア、胃痙攣、子宮痙攣、子宮位置異常による牽引痛、精巣炎。 意義:衝はつく、つきあげる、拍動部、門は入り口。衝門とは臍下部から心窩部に向かってつきあげる急性症状を治す穴という意味である。

SP 13 府舎 ふしゃ  SP 13 部位:下腹部、臍中央の下方4寸3分、前正中線の外方4寸。 取穴:中極(任脈)の外方4寸のやや下方に取る。 筋枝:肋間神経・腸骨下腹神経・腸骨鼡径神経(外腹斜筋・内腹斜筋) 皮枝:腸骨下腹神経 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 主治:便秘、腸痙攣、虫垂炎。 意義:府は人やものが集まるところ、舎はやどる。府舎とは脾経の脈気が多く宿り集まり、腸や脾・胃などと関係する穴という意味である。

SP 14 腹結 ふっけつ  SP 14 部位:下腹部、臍中央の下方1寸3分、前正中線の外方4寸。 取穴:陰交(任脈)の外方4寸のやや下方に取る。 筋枝:肋間神経・腸骨下腹神経・腸骨鼡径神経(外腹斜筋・内腹斜筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝・外側皮枝) 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈・上腹壁動脈 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈・上腹壁動脈 主治:便秘、下痢、側腹痛などの腸疾患、黄疸、腸骨下腹神経痛。 意義:腹ははら、結はむすぶ、しこり、かたまり。腹結とは便秘や裏急後重の際に腹部にしこりができたとき用いる穴という意味である。

SP 15 大横 だいおう  SP 15 部位:上腹部、臍中央の外方4寸。 取穴:神闕(任脈)の外方4寸に取る。 筋枝:肋間神経・腸骨下腹神経・腸骨鼡径神経(外腹斜筋・内腹斜筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝・外側皮枝) 督脈は、胞中(小骨盤腔)に起こり、会陰部に出て、後正中線上を尾骨先端から腰部、背部、後頚部と上り、外後頭隆起直下[風府]に至り脳に入る。さらに頭部正中を通り、頭頂部[百会]に上り、顔面部正中を経て、上歯齦、上唇小帯の接合部[齦交]に終わる。陽脈の海と呼ぶ。 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈・上腹壁動脈 主治:便秘、下痢、腹水、腹膜炎、感冒。 意義:大は大切、横は臍の横を意味する。大横とは臍のかたわらにある重要な穴という意味である。

SP 16 腹哀 ふくあい  SP 16 部位:上腹部、臍中央の上方3寸、前正中線の外方4寸。 取穴:建里(任脈)の外方4寸に取る。 筋枝:肋間神経・腸骨下腹神経・腸骨鼡径神経(外腹斜筋・内腹斜筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝・外側皮枝) 血管:上腹壁動脈 血管:上腹壁動脈 主治:急性胃カタル、胃痙攣、消化不良、腸カタル、肝臓病、胆石症。 意義:腹ははら、哀はあわれ、いたみ。腹哀とは腹傷や腹痛を主治する穴という意味である。

SP 17 食竇 しょくとく  SP 17 部位:前胸部、第5肋間、前正中線の外方6寸。 取穴:第5肋間に沿って前正中線外方6寸に取る。 筋枝:内側・外側胸筋神経(大胸筋) 皮枝:肋間神経(外側皮枝) 血管:胸肩峰動脈・外側胸動脈・肋間動脈 血管:胸肩峰動脈・外側胸動脈・肋間動脈 主治:肋間神経痛、肺炎、胸膜炎。 意義:食はたべもの、腹を養うもの、竇はあなぐら、水の通るみぞ。食竇とは食物の通るところで腹を養う穴という意味である。また脾経の脈気が通る溝という意味もある。

SP 18 天渓 てんけい  SP 18 部位:前胸部、第4肋間、前正中線の外方6寸。 取穴:膻中(任脈)から第4肋間に沿って前正中線外方6寸に取る。 食竇に同じ。筋枝:内側・外側胸筋神経(大胸筋) 皮枝:肋間神経(外側皮枝) 血管:胸肩峰動脈・外側胸動脈・肋間動脈 血管:胸肩峰動脈・外側胸動脈・肋間動脈 主治:食竇に同じ、乳腺炎。 意義:天はそら、上半身(心臓や肺臓)、谿は谷川、ここでは肋間をさす。天谿とは肋間部にあって心臓や肺臓と関係のある穴という意味である。

SP 19 胸郷 きょうきょう  SP 19 部位:前胸部、第3肋間、前正中線の外方6寸。 取穴:玉堂(任脈)から第3肋間に沿って前正中線外方6寸に取る。 筋枝:内側・外側胸筋神経(大胸筋・小胸筋) 皮枝:肋間神経(外側皮枝) 血管:胸肩峰動脈・外側胸動脈・肋間動脈 血管:胸肩峰動脈・外側胸動脈・肋間動脈 主治:食竇に同じ。 意義:胸はむね、郷は郷里、まど。胸郷とは胸部の窓で胸部疾患の際に反応がよく現れるところにある穴という意味である。

SP 20 周栄 しゅうえい  SP 20 部位:前胸部、第2肋間、前正中線の外方6寸。 取穴:紫宮(任脈)から第2肋間に沿って前正中線外方6寸に取る。 胸郷に同じ。筋枝:内側・外側胸筋神経(大胸筋・小胸筋) 皮枝:肋間神経(外側皮枝) 血管:胸肩峰動脈・外側胸動脈・肋間動脈 血管:胸肩峰動脈・外側胸動脈・肋間動脈 主治:食竇に同じ。 意義:周はめぐる、ゆきとどく、栄はさかん、五行穴の栄で流れるという意味がある。周栄とは脾経の脈気が盛んにゆきわたっている穴という意味である。

SP 21 大包 だいほう  SP 21 部位:側胸部、第6肋間、中腋窩線上 取穴:側臥して肩関節を外転させ、中腋窩線上で第6肋間の高さに取る。 筋枝:長胸神経(前鋸筋)、肋間神経(肋間筋) 皮枝:肋間神経(外側皮枝) 血管:胸背動脈・肋間動脈 血管:胸背動脈・肋間動脈 要穴:脾の大絡の絡穴 主治:食竇に同じ。 意義:大は大切、包はつつむ、取り入れる、めぐる。大包とは脾経の絡穴と関係し、さらに大きく被包する重要な大絡穴という意味である。     

手の少陰心経 Heart Meridian HT 9穴

経脈流注: "手の少陰心経は、足の太陰脾経の脈気を受けて心中に起こり、心系(心臓、大動脈など)に属し、横隔膜を貫いて下り、小腸を絡う。心系より分かれた支脈は、上って咽喉をはさみ、目につながる。

本経は、心系から肺を経て、腋下[極泉]に出て、上腕前内側、肘窩横紋の内端、前腕前内側、手掌を経て小指外側端に至り、手の太陽小腸経につながる。

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WHO 経穴名 読み 部位 取穴 補足 筋枝 靱帯・腱など 皮枝 血管 要穴 主治 意義

HT 1 極泉 きょくせん 部位:腋窩、腋窩中央、腋窩動脈拍動部。 取穴:腋窩の中央で、腋窩動脈拍動部に取る。 補足:極泉から少海までの長さを9寸とする。 皮枝:肋間神経(外側皮枝)・内側上腕皮神経 血管:腋窩動脈 主治:腋臭(わきが)、肋間神経痛、心臓病。 意義:極はきわみ、最上または最終、泉はいずみ。極泉とは心経の最も上位にあって経脈が流れ出るところにある穴という意味である。

HT 2 青霊 せいれい 部位:上腕内側面、上腕二頭筋の内側縁、肘窩横紋の上方3寸。 取穴:極泉と少海とを結ぶ線を3等分し、少海から3分の1のところ、上腕二頭筋の内側縁に取る。 補足:肩関節を外転・外旋すると取りやすい。 筋枝:筋皮神経(上腕二頭筋・上腕筋) 皮枝:内側上腕皮神経 血管:上腕動脈 主治:急性肝炎による眼科疾患、前頭神経痛、肋間神経痛、尺骨神経痛、五十肩。 意義:青は五臓色体表の五色で肝に属し、心の親であり、霊はたましいで心臓に関係する。青霊とは肝臓や心臓と密接な関係のある穴という意味である。

HT 3 少海 しょうかい 部位:肘前内側、上腕骨内側上顆の前縁、肘窩横紋と同じ高さ。 取穴:肘関節を屈曲し、上腕骨内側上顆と肘窩横紋の内側端との中点に取る。 補足:少海から神門までの長さを1尺2寸とする。 筋枝:正中神経(円回内筋・橈側手根屈筋・長掌筋)、尺骨神経(尺側手根屈筋) 皮枝:内側前腕皮神経 血管:尺側反回動脈(尺骨動脈の枝)・下尺側側副動脈(上腕動脈の枝) 要穴:心経の合水穴 主治:耳鳴、眼の充血の特効穴、逆気による頭痛、めまい、鼻の充血、歯痛、頚のこわばり、肘関節リウマチ、尺骨神経痛、心臓病。 意義:少は少陰心経の少、海はうみ、ものが多く集まるところ。少海とは少陰心経の合穴として経気がよく集まる穴という意味である。

HT 4 霊道 れいどう 部位:前腕前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋の上方1寸5分。 取穴:神門の上方1寸5分で尺骨頭上縁の高さ、尺側手根屈筋腱の外側に取る。 筋枝:尺骨神経(尺側手根屈筋・深指屈筋)、正中神経(浅指屈筋) 皮枝:内側前腕皮神経・尺骨神経(掌皮枝) 血管:尺骨動脈 要穴:心経の経金穴 主治:種々の心臓疾患、ヒステリー、咽喉腫痛、扁桃炎、尺骨神経痛および麻痺、尺側手根屈筋のリウマチ。 意義:霊はたましいで心と関係があり、道はみち。霊道とは心臓に通じる道という意味である。

HT 5 通里 つうり 部位:前腕前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋の上方1寸。 取穴:神門の上方1寸で、尺側手根屈筋腱の外側に取る。 霊道に同じ。筋枝:尺骨神経(尺側手根屈筋・深指屈筋)、正中神経(浅指屈筋) 皮枝:内側前腕皮神経・尺骨神経(掌皮枝) 血管:尺骨動脈 要穴:心経の絡穴 主治:霊道に同じ。 意義:通は通じる、里は虚里(心臓)を意味する。通里とは心臓に通じるところという意味である。

HT 6 陰郄 いんげき 部位:前腕前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋の上方5分。 取穴:神門の上方5分で尺骨頭下縁の高さ、尺側手根屈筋腱の外側に取る。 霊道に同じ。筋枝:尺骨神経(尺側手根屈筋・深指屈筋)、正中神経(浅指屈筋) 皮枝:内側前腕皮神経・尺骨神経(掌皮枝) 血管:尺骨動脈 要穴:心経の郄穴 主治:狭心症、心悸亢進症など心臓の急性症状の特効穴、鼻出血や胃出血の止血、その他は霊道に同じ。 意義:陰は少陰心経、郄はすきま、急性症をさす。陰郄とは心経の急性症状を治す穴という意味である。

HT 7 神門 しんもん 部位:手関節前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋上。 取穴:豆状骨上縁の橈側で、手関節前面横紋上、尺側手根屈筋腱の外側に取る。 補足:太淵(肺経)、大陵(心包経)、神門は手関節掌側横紋上に並ぶ。 霊道に同じ。筋枝:尺骨神経(尺側手根屈筋・深指屈筋)、正中神経(浅指屈筋) 皮枝:内側前腕皮神経・尺骨神経(掌皮枝) 血管:尺骨動脈 要穴:心の原穴、心経の兪土穴 主治:心臓病(特に狭心症)、精神病、神経衰弱、ヒステリー、便秘などの特効穴、尺骨神経痛または麻痺、手関節炎またはリウマチ、精神的原因に基づく胃腸病、吐血、喀血、喘息、呼吸困難、産後の出血。 意義:神(精神作用)は五臓色体表の五精で心に属し、門は生気や邪気が出入りするところ。神門とは精神病や心臓疾患の反応がよく現れるところにある穴という意味である。

HT 8 少府 しょうふ 部位:手掌、第5中手指節関節の近位端と同じ高さ、第4・第5中手骨の間。 取穴:手掌で第4・第5中手骨間、こぶしを握ったとき、小指頭があたるところに取る。 補足:労宮(心包経)と同じ高さにある。 筋枝:尺骨神経(虫様筋(第4)・掌側骨間筋(第3) 皮枝:尺骨神経(総掌側指神経) 血管:総掌側指動脈 要穴:心経の栄火穴 主治:手部の関節痛、尺骨神経痛、手指が縮んで伸びない場合、心臓病。 意義:少は少陰心経の少、府は人やものが集まるところ。少府とは少陰心経の反応がよく現れるところにある穴という意味である。

HT 9 少衝 しょうしょう 部位:小指、末節骨橈側、爪甲角の近位外方1分(指寸)、爪甲橈側縁の垂線と爪甲基底部の水平線との交点。 取穴:小指爪根部近位縁に引いた線と、外側縁に引いた線との交点に取る。 皮枝:尺骨神経(背側指神経) 血管:背側指動脈 要穴:心経の井木穴 主治:人事不省、狭心症などの急性症状の救急療法、熱性疾患後の衰弱、手の痙攣性疾患。 意義:少は少陰心経の少、衝はつく、突端のことである。少衝とは少陰心経の突端にある穴という意味である。

手の太陽小腸経 Small Intestine Meridian SI )19穴

経脈流注: "手の太陽小腸経は、手の少陰心経の脈気を受けて小指内側端に起こり、手の内側、前腕後内側、尺骨神経溝[小海]、上腕後内側を上り、肩関節に出て、肩甲骨をめぐり、肩上から、大鎖骨上窩に入り、下って心を絡う。咽喉、食堂をめぐったのち、横隔膜を貫いて胃に至り、小腸に属する。

大鎖骨上窩で分かれた支脈は頚をめぐり、頬に上り、外眼角に至り、耳の中に入る。頬から分かれた支脈は、鼻を通って内眼角に至り、足の太陽膀胱経につながる。

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WHO 経穴名 読み 部位 取穴 補足 筋枝 靱帯・腱など 皮枝 血管 要穴 主治 意義

SI 1  少沢 しょうたく 部位:小指、末節骨尺側、爪甲角の近位内方1分(指寸)、爪甲尺側縁の垂線と爪甲基底部の水平線との交点。 取穴:小指爪根部近位縁に引いた線と、内側縁に引いた線との交点に取る。 皮枝:尺骨神経(背側指神経) 血管:背側指動脈 要穴:小腸経の井金穴 主治:人事不省(気付けの名穴)、狭心症、胸痛、激しい頭痛、尺骨神経麻痺、咽喉痛。 意義:少は少陰心経の少、沢は水が集まるところ。少沢とは少陰心経の脈を受けて脈気が集まり、小腸経が始まるところにある穴という意味である。

SI 2 前谷 ぜんこく 部位:小指、第5中手指節関節尺側の遠位陥凹部、赤白肉際。 取穴:小指の中手指節関節の内側を触察し、その下部に触れる陥凹中に取る。または、こぶしを軽く握り、小指の中手指節関節にできる掌側横紋の尺側端に取る。表裏の境目にあたる。 少沢に同じ。 皮枝:尺骨神経(背側指神経) 血管:背側指動脈 要穴:小腸経の栄水穴 主治:逆上(のぼせ)と間欠熱の特効穴、尺骨神経麻痺。 意義:前はまえ、谷は谷あいのくぼみ。前谷は後谿に対応する穴名で、第5中手指節関節の前のくぼみにある穴という意味である。

SI 3 後渓 こうけい 部位:手背、第5中手指節関節尺側の近位陥凹部、赤白肉際。 取穴:こぶしを軽く握り、小指の中手骨の内側縁を指頭で撫で下ろしたとき、指が止まるところに取る。または、こぶしを軽く握り、手掌の横紋の尺側端に取る。表裏の境目にあたる。 筋枝:尺骨神経(小指外転筋) 皮枝:尺骨神経(背側指神経) 血管:背側指動脈 要穴:小腸経の兪木穴、八脈交会穴 主治:流行性感冒、肺炎の特効穴、寒さによる頭痛、腰痛、関節痛、その他、急性関節リウマチ、頭部の充血性の疾患。 意義:後はうしろ、谿は谷川。後谿は前谷に対応する部位を示す穴名で、第5中手指節関節の後ろの陥中にある穴という意味である。

SI 4 腕骨 わんこつ 部位:手関節後内側、第5中手骨底部と三角骨の間の陥凹部、赤白肉際。 取穴:小指の中手骨の内側を指頭で撫で上げ、底を越えたところにある陥凹中、表裏の境目に取る。 後渓に同じ。筋枝:尺骨神経(小指外転筋) 皮枝:尺骨神経(背側指神経) 血管:背側指動脈 要穴:小腸の原穴 主治:手関節リウマチ、尺骨神経痛および麻痺、耳の炎症、頭痛。 意義:腕はうで、骨はほね。腕骨とは手根骨のことで、第5中手骨底と三角骨との間にある穴という意味である。

SI 5 陽谷 ようこく 部位:手関節後内側、三角骨と尺骨茎状突起の間の陥凹部。 取穴:手関節の後内側、三角骨と尺骨茎状突起の間の陥凹部、尺側手根伸筋腱の内側に取る。 補足:陽谷から小海までの長さを1尺2寸とする。陽渓(大腸経)、陽池(三焦径)、陽谷(小腸径)は手関節背側横紋上に並ぶ。 筋枝:橈骨神経(尺側手根伸筋) 皮枝:尺骨神経(手背枝) 血管:尺骨動脈(背側手根枝) 要穴:小腸経の経火穴 主治:腕骨に同じ。 意義:陽は太陽小腸経の陽、谷は谷あいのくぼみ。陽谷とは小腸経の脈気が流れるところにある穴という意味である。

SI 6 養老 ようろう 部位:前腕後内側、尺骨頭橈側の陥凹部、手関節背側横紋の上方1寸。 取穴:前腕を回内して手掌を下に向け、指で尺骨頭の頂点を押さえながら回外して手掌を胸につけると、指が滑り込む骨の割れ目に取る。 皮枝:内側前腕皮神経 血管:尺骨動脈(背側手根枝) 要穴:小腸経の郄穴 主治:瘍や疔などの化膿性疾患の特効穴、五十肩、上肢の神経痛。 意義:養はやしなう、そだてる、おさめる、老は年より、おとろえる。養老とは小腸の衰えたのを治す穴という意味である。

SI 7 支正 しせい 部位:前腕後内側、尺骨内縁と尺側手根屈筋の間、手関節背側横紋の上方5寸。 取穴:手掌を胸にあて、陽谷と小海とを結ぶ線の中点の下方1寸に取る。 筋枝:尺骨神経(尺側手根屈筋) 皮枝:内側前腕皮神経 血管:後骨間動脈の枝 要穴:小腸経の絡穴 主治:尺骨神経痛および麻痺、特に中風に原因する尺骨神経麻痺。 意義:支はささえる、枝分かれする、正はただしい、まんなか。支正とは前腕の真ん中にあって絡脈の枝分かれするところにある穴という意味である。

SI 8 小海 しょうかい 部位:肘後内側、肘頭と上腕骨内側上顆の間の陥凹部。 取穴:肘関節を軽く屈曲し、尺骨神経溝中に取る。 補足:圧すると前腕内側から小指にひびく。 筋枝:尺骨神経(尺側手根屈筋) 皮枝:内側前腕皮神経 血管:尺側反回動脈(尺骨動脈の枝)・上尺側側副動脈(上腕動脈の枝) 要穴:小腸経の合土穴 主治:尺骨神経麻痺、尺骨神経痛、肘関節リウマチ、耳の疾患、頚、肩、上肢の神経痛。 意義:小は小腸経の小、海はうみ、よく集まるところ。小海とは小腸経の脈気がよく集まるところにある穴という意味である。

SI 9 肩貞 けんてい 部位:肩周囲部、肩関節の後下方、腋窩横紋後端の上方1寸。 取穴:肩関節を内転し、腋窩横紋後端の上方1寸、三角筋の後側に取る。 筋枝:腋窩神経(三角筋・小円筋)、橈骨神経(上腕三頭筋長頭)、肩甲下神経(大円筋) 皮枝:上外側上腕皮神経 血管:後上腕回旋動脈・肩甲回旋動脈 主治:五十肩の特効穴の一つ、肩関節炎およびリウマチ、上肢の神経痛および麻痺、陽実証、すなわち眼痛、耳鳴、難聴など。 意義:肩は肩関節、貞はただしい、さだめる。肩貞とは肩峰と上腕骨頭との間に定まっている穴という意味である。

SI 10 臑兪 じゅゆ 部位:肩周囲部、腋窩横紋後端の上方、肩甲棘の下方陥凹部。 取穴:肩関節を内転し、腋窩横紋後端の上方で、肩甲棘の直下に取る。 筋枝:腋窩神経(三角筋)、肩甲上神経(棘下筋) 皮枝:鎖骨上神経 血管:後上腕回旋動脈・肩甲上動脈 主治:五十肩、上腕の神経痛、上肢のリウマチおよび高血圧の特効穴、脳溢血、半身不随の必須穴、項のこわばりや後頭神経痛。 意義:臑は上腕または上肢、兪ははこぶ、そそぐ、なおす。臑兪とは上肢にそそぐところにあって、上肢の疾患を治すのに用いる穴という意味である。

SI 11 天宗 てんそう 部位:肩甲部、肩甲棘の中点と肩甲骨下角を結んだ線上、肩甲棘から3分の1にある陥凹部。 取穴:肩甲棘の中点と肩甲骨下角とを結ぶ線を3等分し、肩甲棘から3分の1のところに取る。 筋枝:肩甲上神経(棘下筋) 皮枝:肋間神経(外側皮枝)・胸神経後枝 血管:肩甲回旋動脈・肩甲上動脈 主治:胸痛、心臓痛、乳房痛、乳汁分泌不足の特効穴、五十肩、上肢の神経痛、肋間神経痛、胸膜炎、肩こり。 意義:天はそら、上半身、宗は神をまつるみたまや、おおもと、また宗気は上焦がつかさどる自然界の気、酸素のこと。天宗とは上半身の宗気が集まるところにあって、上半身の疾患に用いる穴という意味である。

SI 12 秉風 へいふう 部位:肩甲部、棘上窩、肩甲棘中点の上方。 取穴:肩甲棘中央の直上で、肩関節を外転して、陥凹するところに取る。 筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋)、肩甲上神経(棘上筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:肩甲上動脈 主治:上肢の神経痛や麻痺およびリウマチ、肩こり、五十肩。 意義:秉は一握りの稲束、握る、取る、風はかぜ、風邪、中風を意味する。秉風とは中風を取る穴すなわち中風を主治する穴という意味である。

SI 13 曲垣 きょくえん 部位:肩甲部、肩甲棘内端の上方陥凹部。 取穴:肩甲棘内端の直上で、棘上窩の内側の隅の陥凹中に取る。 補足:臑兪と第2胸椎棘突起との中点にあたる。 筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋)、肩甲上神経(棘上筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:頚横動脈・肩甲上動脈 主治:肩こり、肩甲部および上肢の疼痛。 意義:曲はまがる、垣はかき、かこい、ここでは肩甲棘をさす。曲垣とは肩甲棘の片端の曲がり角にある穴という意味である。

SI 14 肩外兪 けんがいゆ 部位:上背部、第1胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。 取穴:陶道(督脈)を通る水平線と肩甲骨内側縁の延長線との交点に取る。 補足:陶道(督脈)の外方3寸、肩甲骨上角の内方にあたる。 筋枝:副神経・頚神経叢の枝、肩甲背神経(肩甲挙筋)(僧帽筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:頚横動脈 主治:肩こり、肩甲痛、側頭痛。 意義:肩はかた、外はそと、兪ははこぶ、そそぐ、なおす。肩外兪は肩中兪に対応する穴名で、肩の外側にある穴という意味である。

SI 15 肩中兪 けんちゅうゆ 部位:上背部、第7頚椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方2寸。 取穴:大椎(督脈)の外方2寸、肩外兪の内上方に取る。 肩外兪に同じ。筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋)、肩甲背神経(肩甲挙筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:頚横動脈 主治:肩こり、項のこわばり、咳嗽。 意義:肩はかた、中はなか、兪ははこぶ、そそぐ、なおす。肩中兪は肩外兪に対応する穴名である。

SI 16 天窓 てんそう 部位:前頚部、胸鎖乳突筋の後縁、甲状軟骨上縁と同じ高さ。 取穴:胸鎖乳突筋の後縁、甲状軟骨上縁の高さで、胸鎖乳突筋をはさんで、人迎(胃経)と同じ高さに取る。 補足:胸鎖乳突筋は、抵抗に抗して頭を反対側に向けるとより明瞭に現れる。甲状軟骨上縁の高さで、胸鎖乳突筋の前縁に人迎(胃経)、中央に扶突(大腸経)、後縁に天窓が並ぶ。 筋枝:顔面神経(頚枝)(広頚筋)、副神経・頚神経叢の枝(胸鎖乳突筋) 皮枝:頚横神経 血管:浅頚動脈 主治:喉の腫れ、耳の疾患、斜頚。 意義:天はそら、上半身、窓はまど、内外を疎通するの意味がある。天窓とは天の気が人体に出入りするところにある穴という意味である。

SI 17 天容 てんよう 部位:前頚部、下顎角の後方、胸鎖乳突筋の前方陥凹部。 取穴:下顎角の後方で、胸鎖乳突筋との間に取る。 筋枝:副神経・頚神経叢の枝(胸鎖乳突筋)、顔面神経(顎二腹筋枝)(顎二腹筋後腹) 皮枝:大耳介神経 血管:後頚動脈 主治:片頭痛、咽頭カタル、扁桃炎、耳の疾患、頚部リンパ腺腫大。 意義:天はそら、上半身、ここでは頚から上の部、容は容器、いれる。天容とは頚より上の諸種の症状を受け入れて、これを主治する穴という意味である。

SI 18 顴髎 けんりょう 部位:顔面部、外眼角の直下、頬骨下方の陥凹部。 取穴:外眼角を通る垂線上で頬骨下方の陥凹部に取る。 補足:下関(胃経)の前方にあたる 筋枝:顔面神経(頬骨枝)(小頬骨筋・大頬骨筋) 皮枝:上顎神経(三叉神経第2枝) 血管:顔面横動脈・眼窩下動脈 主治:顔面神経痙攣および麻痺、上歯痛。 意義:顴は頬骨、髎はかどすみ。顴髎とは頬骨のかどすみにある穴という意味である。

SI 19 聴宮 ちょうきゅう 部位:顔面部、耳珠中央の前縁と下顎骨関節突起の間の陥凹部。 取穴:耳珠と下顎骨との間にある陥凹部で、下顎骨関節突起の後縁に取る。 補足:口をわずかに開けると、取りやすい。 皮枝:下顎神経(三叉神経第3枝) 血管:浅側頭動脈 主治:耳の疾患(特に耳鳴、中耳炎など)、視力障害、蓄膿症、頭痛、顔面神経麻痺、痙攣。 意義:聴はきく、みみ、宮はみや、御殿、祖先のみたまをまつるところ、転じて重要なところ。聴宮とは耳の疾患を主治する重要な穴という意味である。

足の太陽膀胱経 Bladder Meridian BL 67穴

経脈流注: "足の太陽膀胱経は、手の太陽小腸経の脈気を受けて内眼角に起こり、前頭部を上り、頭頂部[百会]で左右が交わる。頭頂部[百会]で分かれる支脈は、耳の上に行き側頭部に広がる。本経は頭頂部より入って脳につらなり、かえり出て分かれて項を下り、肩甲骨の内側をめぐって脊柱の両側、後正中線外方1寸5分を下り、腰部で脊柱起立筋を通り、腎を絡い、膀胱に属する。

本経は、腰から下って、殿部、大腿部後面を下って膝窩に入る。後頚部で分かれたもう一本の支脈は、脊柱の両側、後正中線外方3寸を下り、殿部、大腿後外側を下り、膝窩中央[委中]で本経と合流する。さらに下腿後面(腓腹筋)を下り、下腿後外側、外果後方を通って足の第5指外側端に至り、足の少陰腎経につながる。

"

WHO 経穴名 読み 部位 取穴 補足 筋枝 靱帯・腱など 皮枝 血管 要穴 主治 意義

BL 1 睛明 せいめい 部位:顔面部、内眼角の内上方と眼窩内側壁の間の陥凹部。 取穴:目を閉じて、内眼角の内上方1分の陥凹部に取る。 筋枝:顔面神経(側頭枝・頬骨枝)(眼輪筋) 靱帯:内側眼瞼靱帯 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝) 血管:眼角動脈 主治:眼科疾患(結膜炎、涙管閉塞、眼の充血など)。 意義:睛はひとみ、こころ、明はあきらか、はっきり。睛明とは眼をはっきりさせるというところから、眼を主治する穴という意味である。

BL 2 攅竹 さんちく 部位:頭部、眉毛内端の陥凹部。 取穴:睛明の直上で、眉毛内端、前頭切痕の陥凹中に取る。 筋枝:顔面神経(側頭枝・頬骨枝)(眼輪筋・前頭筋・皺眉筋) 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝) 血管:滑車上動脈 主治:前頭神経痛、眼科疾患(眼精疲労、結膜充血、角膜翳など)、頭痛。 意義:攅はあつまる、むらがる、竹はたけ、ふえ。攅竹とは竹の切り口のような空所に気の集まるところ、また眉毛を竹の葉とみたてその端に反応が現れる穴という意味である。

BL 3 眉衝 びしょう 部位:頭部、前頭切痕の上方、前髪際の後方5分。 取穴:神庭(督脈)と曲差との中点に取る。 補足:前髪際の後方5分には前正中線から、神庭(督脈)、眉衝、曲差、頭臨泣(胆経)、本神(胆経)、頭維(胃経)が並ぶ。 筋枝:顔面神経(側頭枝)(前頭筋) 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝) 血管:滑車上動脈・眼窩上動脈 主治:眩暈、頭痛、鼻孔閉塞、てんかん。 意義:衝とは和のことである。本穴を取る際、必ず患者に気を落ち着かせて眉や目を伸びやかにさせ衝和の気勢があらわれた時、眉頭の直上の髪際が穴位となるので「眉衝」と名付けられた。この穴で癇症、頭痛、鼻塞を治すことができる。

BL 4 曲差 きょくさ 部位:頭部、前髪際の後方5分、前正中線の外方1寸5分。 取穴:神庭(督脈)と頭維(胃経)とを結ぶ線を3等分し、神庭から3分の1のところに取る。 補足:前髪際の後方5分には前正中線から、神庭(督脈)、眉衝、曲差、頭臨泣(胆経)、本神(胆経)、頭維(胃経)が並ぶ。神庭、曲差、本神(胆経)、頭維を等間隔に取る。 眉衝に同じ。筋枝:顔面神経(側頭枝)(前頭筋) 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝) 血管:滑車上動脈・眼窩上動脈 主治:攅竹に同じ、その他、頭痛、眩暈、鼻出血、鼻孔閉塞。 意義:曲はまがる、差はたがう、病を治す、ものさし。曲差とは前髪際部が後上方に曲がるところ、疾病を治すところにある穴という意味である。

BL 5 五処 ごしょ 部位:頭部、前髪際の後方1寸、前正中線の外方1寸5分。 取穴:上星(督脈)の外方1寸5分、曲差の後方5分に取る。 筋枝:顔面神経(側頭枝)(前頭筋) 腱:帽状腱膜 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝) 血管:眼窩上動脈 主治:発熱による頭痛、眩暈、眼の疾患、鼻疾患。 意義:五はいつつ、ものが交叉する、処は場所の意味であるが穴名の意義は明らかではない。

BL 6 承光 しょうこう 部位:頭部、前髪際の後方2寸5分、前正中線の外方1寸5分。 取穴:前正中線の外方1寸5分、五処の後方1寸5分に取る。 補足:五処と絡却とを結ぶ線を3等分し、五処から3分の1のところにあたる。 腱:帽状腱膜 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝) 血管:眼窩上動脈・浅側頭動脈の枝 主治:眼、鼻、脳などの疾患による発熱や眩暈。 意義:承はうける、光はひかる、明らか。承光とは光を受けるところ、すなわち眼の疾患を主治する穴という意味である。

BL 7 通天 つうてん 部位:頭部、前髪際の後方4寸、前正中線の外方1寸5分。 取穴:五処と絡却とを結ぶ線を3等分し、絡却から3分の1のところに取る。 補足:承光と絡却の中点にあたる。 承光に同じ。 腱:帽状腱膜 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝) 血管:眼窩上動脈・浅側頭動脈の枝 主治:片頭痛、項強(項のこわばり)、鼻疾患、脳出血の前駆症状。 意義:通はつうじる、天は頂点、転じて頭部または脳。通天とは天に通じるところ、すなわち頭部の疾患によく効く穴という意味である。

BL 8 絡却 らっきゃく 部位:頭部、前髪際の後方5寸5分、後正中線の外方1寸5分。 取穴:百会の後方5分の外方1寸5分に取る。 腱:帽状腱膜 皮枝:大後頭神経 血管:後頭動脈・浅側頭動脈の枝 主治:耳鳴、眼科疾患(緑内障、白内障など)、躁うつ病。 意義:絡はからまる、つながる、却はかえる、もどる。絡却とは膀胱経の分枝が本経にもどってくるところにある穴という意味である。

BL 9 玉枕 ぎょくちん 部位:頭部、外後頭隆起上縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸3分。 取穴:脳戸(督脈)の外方1寸3分で、頭半棘筋膨隆部の外縁を通る垂線と上項線との交点に取る。 筋枝:顔面神経(後頭枝)(後頭筋) 皮枝:大後頭神経 血管:後頭動脈 主治:脳疾患による頭痛と眼痛、項強痛(項のこわばり)、鼻疾患、特に嗅覚減退。 意義:玉はたま、すぐれる、転じて頭、枕はまくら。玉枕とは寝ると枕が頭蓋にあたる部にある穴、または後頭骨(玉枕骨)上項線の上にある穴という意味である。

BL 10 天柱 てんちゅう 部位:後頚部、第2頚椎棘突起上縁と同じ高さ、僧帽筋外縁の陥凹部。 取穴:瘂門(督脈)の外方で、頭半棘筋膨隆部の外縁に取る。 補足: WHO/WPROによると、天柱は「僧帽筋外縁の陥凹部」となっているが、後頭骨から起始する僧帽筋の筋束は薄く触知困難であり、実際に触知しているのはその下にある頭半棘筋の膨隆部である。そこで、本書の取穴では「僧帽筋外縁」とはせず、「頭半棘筋膨隆部の外縁」とした。それに伴い、玉枕の取穴についても、同様の表記となっている。 筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋)、脊髄神経後枝(頭板状筋・頭半棘筋) 皮枝:大後頭神経 主治:脳疾患の特効穴(頭重、頭痛、高血圧、脳溢血、半身不随、神経衰弱、ヒステリーなど)、眼科疾患(弱視、視神経萎縮、斜視、眼底出血、網膜炎など)、鼻疾患(蓄膿症、肥厚性鼻炎、鼻カタルなど)、心臓疾患(心悸亢進症、狭心症など)、頚部損傷。 意義:天は頭部、上半身、柱ははしら、ささえる。天柱とは天の部をささえる柱すなわち頭部をささえる重要なところにある穴という意味で、頭部疾患の反応点である。

BL 11 大杼 だいじょ 部位:上背部、第1胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。 取穴:陶道(督脈)の外方1寸5分に取る。 補足:大杼から白環兪までの経穴は、後正中線外方1寸5分とする。 筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋)、肩甲背神経(菱形筋)、脊髄神経後枝(脊柱起立筋) 血管:後頭動脈 要穴:八会穴の骨会 主治:肺結核や肺尖カタルなどの微熱を除く主治穴、項のこわばり、肩背痛、咽痛、咳嗽、扁桃炎、血圧亢進症、脊椎カリエス、呼吸器疾患。 意義:大はおおきい、大切、杼は織物の横糸を通すもの。大杼とは他の経絡と連絡し横糸のように分枝を出す重要な穴という意味である。

BL 12 風門 ふうもん 部位:上背部、第2胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。 取穴:第2・第3胸椎棘突起間、外方1寸5分に取る。 筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋)、肩甲背神経(菱形筋)、脊髄神経後枝(脊柱起立筋)(大杼に同じ。僧帽筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:頚横動脈の枝・肋間動脈背枝 主治:風邪や感冒の予防と治療、その他の呼吸器疾患、微熱、肩こり。 意義:風は風邪、門は出入口。風門とは風邪の際反応がよく現れるところにある穴という意味である。

BL 13 肺兪 はいゆ 部位:上背部、第3胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。 取穴:身柱(督脈)の外方1寸5分に取る。 大杼に同じ。筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋)、肩甲背神経(菱形筋)、脊髄神経後枝(脊柱起立筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:頚横動脈の枝・肋間動脈背枝 要穴:肺の背部兪穴 主治:すべての呼吸器疾患の特効穴、肩背痛、肋間神経痛、小児の亀背(亀の背中のようになったもの、脊椎カリエス、くる病)、疳虫症、皮膚病。 意義:肺は肺臓、兪ははこぶ、そそぐ、なおす。肺兪とは太陰肺経の兪穴という意味で、肺疾患の反応がよく現れ、治療点としても重要な穴である。

BL 14 厥陰兪 けついんゆ 部位:上背部、第4胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。 取穴:第4・第5胸椎棘突起間、外方1寸5分に取る。 大杼に同じ。筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋)、肩甲背神経(菱形筋)、脊髄神経後枝(脊柱起立筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:頚横動脈の枝・肋間動脈背枝 要穴:心包の背部兪穴 主治:心臓疾患、呼吸器疾患、肋間神経痛、上歯痛、肩こり。 意義:厥陰兪とは厥陰心包経の兪穴という意味で、心包経の反応がよく現れ、治療点としても重要な穴である。

BL 15 心兪 しんゆ 部位:上背部、第5胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。 取穴:神道(督脈)の外方1寸5分に取る。 大杼に同じ。筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋)、肩甲背神経(菱形筋)、脊髄神経後枝(脊柱起立筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:頚横動脈の枝・肋間動脈背枝 要穴:心の背部兪穴 主治:心臓疾患の特効穴(心弁膜症、心悸亢進症、狭心症など)、高血圧、肺結核、喀血、寝汗、眼の充血や結膜炎、激しい頭痛、脳溢血、神経衰弱、精神病、脚気、リウマチ、肋間神経痛、五十肩、食道狭窄、嘔吐、胃出血。 意義:心兪とは少陰心経の兪穴という意味で、心臓疾患の反応がよく現れ、治療点としても重要な穴である。

BL 16 督兪 とくゆ 部位:上背部、第6胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。 取穴:霊台(督脈)の外方1寸5分に取る。 筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋)、脊髄神経後枝(脊柱起立筋)(僧帽筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:頚横動脈の枝・肋間動脈背枝 主治:心臓疾患、呼吸器疾患、消化器疾患。 意義:督脈の兪であるので「督兪」と名付けられた。すべて腰、背、骨、髄、頭などの病はみな参酌してこの穴を取ることができる。また寒熱、心痛、腹鳴、気逆等の諸病も本穴で治すことができる。

BL 17 膈兪 かくゆ 部位:上背部、第7胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。 取穴:至陽(督脈)の外方1寸5分に取る。 補足:肩甲骨下角は第7胸椎棘突起と同じ高さにある。 筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋)、脊髄神経後枝(脊柱起立筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:頚横動脈の枝・肋間動脈背枝 要穴:八会穴の血会 主治:呼吸器疾患、心臓疾患、食道、胃の疾患(特に吐血と胃酸過多症)、悪阻(つわり)、寝汗、神経衰弱、ヒステリー。 意義:膈は横隔膜をさし上焦と中焦とを隔てる。膈兪とは心と肝との間にあって血の病を治す穴という意味である。

BL 18 肝兪 かんゆ 部位:上背部、第9胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。 取穴:筋縮(督脈)の外方1寸5分に取る。 筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋)、胸背神経(広背筋)、脊髄神経後枝(脊柱起立筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:肋間動脈背枝 要穴:肝の背部兪穴 主治:すべての肝臓疾患、眼科疾患(特に視力減退、夜盲症)の特効穴、胆石症、黄疸、胃腸疾患(胃痙攣、胃拡張、慢性胃炎、胃腸出血、腸潰瘍など)、胸膜炎、肋間神経痛、腰痛、眩暈、神経衰弱、不眠症、てんかん、中風、小児麻痺。 意義:肝兪とは厥陰肝経の兪穴という意味で、肝臓疾患の反応がよく現れ、治療点としても重要な穴である。

BL 19 胆兪 たんゆ 部位:上背部、第10胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。 取穴:中枢(督脈)の外方1寸5分に取る。 筋枝:胸背神経(広背筋)、脊髄神経後枝(脊柱起立筋) 腱:腰背腱膜 皮枝:胸神経後枝 血管:肋間動脈背枝 要穴:胆の背部兪穴 主治:胆嚢疾患(特に胆嚢炎、胆石症、黄疸)の特効穴、その他は肝兪に同じ。 意義:胆兪とは少陽胆経の兪穴という意味で、胆嚢疾患の反応がよく現れ、治療点としても重要な穴である。

BL 20 脾兪 ひゆ 部位:上背部、第11胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。 取穴:脊中(督脈)の外方1寸5分に取る。 胆兪に同じ。筋枝:胸背神経(広背筋)、脊髄神経後枝(脊柱起立筋) 腱:腰背腱膜 皮枝:胸神経後枝 血管:肋間動脈背枝 要穴:脾の背部兪穴 主治:胃疾患の特効穴、消化不良症、食欲不振、胆石症、黄疸、糖尿病、蓄膿症、眼科疾患、健忘症、嗜眠などの必須穴。 意義:脾兪とは太陰脾経の兪穴という意味で、脾・胃疾患の反応がよく現れ、治療点としても重要な穴である。

BL 21 胃兪 いゆ 部位:上背部、第12胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。 取穴:第12胸椎・第1腰椎棘突起間、外方1寸5分に取る。 胆兪に同じ。筋枝:胸背神経(広背筋)、脊髄神経後枝(脊柱起立筋) 腱:腰背腱膜 皮枝:胸神経後枝 血管:肋間動脈背枝 要穴:胃の背部兪穴 主治:脾兪に同じ、ただし胃痙攣、急性胃カタル、胃アトニーなどの場合は、脾兪より強く反応を現し、胃に対する直接の治効も脾兪より優れている。 意義:胃兪とは陽明胃経の兪穴という意味で、胃疾患の反応がよく現れ、治療点としても重要な穴である。

BL 22 三焦兪 さんしょうゆ 部位:腰部、第1腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。 取穴:懸枢(督脈)の外方1寸5分に取る。 筋枝:脊髄神経後枝(脊柱起立筋) 腱:腰背腱膜 皮枝:腰神経後枝 血管:腰動脈背枝 要穴:三焦の背部兪穴 主治:肺尖カタルの微熱、胃痙攣、消化不良症、腸カタル、下痢、胆石症、腎炎、腎盂炎、糖尿病、腰痛、婦人病(特に月経不順)、すべての慢性疾患。 意義:三焦兪とは少陽三焦経の兪穴という意味で、三焦の疾患の反

BL 23 腎兪 じんゆ 部位:腰部、第2腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。 取穴:命門(督脈)の外方1寸5分に取る。 三焦輸に同じ。筋枝:脊髄神経後枝(脊柱起立筋) 腱:腰背腱膜 皮枝:腰神経後枝 血管:腰動脈背枝 要穴:腎の背部兪穴 主治:古来、万病に用いられる。特に泌尿器疾患(腎炎、腎盂炎、血尿、蛋白尿、萎縮腎、腎結核、膀胱炎、膀胱結石、遺尿症など)、生殖器疾患(尿道炎、夢精、陰萎症、腟炎、子宮内膜炎、付属器炎、不妊症、月経不順など)の特効穴、腰痛。 意義:腎兪とは少陰腎経の兪穴という意味で、腎臓疾患の反応がよく現れ、治療点としても重要な穴である。

BL 24 気海兪 きかいゆ 部位:腰部、第3腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。 取穴:第3・第4腰椎棘突起間、外方1寸5分に取る。 三焦輸に同じ。筋枝:脊髄神経後枝(脊柱起立筋) 腱:腰背腱膜 皮枝:腰神経後枝 血管:腰動脈背枝 主治:腰痛、腸疝痛、痔疾、便秘、子宮疾患。 意義:気海は臍の下の納気のところであり、肺と共に後天的な呼吸の気とは切っても切れない関係にある。本穴は任脈の気海穴と相応じて兪となるので「気海兪」と名付けられた。俗に男子は気を以て主とする、と称するのは、男子は腹式呼吸をし、気海によって吐納をつかさどるからである。本穴が治療する諸症は気海穴と大体同じである。多くは腎兪、命門と合わせて用い、腎の機能を助けるのである。鬱するものは、これをゆるめ、虚弱なものは補う。

BL 25 大腸兪 だいちょうゆ 部位:腰部、第4腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。 取穴:腰陽関(督脈)の外方1寸5分に取る。 三焦輸に同じ。筋枝:脊髄神経後枝(脊柱起立筋) 腱:腰背腱膜 皮枝:腰神経後枝 血管:腰動脈背枝 要穴:大腸の背部兪穴 主治:大腸疾患(腸カタル、下痢、便秘、痔疾、腸雷鳴、腸出血、虫垂炎など)の特効穴、皮膚病、腰痛、坐骨神経痛、その他、下肢のすべての疾患。 意義:大腸兪とは陽明大腸経の兪穴という意味で、大腸疾患の反応がよく現れ、治療点としても重要な穴である。

BL 26 関元兪 かんげんゆ 部位:腰部、第5腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。 取穴:第5腰椎棘突起と正中仙骨稜との間、外方1寸5分に取る。 筋枝:脊髄神経後枝(仙棘筋) 腱:腰背腱膜 皮枝:腰神経後枝 血管:腰動脈背枝 主治:腰痛、腸疾患、婦人科疾患(特に子宮疾患)。 意義:本穴は任脈の関元と相応じて兪となるので「関元兪」と名付けられた。すべて元気にかかわる病、例えば陰萎、女子チョウカ、白帯および便秘、泄痢虚脹などの症状にはみなこの穴を取ることができる。いわゆる兪と名乗るすべての穴は、みな運輸の働きをするものであり、輸入輸出とはつまり補と瀉のことである。

BL 27 小腸兪 しょうちょうゆ 部位:仙骨部、第1後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方1寸5分。 取穴:上髎の高さで後正中線の外方1寸5分に取る。 補足:仙骨部の小腸兪から白環兪までと上髎から下髎までの経穴は、次髎を定め、これを基準にする。 筋枝:脊髄神経後枝(仙棘筋) 腱:腰背腱膜 皮枝:中殿皮神経 血管:外側仙骨動脈 要穴:小腸の背部兪穴 主治:急性および慢性関節リウマチの特効穴、腸疾患(腸出血、下痢、便秘、痔疾など)、泌尿器疾患(尿閉、膀胱麻痺、膀胱カタルなど)、腰痛、坐骨神経痛、膝関節炎など下肢の疾患、婦人科疾患(特に月経を整え・血を排除するのに最もよい)。 意義:小腸兪とは太陽小腸経の兪穴という意味で、小腸疾患の反応がよく現れ、治療点としても重要な穴である。

BL 28 膀胱兪 ぼうこうゆ 部位:仙骨部、第2後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方1寸5分。 取穴:次髎の高さで後正中線の外方1寸5分に取る。 筋枝:下殿神経(大殿筋)、脊髄神経後枝(仙棘筋) 腱:腰背腱膜 皮枝:中殿皮神経 血管:外側仙骨動脈 要穴:膀胱の背部兪穴 主治:膀胱疾患、腰痛、坐骨神経痛、下痢、便秘、子宮内膜炎。 意義:膀胱兪とは太陽膀胱経の兪穴という意味で、膀胱疾患の反応がよく現れ、治療点としても重要な穴である。

BL 29 中膂兪 ちゅうりょゆ 部位:仙骨部、第3後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方1寸5分。 取穴:中髎の高さで後正中線の外方1寸5分に取る。 筋枝:下殿神経(大殿筋) 皮枝:中殿皮神経 血管:外側仙骨動脈 主治:腰痛、坐骨神経痛、膀胱カタル、腹膜炎、腸疝痛、直腸炎。 意義:中はなか、あたる、膂は背骨、力をささえるすなわち脊柱の両側にあって脊柱をささえる筋のこと。中膂兪とは仙骨の両側にある筋の中にある穴という意味である。

BL 30 白環兪 はっかんゆ 部位:仙骨部、第4後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方1寸5分。 取穴:腰兪(督脈)の外方1寸5分に取る。 補足:下髎と同じ高さにある 中膂兪に同じ。筋枝:下殿神経(大殿筋) 皮枝:中殿皮神経 血管:外側仙骨動脈 主治:脊髄性麻痺による大小便不通、半身不随、肛門痙攣、子宮内膜炎、泌尿生殖器疾患。 意義:白は明白、あきらか、環はめぐる、円形の輪、兪はそそぐ、はこぶ、なおす。白環兪とは明らかに環状に陥凹している兪穴という意味である。

BL 31 上髎 じょうりょう 部位:仙骨部、第1後仙骨孔。 取穴:次髎から撫で上げたとき、最初に触れる陥凹部に取る。上後腸骨棘の頂点の高さにあたる。 補足:左右の上髎・次髎・中髎・下髎の8穴を、一般に八髎穴という。それぞれ後仙骨孔に一致し、下方に行くにしたがって後正中線に近づく。 筋枝:脊髄神経後枝(仙棘筋) 腱:腰背腱膜 皮枝:中殿皮神経 血管:外側仙骨動脈 主治:腰痛、坐骨神経痛、リウマチ、膝関節炎、膀胱カタル、尿閉、生殖器疾患、痔疾、便秘、半身不随。 意義:上は上位、髎はかどすみ、空所。上髎とは八髎穴のうち最も上位にある穴という意味である。

BL 32 次髎 じりょう 部位:仙骨部、第2後仙骨孔。 取穴:上後腸骨棘下縁の高さで、上後腸骨棘と正中仙骨稜とのほぼ中央に取る。 上髎に同じ。筋枝:脊髄神経後枝(仙棘筋) 腱:腰背腱膜 皮枝:中殿皮神経 血管:外側仙骨動脈 主治:坐骨神経痛および麻痺の特効穴、すべての泌尿生殖器疾患の必須穴、リウマチ、半身不随、直腸炎、痔疾、脱肛。 意義:次とは上髎のつぎにある穴という意味である。

BL 33 中髎 ちゅうりょう 部位:仙骨部、第3後仙骨孔。 取穴:次髎から撫で下ろしたとき、最初に触れる陥凹部に取る。 上髎に同じ。筋枝:脊髄神経後枝(仙棘筋) 腱:腰背腱膜 皮枝:中殿皮神経 血管:外側仙骨動脈 主治:次髎の補助穴、ただし痔疾、直腸炎、膀胱カタルには本穴の方がよく効く。大腸炎による裏急後重(しぶり腹)や痔疾の痛みをとめるのに鍼がよく効き、7・8分~1寸で肛門や膀胱付近にひびく。 意義:中髎とは次髎のつぎにある穴という意味である。

BL 34 下髎 げりょう 部位:仙骨部、第4後仙骨孔。 取穴:次髎から撫で下ろしたとき、2つめに触れる陥凹部に取る。 補足:腰兪(督脈)の外方にあたる。 上髎に同じ。筋枝:脊髄神経後枝(仙棘筋) 腱:腰背腱膜 皮枝:中殿皮神経 血管:外側仙骨動脈 主治:痔疾、尿道炎、膀胱炎、急性直腸炎、陰萎症、遺精症。 意義:下髎とは八髎穴のうち最も下位にある穴という意味である。

BL 35 会陽 えよう 部位:殿部、尾骨下端外方5分。 取穴:伏臥位あるいは膝胸位にし、尾骨下端の外方5分に取る。 筋枝:下殿神経(大殿筋) 皮枝:会陰神経(陰部神経の枝) 血管:下直腸動脈 主治:痔疾患(痔出血、痔核、脱肛など)に鍼がよく効く、下痢、腹部の冷えによる下痢。 意義:会はかいする、あつまる、陽は陽の部、ここでは督脈をさす。会陽とは膀胱経と督脈とが合するところにある穴という意味である。

BL 36 承扶 しょうふ 部位:殿部、殿溝の中点。 取穴:大腿後面の中線と殿溝との交点に取る。 補足:承扶から委中までの長さを1尺4寸とする。深部に坐骨神経が通る。 筋枝:下殿神経(大殿筋)、脛骨神経(大腿二頭筋長頭) 皮枝:後大腿皮神経 血管:下殿動脈 主治:坐骨神経痛の特効穴、股関節炎、腰背痛。 意義:承はうける、扶はたすける。承扶とは大腿の疾患をうけたすける、すなわち主治する穴という意味である。

BL 37 殷門 いんもん 部位:大腿部後面、大腿二頭筋と半腱様筋の間、殿溝の下方6寸。 取穴:承扶と委中とを結ぶ線の中点の上方1寸で、大腿二頭筋と半腱様筋との間に取る。 補足:深部に坐骨神経が通る。 筋枝:脛骨神経(半腱様筋・大腿二頭筋長頭) 皮枝:後大腿皮神経 血管:貫通動脈 主治:坐骨神経痛、麻痺の特効穴、腰背痛、大腿部の炎症。 意義:殷はさかん、まんなか、うちひびく、門は出入りするところ。殷門とは大腿後側中央にあるよくひびく穴という意味である。

BL 38 浮郄 ふげき 部位:膝後面、大腿二頭筋腱の内縁、膝窩横紋の上方1寸。 取穴:委陽から大腿二頭筋腱の内側縁に沿って上方1寸に取る。 補足:深部に総腓骨神経が通る。 筋枝:脛骨神経(大腿二頭筋長頭)、総腓骨神経(大腿二頭筋短頭) 皮枝:後大腿皮神経 血管:貫通動脈 主治:外側大腿皮神経痛、腓骨神経痛、膝関節炎、大腿部の痛み。 意義:浮はうかぶ、虚にして実でないもの、郄は間隙、すきま。浮郄とはこの部が間隙にあって虚によく反応する穴という意味である。

BL 39 委陽 いよう 部位:膝後外側、大腿二頭筋腱の内縁、膝窩横紋上。 取穴:委中の外方で、大腿二頭筋腱の内側に取る。 補足:軽く膝関節を屈曲すると、大腿二頭筋腱がよく現れる。深部に総腓骨神経が通る。 筋枝:脛骨神経大腿二頭筋長頭・腓腹筋外側頭)、総腓骨神経(大腿二頭筋短頭) 皮枝:後大腿皮神経 血管:外側上膝動脈 要穴:三焦の下合穴 主治:腓骨神経痛、膝関節炎、半身不随。 意義:委はまかせる、まがる、すなわち膝窩のこと、陽は陽の部、ここでは外側をさす。委陽とは膝窩の外側部にある穴という意 184味である。

BL 40 委中 いちゅう 部位:膝後面、膝窩横紋の中点。 取穴:膝を曲げたときにできる横紋の中央、膝窩動脈拍動部に取る。 補足:深部に脛骨神経が通る。 皮枝:後大腿皮神経 血管:膝窩動脈 要穴:膀胱経の合土穴、四総穴、膀胱の下合穴 主治:腰背痛、坐骨神経痛、膝関節炎およびリウマチ、頭痛、鼻出血、急性熱性疾患、高血圧、脳溢血。 意義:委はまかせる、まがる、すなわち膝窩のこと、中は中央。委中とは膝窩の中央にある穴という意味である。

BL 41 附分 ふぶん 部位:上背部、第2胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。 取穴:第2・第3胸椎棘突起間、外方3寸に取る。 補足:肩甲骨の内側縁で、肩甲棘内端の内上方にあたる。左右の肩甲棘内端縁の間を6寸とする。附分から膈関までの経穴は、左右の肩甲骨を開いて取る。 筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋)、肩甲背神経(菱形筋)、脊髄神経後枝(腸肋筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:頚横動脈 主治:肩背痛、上腕神経痛、風邪による項強(項のこわばり)や頚の運動困難。 意義:附はくっつく、くわえる、分はわける、わかれる。附分とは小腸経と連絡し上肢の痛みに反応しよく効く穴という意味である。

BL 42 魄戸 はっこ 部位:上背部、第3胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。 取穴:身柱(督脈)の外方3寸に取る。 補足:肩甲骨の内側縁で、肩甲棘内端の内下方にあたる。 附分に同じ。筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋)、肩甲背神経(菱形筋)、脊髄神経後枝(腸肋筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:頚横動脈 主治:呼吸器疾患(肺結核、肺尖カタル、喘息など)、肩背痛、フリクテン、瘰癧。 意義:魄はたましいの意味、五臓色体表の五精で肺に属し肺の生気を現し、戸は出入口。魄戸とは肺の生気の出入口という意味である。

BL 43 膏肓 こうこう 部位:上背部、第4胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。 取穴:第4・第5胸椎棘突起間、外方3寸に取る。 附分に同じ。筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋)、肩甲背神経(菱形筋)、脊髄神経後枝(腸肋筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:頚横動脈 主治:すべての慢性疾患の特効穴、気管支炎、肺結核、胸膜炎、心臓病、神経衰弱、半身不随、胃酸過多症、肋間神経痛、肩こり、五十肩、呼吸器疾患、心臓疾患。 意義:膏はあぶら、肥える、胸の下の方、心臓の下の部、肓は胸部と腹部との間にある薄い膜で、膏と肓との間は非常に治療しにくく救いがたい部分である。膏肓は胸と心臓の下すなわち横隔膜の上で胸郭の前半部をさし、肺・心臓・胸膜の病を総括している。この部の病は鍼や薬の効き目もなく、「病膏肓に入る」というときは、不治の病となることを意味する。

BL 44 神堂 しんどう 部位:上背部、第5胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。 取穴:神道(督脈)の外方3寸に取る。 附分に同じ。筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋)、肩甲背神経(菱形筋)、脊髄神経後枝(腸肋筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:頚横動脈 主治:膏肓に同じ、特に心臓病と肩背痛。 意義:神は精神、こころを意味し五臓色体表の五精で心に属し、堂はたかどの、人が集まる高い建物。神堂とは心臓に宿る生気が集まるところにある穴という意味である。

BL 45 譩譆 いき 部位:上背部、第6胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。 取穴:霊台(督脈)の外方3寸に取る。 補足:聴診三角にあたる。 筋枝:肩甲背神経(菱形筋)、脊髄神経後枝(腸肋筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:頚横動脈 主治:肋間神経痛、胸膜炎、腰痛、胸筋リウマチ、寝汗。 意義:譩譆はおくび、譆はなげきかなしむ、苦痛のための叫び声。譩譆とはこの部の反応を治療すると、オクビが出て痛みやつかえが取れ、気持ちよくなる穴という意味である。

BL 46 膈関 かくかん 部位:上背部、第7胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。 取穴:至陽(督脈)の外方3寸に取る。 補足:左右の肩甲骨下角を結んだ線のやや下方にあたる。 筋枝:肩甲背神経(広背筋)、脊髄神経後枝(腸肋筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:頚横動脈深枝 主治:胸膜炎、食道狭窄、胃の噴門部の疾患、胃下垂症。 意義:膈は横隔膜やその部の胸膜をさし、関はせき、しきり。膈関とは膈症(「膈の症」ともいう。膈兪の参考欄参照)に関して重要な穴という意味である。

BL 47 魂門 こんもん 部位:上背部、第9胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。 取穴:筋縮(督脈)の外方3寸に取る。 膈間に同じ。筋枝:肩甲背神経(広背筋)、脊髄神経後枝(腸肋筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:肋間動脈背枝 主治:胸膜炎、肋間神経痛、肝臓疾患。 意義:魂はたましい(人は死ぬと魂は天上に、魄は地上にあるといわれる)、五臓色体表の五精で肝に属し、門は出入口。魂門とは肝臓に出入りするところで肝臓疾患に関係ある穴という意味である。

BL 48 陽綱 ようこう 部位:上背部、第10胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。 取穴:中枢(督脈)の外方3寸に取る。 膈間に同じ。筋枝:肩甲背神経(広背筋)、脊髄神経後枝(腸肋筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:肋間動脈背枝 主治:魂門に同じ、その他、胃痙攣、胆石症。 意義:陽は陽の部、綱はつな、しめくくる。陽綱は膀胱経の陽病に重要な反応点・治療点であることを意味する。

BL 49 意舎 いしゃ 部位:上背部、第11胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。 取穴:脊中(督脈)の外方3寸に取る。 筋枝:肩甲背神経(広背筋)、脊髄神経後枝(腸肋筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:肋間動脈背枝 主治:胃痙攣の特効穴(鍼、灸いずれでもよい)、胃腸カタル、黄疸、胆石症、胃潰瘍。 意義:意はこころ、思う、五臓色体表の五精で脾に属し、舎はやど、やどる。意舎とは脾の精気が宿るところで脾臓疾患に関係ある穴という意味である。

BL 50 胃倉 いそう 部位:上背部、第12胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。 取穴:第12胸椎・第1腰椎棘突起間、外方3寸に取る。 膈間に同じ。筋枝:肩甲背神経、脊髄神経後枝(腸肋筋) 皮枝:胸神経後枝 血管:肋間動脈背枝 主治:胃痙攣、胆石症など消化器系の腹痛に対する鎮痛の特効穴、腰背痛。 意義:胃倉は胃を意味し、胃疾患を主治する穴である。

BL 51 肓門 こうもん 部位:腰部、第1腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。 取穴:懸枢(督脈)の外方3寸に取る。 筋枝:肩甲背神経(広背筋)、脊髄神経後枝(脊柱起立筋) 皮枝:腰神経後枝 血管:肋間動脈背枝 主治:胃痙攣、胃カタル、十二指腸潰瘍、下腹痛、便秘、腎炎、腎臓結核、胃腸疾患。 意義:肓は横隔膜の上の薄い膜で、鍼や薬の効果がおよびがたいところ、門は出入口。肓門とは横隔膜上部の疾患の反応が現れ、治療点としても重要な穴という意味である。

BL 52 志室 ししつ 部位:腰部、第2腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。 取穴:命門(督脈)の外方3寸に取る。 補足:第12肋骨端下縁の内方にあたる。 肓門に同じ。筋枝:肩甲背神経(広背筋)、脊髄神経後枝(脊柱起立筋) 皮枝:腰神経後枝 血管:腰動脈背枝 主治:腰痛、生殖器疾患、腸疝痛、坐骨神経痛。 意義:志はこころざし、五臓色体表の五精で腎に属し、室はへや、やどる。志室とは腎臓の生気が宿る重要な穴という意味である。

BL 53 胞肓 ほうこう 部位:殿部、第2後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方3寸。 取穴:次髎の高さで後正中線の外方3寸に取る。 筋枝:下殿神経(大殿筋)、上殿神経(中殿筋) 皮枝:中殿皮神経・上殿皮神経 血管:腰動脈背枝 主治:腰痛、上殿神経痛、坐骨神経痛、便秘、尿閉。 意義:胞はいだく、胎児、腹、女子では子宮、男子では精巣を意味し、肓はここでは重要という意味がある。胞肓とは子宮や精巣の疾患によく効く重要な穴という意味である。

BL 54 秩辺 ちっぺん 部位:殿部、第4後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方3寸。 取穴:腰兪(督脈)の外方3寸に取る。 補足:下髎と同じ高さにあたる。 胞肓に同じ。筋枝:下殿神経(大殿筋)、上殿神経(中殿筋) 皮枝:中殿皮神経・上殿皮神経 血管:上殿動脈・下殿動脈 主治:直腸炎や裏急後重(しぶり腹)、痔疾に鍼がよく2寸まで深刺して差し支えない。 意義:秩はつみかさねる、稲束を積む形、辺はあたり、ほとり。秩辺は本穴から経絡が迂回するので、左右を合わせると稲束を積 193み上げたような形になるところから付けられた穴名であるといわれる。

BL 55 合陽 ごうよう 部位:下腿後面、腓腹筋外側頭と内側頭の間、膝窩横紋の下方2寸。 取穴:委中と承山とを結ぶ線を4等分し、委中から4分の1のところに取る。 補足:膝窩中央から外果尖までの長さを1尺6寸、委中から承山までの長さを8寸とする。 筋枝:脛骨神経(腓腹筋) 皮枝:内側腓腹皮神経 血管:後脛骨動脈 主治:腰背痛、下腿部の痙攣、子宮出血、精巣炎。 意義:合陽は陽が合するという意味であり、秩辺から下行した分枝が本穴で本経に合するところから付けられた穴名である。

BL 56 承筋 しょうきん 部位:下腿後面、腓腹筋の両筋腹の間、膝窩横紋の下方5寸。 取穴:委中と承山とを結ぶ線の中点の下方1寸に取る。 合陽に同じ。筋枝:脛骨神経(腓腹筋) 皮枝:内側腓腹皮神経 血管:後脛骨動脈 主治:転筋(腓腹筋痙攣、すなわちコムラガエリ)の特効穴、腰背痛。 意義:承はうけたまわる、うける、筋はすじ、筋肉を意味する。承筋とは筋を受けるすなわち転筋(コムラガエリ)を主治する穴という意味である。

BL 57 承山 しょうざん 部位:下腿後面、腓腹筋筋腹とアキレス腱の移行部。 取穴:委中の下方8寸に取る。 補足:アキレス腱の後面を指頭で撫で上げたとき、指が止まるところにあたる。 筋枝:脛骨神経(腓腹筋) 腱:アキレス腱 皮枝:内側腓腹皮神経 血管:後脛骨動脈 主治:脛骨神経痛、足根痛、転筋(コムラガエリ)。 意義:承はうける、山はやま、かたまり、ここでは腓腹筋の筋腹をさす。承山とは腓腹筋の高まりの下にある穴という意味である。

BL 58 飛揚 ひよう 部位:下腿後外側、腓腹筋外側頭下縁とアキレス腱の間、崑崙の上方7寸。 取穴:崑崙の上方7寸、承山の外下方1寸、腓腹筋外側頭下縁とアキレス腱の間に取る。 筋枝:脛骨神経(腓腹筋・ヒラメ筋) 腱:アキレス腱 皮枝:外側腓腹皮神経 血管:腓骨動脈 要穴:膀胱経の絡穴 主治:坐骨神経痛、脚気、めまい、精神病、小児痙攣。 意義:飛はとぶ、はねあがる、高い、陽は膀胱経または下腿外側を意味する。飛陽とは膀胱経の本経が承山から高くはね上がって下腿外側部にあり、膀胱経の陽症に用いる穴という意味である。

BL 59 跗陽 ふよう 部位:下腿後外側、腓骨とアキレス腱の間、崑崙の上方3寸。 取穴:崑崙の上方3寸で、腓骨とアキレス腱との間に取る。 筋枝:浅腓骨神経(短腓骨筋)、脛骨神経(ヒラメ筋) 腱:アキレス腱 皮枝:腓腹神経 血管:腓骨動脈 要穴:陽蹻脈の郄穴 主治:坐骨神経痛、足根痛、足関節炎やリウマチ、下肢の痙攣および麻痺。 意義:跗は土が盛り上がり高くなっているところ、ここでは足背をさし、陽は陽病を意味する。跗陽とは足背の病に効果がある穴という意味である。

BL 60 崑崙 こんろん 部位:足関節後外側、外果尖とアキレス腱の間の陥凹部。 取穴:外果尖とアキレス腱との間の陥凹中に取る。 腱:アキレス腱 皮枝:腓腹神経 血管:腓骨動脈 要穴:膀胱経の経火穴 主治:坐骨神経痛、足関節炎やリウマチ、足背痛、脚気、鶏鳴性下痢(鶏鳴泄瀉)。 意義:崑崙とは西方にある霊山で、ここでは腓骨を崑崙山脈とみたて、そのふもとにある穴という意味である。

BL 61 僕参 ぼくしん 部位:足外側、崑崙の下方、踵骨外側、赤白肉際。 取穴:外果尖の後下方、踵骨隆起の前下方にある陥凹中、表裏の境目に取る。 皮枝:外側踵骨枝(腓腹神経の枝) 血管:踵骨枝(腓骨動脈の枝) 主治:アキレス腱の腱鞘炎、足根痛、足関節炎およびリウマチ。 意義:僕はしもべ、したがう、参はまいる、みちすじ。僕参とは崑崙に参る道すじにある穴という意味である。

BL 62 申脈 しんみゃく 部位:足外側、外果尖の直下、外果下縁と踵骨の間の陥凹部。 取穴:外果尖の直下、外果下縁の下方陥凹部に取る。 補足:申脈に対応する内側の経穴は照海(腎経)である。 筋枝:浅腓骨神経(長腓骨筋・短腓骨筋) 皮枝:外側足背皮神経 血管:外果動脈網(腓骨動脈の枝) 要穴:八脈交会穴 主治:足関節炎、足関節捻挫。 意義:申はもうす、あきらか、脈は経脈。申脈とは外果の下方で動脈をはっきり触れるところにある穴という意味である。

BL 63 金門 きんもん 部位:足背、外果前縁の遠位、第5中足骨粗面の後方、立方骨下方の陥凹部。 取穴:第5中足骨粗面の後方、立方骨下方(足底側)の陥凹部に取る。 筋枝:浅腓骨神経(長腓骨筋・短腓骨筋) 皮枝:外側足背皮神経 血管:外果動脈網(外側足根動脈の枝) 要穴:膀胱経の郄穴 主治:膀胱経実証(頭痛、てんかん、脱腸、腹膜炎、転筋、小児痙攣など)、坐骨神経痛、足背痛や麻痺。 意義:金はかね、ここでは重要、門は出入口。金門は膀胱経の郄穴として急性症に重要な反応点・治療点であることを意味する。

BL 64 京骨 けいこつ 部位:足外側、第5中足骨粗面の遠位、赤白肉際。 取穴:第5中足骨粗面の前縁、表裏の境目に取る。 補足:第5中足骨粗面は、踵と第5中足指節関節のほぼ中央にある。 筋枝:外側足底神経(脛骨神経)(小指外転筋) 皮枝:外側足背皮神経 血管:外側足根動脈の枝 要穴:膀胱の原穴 主治:足背痛、足底痛、慢性の脳充血症。 意義:京骨は現今の第5中足骨を意味する。本穴はその部にあり、原穴として重要な穴であることを意味する。

BL 65 束骨 そっこつ 部位:足外側、第5中足指節関節の近位陥凹部、赤白肉際。 取穴:第5中足骨の外側縁を後ろからつま先の方へ撫でていくと、指が止まるところ、表裏の境目に取る。 筋枝:外側足底神経(脛骨神経)(小指外転筋) 皮枝:外側足背皮神経(腓腹神経の枝) 血管:背側指動脈 要穴:膀胱経の兪木穴 主治:膀胱経実証(ただれ目、涙管閉塞、高血圧、脳溢血)、腰痛、腓骨神経痛、足の小趾麻痺、足背痛、足底痛。 意義:束骨の意義は明らかではないが、本穴の別名を刺骨といい、これはこの部の骨際に刺して治療効果が上がる穴という意味である。

BL 66 足通谷 あしつうこく 部位:足の第5指、第5中足指節関節の遠位外側陥凹部、赤白肉際。 取穴:第5中足指節関節の外側を触察し、その前部に触れる陥凹中、表裏の境目に取る。 皮枝:外側足背皮神経(腓腹神経の枝) 血管:背側指動脈 要穴:膀胱経の栄水穴 主治:足の小趾麻痺、頭痛、頭重、脳充血、高血圧。 意義:通谷とは経脈が流れ通るところにある穴という意味である。

BL 67 至陰 しいん 部位:足の第5指、末節骨外側、爪甲角の近位外方1分(指寸)、爪甲外側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。 取穴:足の第5指爪根部近位縁に引いた線と、外側縁に引いた線との交点に取る。 足通谷に同じ。 皮枝:外側足背皮神経(腓腹神経の枝) 血管:背側指動脈 要穴:膀胱経の井金穴) 主治:難産の名灸穴、胎児の位置不良(右の至陰がよい)、感冒による肋間神経痛や側胸痛、鼻孔閉塞、眼の充血。 意義:至はいたる、陰は少陰腎経をさす。至陰とはこの部から脈気が分かれて少陰腎経に至るところにある穴という意味である。

足の少陰腎経 Kidney Meridian KI 27穴

経脈流注: "足の少陰腎経は、足の太陽膀胱経の脈気を受けて足の第5指の下に起こり、斜めに足底中央[湧泉]に向かい、舟状骨粗面の下に出て内果の後[太渓]をめぐり、分かれて踵に入る。下腿後内側、膝窩内側、大腿後内側を上り、体幹では腹部の前正中線外方5分、胸部では前正中線外方2寸を上り、本経と合流する。

大腿後内側で分かれた本経は、脊柱を貫いて、腎に属し、膀胱を絡う。

さらに、腎より上って、肝、横隔膜を貫いて、肺に入り、気管をめぐって舌根をはさんで終わる。

胸部で分かれた支脈は心につらなり、胸中で手の厥陰心包経につながる。

"

WHO 経穴名 読み 部位 取穴 補足 筋枝 靱帯・腱など 皮枝 血管 要穴 主治 意義

KI 1 湧泉 ゆうせん 部位:足底、足指屈曲時、足底の最陥凹部。 取穴:足指を屈曲して、第2・第3指の間のみずかきと踵とを結ぶ線を3等分し、みずかきから3分の1のところに取る。 筋枝:内側足底神経(短指屈筋) 腱:足底腱膜 皮枝:内側足底神経 血管:底側中足動脈 要穴:腎経の井木穴 主治:腎臓疾患(急性および慢性腎炎、浮腫)、心臓疾患、動脈硬化症、高血圧、眩暈、扁桃炎、下肢の麻痺、足底痛、生殖器疾患による下腹部の冷感や熱感、しこり。 意義:湧はわく、自然に水がわく、泉はいずみ、みなもと。湧泉とは腎経の脈気が湧き出て始まるところという意味である。

KI 2 然谷 ねんこく 部位:足内側、舟状骨粗面の下方、赤白肉際。 取穴:内果の前下方で、舟状骨の尖ったところの直下、表裏の境目に取る。 筋枝:脛骨神経(後脛骨筋)、内側足底神経(母指外転筋) 皮枝:内側足底神経 血管:内側足底動脈 要穴:腎経の栄火穴 主治:足底痛、咽喉痛、扁桃炎、膀胱炎、子宮出血。 意義:然はもえる、焼く、燃骨は舟状骨のこと、谷はたに、谷あいのくぼみ。燃谷とは舟状骨の近くで経気の燃え集まるところ、栄穴であることを意味する。

KI 3 太渓 たいけい 部位:足関節後内側、内果尖とアキレス腱の間の陥凹部。 取穴:内果尖とアキレス腱との間で、後脛骨動脈拍動部に取る。 筋枝:脛骨神経(長指屈筋) 腱:アキレス腱 皮枝:伏在神経 血管:後脛骨動脈 要穴:腎の原穴、腎経の兪土穴 主治:腎臓疾患の主治穴(腎炎、腎結核、萎縮腎)、扁桃炎、心臓痛、中耳炎、足関節炎やリウマチ、腎臓疾患で胃腸障害のあるもの(胃痛、嘔吐、便秘など)。 意義:太はふとい、重要、谿は細長い谷川、くぼみ、みちすじ。太谿とは腎経の脈気がこの部に集まり、原穴として重要な穴という意味である。

KI 4 大鍾 だいしょう 部位:足内側、内果後下方、踵骨上方、アキレス腱付着部内側前方の陥凹部。 取穴:太渓の下方で踵骨上際、アキレス腱の前陥凹部に取る。 腱:アキレス腱 皮枝:伏在神経 血管:後脛骨動脈 要穴:腎経の絡穴 主治:脛骨神経痛、腰痛、心臓痛、咽喉痛、足関節炎やリウマチ。 意義:大はおおきい、重要、鐘はかね、つく。大鐘の穴名の意義は明らかではないが、内果あるいは踵骨をつり鐘とみたて、その近くにある大切な穴という意味であろう。

KI 5 水泉 すいせん 部位:足内側、太渓の下方1寸、踵骨隆起前方の陥凹部。 取穴:太渓の下方1寸の陥凹部に取る。 皮枝:伏在神経・内側踵骨枝(脛骨神経の枝) 血管:踵骨枝(後脛骨動脈の枝) 要穴:腎経の郄穴 主治:すべての婦人科疾患の特効穴(特に月経不順、子宮内膜炎や位置異常)、足関節炎やリウマチ、扁桃炎。 意義:水はみず、五臓色体表の五行で腎に属し、泉はいずみ、みなもと。水泉は腎経の経脈の源であって腎経の病の反応点・治療点であり、郄穴の重要性を意味する穴である。

KI 6 照海 しょうかい 部位:足内側、内果尖の下方1寸、内果下方の陥凹部。 取穴:内果尖の下方1寸の陥凹部に取る。 補足:照海に対応する外側の経穴は申脈(膀胱経)である。 筋枝:脛骨神経(後脛骨筋・長指屈筋) 皮枝:伏在神経 血管:後脛骨動脈 要穴:八脈交会穴 主治:婦人科疾患(特に月経不順、子宮痙攣や出血)、膀胱痙攣、踵骨痛。 意義:照はてらす、あきらか、海は広くて多く集まる。照海とは腎経の病において邪気が多く集まるところという意味である。

KI 7 復溜 ふくりゅう 部位:下腿後内側、アキレス腱の前縁、内果尖の上方2寸。 取穴:太渓の上方2寸で、アキレス腱と長指屈筋との間に取る。 補足:内果尖から膝窩横紋までの長さを1尺5寸とする。交信と同じ高さで、交信の後方5分にある。 筋枝:脛骨神経(長母指屈筋・長指屈筋・ヒラメ筋) 腱:アキレス腱 皮枝:伏在神経 血管:後脛骨動脈 要穴:腎経の経金穴 主治:腎虚証(生殖器疾患、特に婦人病や精力減退、泌尿器疾患、特に腎、膀胱の病、肺結核)、その他、心臓病、高血圧、脳出血、半身不随、中枢性運動筋麻痺、腰痛、脚気、耳の病。 意義:復はもどる、かえる、重なる、溜はたまる、したたる、流れる。復溜は腎経の病変がこの部に邪気として重なり合いとどまる反応点である。

KI 8 交信 こうしん 部位:下腿内側、脛骨内縁の後方の陥凹部、内果尖の上方2寸。 取穴:復溜の前方5分、復溜と脛骨内縁後際との間に取る。 筋枝:脛骨神経(後脛骨筋・長指屈筋) 皮枝:伏在神経 血管:後脛骨動脈 要穴:陰蹻脈の郄穴 主治:復溜に同じ。 意義:交はまじわる、つきあう、互いに取りかえる、信はまこと、おとずれ、たより。交信とは腎経と奇経の陰蹻脈とが交叉し脈気が訪れるところという意味である。

KI 9 築賓 ちくひん 部位:下腿後内側、ヒラメ筋とアキレス腱の間、内果尖の上方5寸。 取穴:太渓と陰谷を結ぶ線を3等分し、太渓から3分の1のところ、ヒラメ筋とアキレス腱との間に取る。 補足:ヒラメ筋は、膝を屈し、抵抗に抗して足関節を底屈すると脛骨内側縁に明瞭に現れる。太渓の上方5寸、蠡溝(肝経)と同じ高さにある。 筋枝:脛骨神経(ヒラメ筋) 腱:アキレス腱 皮枝:伏在神経 血管:後脛骨動脈 要穴:陰維脈の郄穴 主治:解毒の特効穴(小児胎毒、梅毒、淋疾などの解毒に効く)、腓腹筋痙攣、脚気。 意義:築はきずく、杵で土を打ちかためる、賓はうやまいもてなす、ならべる、みちびく。築賓とは腓腹筋の分肉の間に腎経の経脈を導くところという意味である。

KI 10 陰谷 いんこく 部位:膝後内側、半腱様筋腱の外縁、膝窩横紋上。 取穴:膝関節を軽く屈曲したときにできる膝窩横紋上で、半腱様筋腱の外側縁に取る。 筋枝:脛骨神経(半腱様筋・腓腹筋内側頭) 皮枝:伏在神経 血管:内側下膝動脈 要穴:腎経の合水穴 主治:生殖器疾患(特に出血による下腹痛、陰萎症)、膝関節炎やリウマチ。 意義:陰はかげ、山かげ、ここでは陰経、陰病、谷はたに、谷あいのくぼみ。陰谷とは膝関節後内側にある陰経の病によく反応するところという意味である。

KI 11 横骨 おうこつ 部位:下腹部、臍中央の下方5寸、前正中線の外方5分。 取穴:曲骨(任脈)の外方5分に取る。 補足:腎経の腹部の経穴は、前正中線外方5分とする。 筋枝:肋間神経(錐体筋・腹直筋) 皮枝:腸骨下腹神経(前皮枝)・腸骨鼡径神経 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 主治:泌尿器疾患(膀胱炎や麻痺、尿道炎)、生殖器疾患。 意義:横はよこ、骨はほね。横骨は現今の恥骨をさし、その近くにある穴という意味である。

KI 12 大赫 だいかく 部位:下腹部、臍中央の下方4寸、前正中線の外方5分。 取穴:中極(任脈)の外方5分に取る。 筋枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:腸骨下腹神経(前皮枝) 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 主治:横骨に同じ。 意義:大はおおきい、重要、赫はあかい、かがやく、火が燃える。大赫の穴名の意義は明らかではないが、経気の燃え上がる重要なところという意味であろう。

KI 13 気穴 きけつ 部位:下腹部、臍中央の下方3寸、前正中線の外方5分。 取穴:関元(任脈)の外方5分に取る。 筋枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝)・腸骨下腹神経(前皮枝) 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 主治:婦人科疾患、特に子宮筋腫(初期のこぶし大まで)、月経不順、その他、腎炎、膀胱麻痺、腰背痛。 意義:気は精気、エネルギー、水蒸気、穴はあな、入り口。気穴とは精気が生じるところという意味である。また別名の胞門・子戸はともに子宮のことであり、本穴が子宮疾患に効く穴であることを意味する。

KI 14 四満 しまん 部位:下腹部、臍中央の下方2寸、前正中線の外方5分。 取穴:石門(任脈)の外方5分に取る。 筋枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 主治:慢性腎炎、腹膜炎、腹部冷感、月経不順。 意義:四は四方、まわり、初陰(陰の数のはじまり)、満はみつる、おこる、わずらう。四満とは陰経病に起こる腹満の証に効果がある穴という意味である。なお別名の髄府・髄中の髄は腎に属する。

KI 15 中注 ちゅうちゅう 部位:下腹部、臍中央の下方1寸、前正中線の外方5分。 取穴:陰交(任脈)の外方5分に取る。 四満に同じ。筋枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 主治:腸疝痛、慢性腸カタル、消化不良、腹膜炎、腰痛、婦人科疾患。 意義:中はなか、あたる、注はそそぐ。中注は経脈が中に注いで腎

KI 16 肓兪 こうゆ 部位:上腹部、臍中央の外方5分。 取穴:神闕(任脈)の外方5分に取る。 筋枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈・上腹壁動脈 主治:腎臓疾患の特効穴、糖尿病、慢性下痢、便秘、肝炎、腹膜炎、胃痛、腸疝痛。 意義:肓は横隔膜の上にある薄い膜で鍼や薬のおよびにくいところ、兪はそそぐ、なおす。肓兪とは肓に注ぐところという意味である。

KI 17 商曲 しょうきょく 部位:上腹部、臍中央の上方2寸、前正中線の外方5分。 取穴:下脘(任脈)の外方5分に取る。 筋枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:肋間動脈・上腹壁動脈 主治:腹痛、胃痙攣、急性肝炎。 意義:商はあきなう、五臓色体表の五音で肺に属し、曲はまがる。商曲は腎経の経脈がここから腹中に入って腎にめぐった後、屈曲して肺に属していることを意味する。

KI 18 石関 せきかん 部位:上腹部、臍中央の上方3寸、前正中線の外方5分。 取穴:建里(任脈)の外方5分に取る。 商曲に同じ。筋枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:肋間動脈・上腹壁動脈 主治:腹痛、胃痙攣。 意義:石はいし、かたい、はり、関はせき、かんぬき、しきり。石関の穴名の意義は明らかではないが、重要な穴であることを示している。

KI 19 陰都 いんと 部位:上腹部、臍中央の上方4寸、前正中線の外方5分。 取穴:中脘(任脈)の外方5分に取る。 商曲に同じ。筋枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:肋間動脈・上腹壁動脈) 主治:胃疾患(胃カタル、胃潰瘍、胃癌など)、肺結核、喘息、咳嗽、肝炎、心窩部の膨満。 意義:陰は陰経、都はみやこ、人が多く集まるところ。陰都は陰の気がよく集まる反応点・治療点で、腎経の重要穴であることを意味する。

KI 20 腹通谷 はらつうこく 部位:上腹部、臍中央の上方5寸、前正中線の外方5分。 取穴:上脘(任脈)の外方5分に取る。 商曲に同じ。筋枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:肋間動脈・上腹壁動脈 主治:陰都に同じ、胃疾患、呼吸器疾患、心窩部の膨満。 意義:通はとおる、穀は米・麦などの穀物。通穀とは穀物を通すところ、現今の胃にあたり、胃疾患に効く穴という意味である。

KI 21 幽門 ゆうもん 部位:上腹部、臍中央の上方6寸、前正中線の外方5分。 取穴:巨闕(任脈)の外方5分に取る。 商曲に同じ。筋枝:肋間神経(腹直筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:肋間動脈・上腹壁動脈 主治:胃疾患(嘔吐、腹部膨満)、咳嗽、肋間神経痛、催吐鍼。 意義:幽はかすか、くらい、門は入り口。幽門は解剖的にみると胃から腸につながるところ、胃疾患に効く穴であるが、ここではむしろ、かすかな門すなわち胸腔へ通じる門戸とされている。

KI 22 歩廊 ほろう 部位:前胸部、第5肋間、前正中線の外方2寸。 取穴:第5肋間で前正中線の外方2寸に取る。 補足:歩廊から或中までの経穴は、前正中線と乳頭線との中間の線と、各肋間との交点に取る。 筋枝:内側・外側胸筋神経(大胸筋)、肋間神経(肋間筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:胸肩峰動脈・内胸動脈 主治:心臓疾患(狭心症、心内膜炎、心嚢炎など)、肺、気管支疾患、肋間神経痛。 意義:歩はあるく、物事のなりゆき、廊は廊下、ほそどののひさし。歩廊は渡り廊下のことであるが、ここでは胸部腎経の経脈が腹部から胸部につながり、胸骨側縁に沿って上行する一番目の穴であることを意味する。

KI 23 神封 しんぽう 部位:前胸部、第4肋間、前正中線の外方2寸。 取穴:膻中(任脈)の外方2寸に取る。 補足:第4肋間の高さには前正中線から、膻中(任脈)、神封、乳中(胃経)、天池(心包)、天渓(脾経)、輒筋(胆経)、淵腋(胆経)が並ぶ。 歩廊に同じ。筋枝:内側・外側胸筋神経(大胸筋)、肋間神経(肋間筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:胸肩峰動脈・内胸動脈 主治:歩廊に同じ、心臓疾患、呼吸器疾患、肋間神経痛。 意義:神は天地のかみ、たましい、精神、こころ、五臓色体表の五精で心に属し、封は領土、しきり、さかい、とじる。神封とは心臓の部位にある穴という意味である。

KI 24 霊墟 れいきょ 部位:前胸部、第3肋間、前正中線の外方2寸。 取穴:玉堂(任脈)の外方2寸に取る。 歩廊に同じ。筋枝:内側・外側胸筋神経(大胸筋)、肋間神経(肋間筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:胸肩峰動脈・内胸動脈 主治:歩廊に同じ。 意義:霊はたましい、神のみたま、墟はあと、大きな丘。霊墟は神仏を祭ってある大きな丘でここでは心臓を意味し、心臓部にある穴という意味である。

KI 25 神蔵 しんぞう 部位:前胸部、第2肋間、前正中線の外方2寸。 取穴:紫宮(任脈)の外方2寸に取る。 歩廊に同じ。筋枝:内側・外側胸筋神経(大胸筋)、肋間神経(肋間筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:胸肩峰動脈・内胸動脈 主治:歩廊に同じ。 意義:神は神封の神と同じく心臓を意味し、蔵はくら、かくす、おおいかくす。神蔵とは精神を蔵するところ、すなわち心臓部にある穴という意味である。

部位:前胸部、第1肋間、前正中線の外方2寸。 或中 KI 26 取穴:華蓋(任脈)の外方2寸に取る。 筋枝:顔面神経(頚枝)(広頚筋)、内側・外側胸筋神経(大胸筋)、肋間神経(肋間筋) 皮枝:鎖骨上神経・肋間神経(前皮枝) 血管:胸肩峰動脈・内胸動脈 主治:呼吸器疾患(咽喉カタル、喘息、気管支炎、胸膜炎)、肋間神経痛。 意義:或は杭でさかいを記した土地、くに、さかい、あるいは、中はなか、あたる。或中の穴名の意義は明らかではないが、心臓の境にある穴という意味であろう。

KI 27 兪府 ゆふ 部位:前胸部、鎖骨下縁、前正中線の外方2寸。 取穴:前正中線の外方2寸で、鎖骨の下縁に取る。 筋枝:顔面神経(頚枝)(広頚筋)、内側・外側胸筋神経(大胸筋)、鎖骨下神経(鎖骨下筋) 皮枝:鎖骨上神経 血管:胸肩峰動脈・内胸動脈 主治:呼吸器疾患(咽喉カタル、喘息、気管支炎、胸膜炎)、肋間神経痛、甲状腺肥大、肋骨カリエス。 意義:兪はつぼ、そそぐ、なおす、府は人やものが集まるところ。兪府とは腎経の脈気がよく注ぎ集まるところという意味である。

手の厥陰心包経 Pericardium Meridian PC )9穴

経脈流注: "手の厥陰心包経は、足の少陰腎経の脈気を受けて胸中に起こり、心包に属し、横隔膜を貫いて三焦(上・中・下焦)を絡う。その支脈は、胸をめぐって腋窩に至る。上腕前面、肘窩、前腕前面(長掌筋(腱)と橈側手根屈筋(腱)との間)、手掌を通り、中指先端中央[中衝]に終わる。

手掌の中央で分かれた支脈は、薬指内側端に至り、手の少陽三焦経につながる。

"

WHO 経穴名 読み 部位 取穴 補足 筋枝 靱帯・腱など 皮枝 血管 要穴 主治 意義

PC 1 天池 てんち 部位:前胸部、第4肋間、前正中線の外方5寸。 取穴:乳頭の外方1寸で第4肋間、乳中(胃経)と天渓(脾経)との中点に取る。 補足:第4肋間の高さには前正中線から、膻中(任脈)、神封(腎経)、乳中(胃経)、天池、天渓(脾経)、輒筋(胆経)、淵腋(胆経)が並ぶ。 筋枝:内側・外側胸筋神経(大胸筋・小胸筋)、肋間神経(肋間筋) 皮枝:肋間神経(外側皮枝) 血管:胸肩峰動脈・外側胸動脈・肋間動脈 主治:気管支炎、胸筋痛、肋間神経痛。 意義:天はそら、万物の主宰者である神、神は心臓に宿るのでここでは心包経をさす。池はいけ、たまる、地をうがち水を集めるところ。天池とは心包経の脈気が集まるところにある穴という

PC 2 天泉 てんせん 部位:上腕前面、上腕二頭筋長頭と短頭の間、腋窩横紋前端の下方2寸。 取穴:腋窩横紋前端の下方2寸、上腕二頭筋長頭と短頭との筋溝に取る。 補足:腋窩横紋前端から曲沢までの長さを9寸とする。 筋枝:筋皮神経(上腕二頭筋) 皮枝:内側・外側上腕皮神経 血管:上腕動脈 主治:正中神経痛、心臓、肺、気管支疾患による胸痛。 意義:天は天池の天と同じく心包経をさし、泉はいずみ、地中から湧き出る水、みなもと。天泉とは心包経の脈気が湧き出る源に近いところにある穴という意味である。

PC 3 曲沢 きょくたく 部位:肘前面、肘窩横紋上、上腕二頭筋腱内方の陥凹部。 取穴:肘関節を屈曲して上腕二頭筋腱を緊張させ、その腱の内側陥凹中に取る。 補足:上腕動脈拍動部で、尺沢(肺経)と少海(心経)とのほぼ中点にあたる。曲沢から大陵までの長さを1尺2寸とする。 筋枝:筋皮神経(上腕二頭筋・上腕筋) 皮枝:内側前腕皮神経 血管:上腕動脈 要穴:心包経の合水穴 主治:咳嗽の主治穴、肘関節炎やリウマチ、上腕神経痛、心臓病。 意義:曲はまがる、ここでは肘関節特に前面をさし、沢はさわ、水の浅くたまるところ。曲沢とは肘関節前面にある脈気がよく集まる反応点・治療点という意味である。

PC 4 郄門 げきもん 部位:前腕前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方5寸。 取穴:曲沢と大陵とを結ぶ線の中点の下方1寸で、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱との間に取る。 筋枝:正中神経(橈側手根屈筋・長掌筋・浅指屈筋) 皮枝:内側・外側前腕皮神経 血管:前骨間動脈 要穴:心包経の郄穴 主治:胸膜炎、喀血、心臓病の特効穴、肘および手関節リウマチ、手指の痺れ、背痛(膀胱経の厥陰兪穴の部)、脚気。 意義:郄は孔隙、間隙、すきま、はげしい、門は出入口。郄門とは心包経の急性病、心悸亢進、胸膜炎、喀血などの反応点・治療点として即効のある穴という意味である。

PC 5 間使 かんし 部位:前腕前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方3寸。 取穴:大陵と曲沢とを結ぶ線を4等分し、大陵から4分の1のところ、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱との間に取る。 筋枝:正中神経(橈側手根屈筋・長掌筋・浅指屈筋) 皮枝:内側・外側前腕皮神経 血管:前骨間動脈 要穴:心包経の経金穴 主治:心臓痛、狭心症、その他、熱病や中風による精神障害、手の麻痺。 意義:間はあいだ、すきま、なか、中央、使はつかう、もちいる、命令を受けて事にあたる。間使とは前腕前面のほぼ正中で手指を使うとき動揺する筋の間にある穴という意味である。

PC 6 内関 ないかん 部位:前腕前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方2寸。 取穴:大陵の上方2寸で、橈側手根屈筋腱と長掌筋腱との間に取る。 補足:内関に対応する後側の経穴は外関(三焦経)である。 筋枝:正中神経(橈側手根屈筋・長掌筋・浅指屈筋) 皮枝:内側・外側前腕皮神経 血管:前骨間動脈 要穴:心包経の絡穴、八脈交会穴 主治:手関節炎やリウマチ、心悸亢進症。 意義:内はうち、ここでは前腕前面をさし、関はしきり、かんぬき、重要。内関は三焦経の外関穴に対応する穴名で、前腕前面にある絡穴として重要な穴という意味である。

PC 7 大陵 だいりょう 部位:手関節前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋上。 取穴:手関節前面横紋の中央で、橈側手根屈筋腱と長掌筋腱との間に取る。 補足:長掌筋腱が不明瞭の場合は、橈側手根屈筋腱の内側にとる。太淵(肺経)、大陵、神門(心経)は手関節掌側横紋上に並ぶ。 筋枝:正中神経(橈側手根屈筋・長掌筋・浅指屈筋) 皮枝:内側・外側前腕皮神経 血管:掌側手根動脈網 要穴:心包の原穴、心包経の兪土穴 主治:心臓疾患の特効穴、手関節炎やリウマチ、正中神経痛、熱病による身熱と頭痛、精神病、胃腸疾患。 意義:大はおおきい、重要、陵はみささぎ、大いなる高まり、丘。大陵は心包経の原穴・兪穴として重要で、手関節隆起部の近くにあり、心臓疾患の反応点・治療点であることを意味する。

PC 8 労宮 ろうきゅう "部位:中指、中指先端中央。

(別説)部位:中指、末節骨橈側、爪甲角から近位外方1分(指寸)、爪甲橈側縁の垂線と爪甲基底部の水平線との交点。

" "取穴:手掌で第2・第3中手骨間、手を握ったとき、手掌面に触れる示指頭と中指頭との間に取る。

(別説)取穴:手掌で第3・第4中手骨間、手を握ったとき、手掌面に触れる中指頭と薬指頭との間に取る。

" "筋枝:正中神経(浅指屈筋腱・虫様筋(第2))

(別説)筋枝:尺骨神経

" 皮枝:正中神経(総掌側指神経) 血管:総掌側指動脈 要穴:心包経の栄火穴 主治:極度の全身疲労、中風で四肢の伸びないもの、小児疳虫症。 意義:労はつかれる、疲労、宮はみや、みたまや、やどる。労宮とは疲労の宿るところで極度の疲労に用いる穴という意味である。

PC 9 中衝 ちゅうしょう "部位:中指、中指先端中央。

(別説)部位:中指、末節骨橈側、爪甲角から近位外方1分(指寸)、爪甲橈側縁の垂線と爪甲基底部の水平線との交点。

" "取穴:中指先端の中央に取る。

(別説)取穴:中指爪根部近位縁に引いた線と、外側縁に引いた線との交点に取る。

" 皮枝:正中神経(固有掌側指神経) 血管:背側指動脈 要穴:心包経の井木穴 主治:指の痛み、正中神経麻痺。 意義:中はなか、ここでは中指をさし、衝はつく、うごく。中衝とは心包経が中指先端をついて経脈が終わるところにある穴という意味である。

手の少陽三焦経 Triple Energizer Meridian TE 23穴

経脈流注: "手の少陽三焦経は、手の厥陰心包経の脈気を受けて薬指内側端に起こり、手背、前腕後面、肘頭、上腕後面を上り、肩に上って胆経と交わり、大鎖骨上窩に入り、胸中より広がり、心包を絡い、横隔膜を貫いて三焦に属する。

胸中より分かれる支脈は、上って大鎖骨上窩に出て、項部から耳の後部、上部を経て側頭窩を過ぎ、目の下方に至る。耳の下で分かれた支脈は耳の後から中に入り前に出て、外眼角に至り、足の少陽胆経につながる。

"

WHO 経穴名 読み 部位 取穴 補足 筋枝 靱帯・腱など 皮枝 血管 要穴 主治 意義

TE 1 関衝 かんしょう 部位:薬指、末節骨尺側、爪甲角から近位内方1分(指寸)、爪甲尺側縁の垂線と爪甲基底部の水平線との交点。 取穴:薬指爪根部近位縁に引いた線と、内側縁に引いた線との交点に取る。 皮枝:尺骨神経(背側指神経) 血管:背側指動脈 要穴:三焦経の井金穴 主治:舌や咽頭の充血、発熱、腫脹(特に扁桃炎)、指の痛み、頭痛とめまいを伴う脳充血。 意義:関はかんぬき、関所、みなもと、衝はつく、うごく、大通り。関衝とは三焦経の経脈が始まり動く大切な穴という意味である。また関を環指(薬指)と考え、薬指先端にある穴という意味もある。

TE 2 液門 えきもん 部位:手背、薬指と小指の間、みずかきの近位陥凹部、赤白肉際。 取穴:手を握り、第4・第5中手指節関節間の直下の陥凹部に取る。 筋枝:尺骨神経(第4背側骨間筋) 皮枝:尺骨神経(背側指神経) 血管:背側指動脈 要穴:三焦経の栄水穴 主治:眼、耳、歯の陽証性疾患、薬指の麻痺。 意義:液は液体、うるおす、とける、門は出入口。液門とは関衝からの経脈がかすかに流れてつぎの兪穴に注ぐところという意味である。

TE 3 中渚 ちゅうしょ 部位:手背、第4・第5中手骨間、第4中手指節関節近位の陥凹部。 取穴:手を握り、第4中手指節関節の上の内側陥凹中に取る。 液門に同じ。筋枝:尺骨神経(第4背側骨間筋) 皮枝:尺骨神経(背側指神経) 血管:背側指動脈) 要穴:三焦経の兪木穴 主治:液門に同じ、その他、五指のリウマチによる屈伸不能。 意義:中はなか、あたる、渚はなぎさ、みずぎわ。中渚とは拳を握ったときなみがたをなす薬指と小指との間の陥凹中にある穴という意味である。

TE 4 陽池 ようち 部位:手関節後面、総指伸筋腱の尺側陥凹部、手関節背側横紋上。 取穴:手関節後面横紋のほぼ中央で、総指伸筋腱と小指伸筋腱との間の陥凹中に取る。 補足:第4・第5中手骨間隙を擦上すると触れることができる。総指伸筋腱は抵抗に抗して手関節を伸展するとより触れやすい。陽渓(大腸経)、陽池、陽谷(小腸経)は手関節背側横紋上に並ぶ。陽池から肘頭までの長さを1尺2寸とする。 筋枝:橈骨神経(総指伸筋・小指伸筋) 皮枝:後前腕皮神経・橈骨神経浅枝 血管:背側手根動脈網 要穴:三焦の原穴 主治:三焦の病を主治する、すなわち乳糜管の吸収を促し、心拍動を調整し、子宮の位置異常を整え、帯下やつわり、糖尿病などに効く名穴。その他、手関節炎やリウマチ、上肢の神経痛。 意義:陽は少陽三焦経を意味し、池はいけ、たまる、地をうがち水を集めるところ。陽池とは三焦経の脈気がよく集まる重要な反応点・治療点という意味である。

TE 5 外関 がいかん 部位:前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、手関節背側横紋の上方2寸。 取穴:陽池の上方2寸で、総指伸筋腱と小指伸筋腱との間に取る。 筋枝:橈骨神経(総指伸筋・小指伸筋) 皮枝:後前腕皮神経 血管:後骨間動脈 要穴:三焦経の絡穴、八脈交会穴 主治:手関節炎やリウマチ、上肢の神経痛および麻痺。 意義:外はそと、ここでは前腕後面をさし、関はしきり、かんぬき、重要。外関は心包経の内関穴に対応する穴名で、前腕後面にある絡穴として重要な穴という意味である。

TE 6 支溝 しこう 部位:前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、手関節背側横紋の上方3寸。 取穴:陽池と肘頭とを結ぶ線を4等分し、陽池から4分の1のところに取る。 外関に同じ。筋枝:橈骨神経(総指伸筋・小指伸筋) 皮枝:後前腕皮神経 血管:後骨間動脈) 要穴:三焦経の経火穴 主治:上肢の神経痛や麻痺。 意義:支はささえる、ささえもつ、わかれる、手足、ここでは前腕後面をさし、溝はみぞ。支溝とは前腕後面の指伸筋の筋溝中にある穴という意味である。

TE 7 会宗 えそう 部位:前腕後面、尺骨の橈側縁、手関節背側横紋の上方3寸。 取穴:支溝から小指伸筋腱を越えたところで、尺側手根伸筋との間に取る。 筋枝:橈骨神経(小指伸筋・尺側手根伸筋) 皮枝:後前腕皮神経 血管:後骨間動脈 要穴:三焦経の郄穴 主治:上肢の神経痛や麻痺、聴力障害、脳神経症状。 意義:会はあう、交わる、接する、宗はむね、たっとぶ、もと、根源、はじめ、生じる。会宗とは三焦経の本経に会するところという意味である。

TE 8 三陽絡 さんようらく 部位:前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、手関節背側横紋の上方4寸。 取穴:陽池と肘頭とを結ぶ線を3等分し、陽池から3分の1のところに取る。 筋枝:橈骨神経(総指伸筋・小指伸筋) 皮枝:後前腕皮神経 血管:後骨間動脈 主治:陽経の実証、例えば頭痛、その他の激痛、下歯痛、中風、耳の疾患(難聴)、上肢の神経痛や麻痺。 意義:三陽絡とは手の三つの陽経が交わり、陽病に効く穴という意 232味である。

TE 9 四瀆 しとく 部位:前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、肘頭の下方5寸。 取穴:陽池と肘頭とを結ぶ線の中点の上方1寸に取る。 三陽絡に同じ。筋枝:橈骨神経(総指伸筋・小指伸筋) 皮枝:後前腕皮神経 血管:後骨間動脈) 主治:上歯痛、耳鳴、片頭痛、前腕の神経痛または麻痺、肩背痛、咽喉痛。 意義:四は四方、まわり、陰の数、瀆はみぞ、流れを通じるみぞ、くぐりあな。四瀆は中国では楊子江、黄河、淮水、済水の四つの大河をいい、したがって四瀆とは経脈がよく流れるところにある穴という意味である。

TE 10 天井 てんせい 部位:肘後面、肘頭の上方1寸、陥凹部。 取穴:肘頭の上方1寸で、肘関節をやや屈曲したときにできる陥凹部(肘頭窩)に取る。 補足:肩関節を90度外転したときの肘頭から肩峰角までの長さを便宜上1尺とする。肩峰角とは、肩甲棘の後縁を外側にたどるとき、肩峰外側縁への移行部に触れる、下方に突き出している角のことである。 筋枝:橈骨神経(上腕三頭筋の共通腱) 皮枝:後上腕皮神経 血管:中側副動脈(上腕深動脈の枝 要穴:三焦経の合土穴 主治:四瀆に同じ、その他、精神病、てんかん、肘関節炎やリウマチ。 意義:天はそら、万物の主宰者、生気、うえ、井は井戸のわく、いずみ。天井とは天の気の出づるところで頭部疾患と関係ある穴という意味である。

TE 11 清冷淵 せいれいえん 部位:上腕後面、肘頭と肩峰角を結ぶ線上、肘頭の上方2寸。 取穴:肘関節を伸展し、肘頭の上方2寸に取る。 天井に同じ。筋枝:橈骨神経(上腕三頭筋の共通腱) 皮枝:後上腕皮神経 血管:中側副動脈(上腕深動脈の枝) 主治:上腕部の疼痛、頭痛、側胸部痛。 意義:清はきよい、美しい、澄む、冷はつめたい、熱の反対、すがすがしい、淵はふち、水が湧き出てたまるところ、ものが集まるところを意味する。清冷淵とは三焦経および三焦の病変にあたり、その邪気を清める穴という意味である。

TE 12 消濼 しょうれき 部位:上腕後面、肘頭と肩峰角を結ぶ線上、肘頭の上方5寸。 取穴:肘頭と肩峰角との中点で、橈骨神経溝中に取る。 筋枝:橈骨神経(上腕三頭筋) 皮枝:後上腕皮神経 血管:中側副動脈(上腕深動脈の枝) 主治:上腕の神経痛や麻痺、頚項痛(後頚部の痛み)、肩背痛。 意義:消はけす、水が少なくなる、ものがなくなる、濼はたのしむ、よろこぶ、やすんずる。消濼とは三焦および三焦経の病症を消退させて、患者を喜ばせることのできる穴という意味である。

TE 13 臑会 じゅえ 部位:上腕後面、三角筋の後下縁、肩峰角の下方3寸。 取穴:肩峰角の下方3寸で、三角筋の後下縁に取る。 筋枝:腋窩神経(三角筋)、橈骨神経(上腕三頭筋) 皮枝:上外側上腕皮神経・後上腕皮神経 血管:後上腕回旋動脈 主治:上腕の神経痛や麻痺、三角筋リウマチ。 意義:臑は上腕をさし、会はあう、交わる。臑会とは上腕で三焦経と大腸経とが交わるところにある穴という意味である。

TE 14 肩髎 けんりょう 部位:肩周囲部、肩峰角と上腕骨大結節の間の陥凹部。 取穴:肩関節を90度外転したとき、肩峰の前後に現れる2つの陥凹部のうち、後ろの陥凹部に取る。 筋枝:腋窩神経(三角筋) 皮枝:鎖骨上神経 血管:後上腕回旋動脈 主治:肩関節炎やリウマチ、上肢の神経痛、中風、半身不随。 意義:肩はかた、ここでは肩甲棘をさし、髎は骨のかどすみ。肩髎とは肩甲骨のかどすみにある穴という意味である。

TE 15 天髎 てんりょう 部位:肩甲部、肩甲骨上角の上方陥凹部。 取穴:肩井(胆経)と曲垣(小腸経)との中点で、肩甲骨上角の上方に取る。 筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋) 皮枝:鎖骨上神経 血管:頚横動脈浅枝 主治:肩こり、上肢の神経痛やリウマチ、片頭痛、中風、高血圧の必須穴。 意義:天はそら、うえ、精気、ここでは上半身をさし、髎はかどすみ、ここでは肩甲棘上縁を意味する。天髎とは肩甲棘上縁の近くにあり、上半身の生気や邪気が多く集まるところにある穴という意味である。

TE 16 天牖 てんゆう 部位:前頚部、下顎角と同じ高さ、胸鎖乳突筋後方の陥凹部。 取穴:下顎角の後方で、胸鎖乳突筋の後方に取る。 補足:胸鎖乳突筋をはさんで、天容(小腸経)と相対するところにあたる。 筋枝:副神経・頚神経叢の枝(胸鎖乳突筋)、脊髄神経後枝(頭板状筋) 皮枝:小後頭神経 血管:浅頚動脈 主治:斜頚、項強(項のこわばり)、片頭痛。 意義:天は天の部、ここでは頚より上を意味し、牖はまど、光を取り入れるところ、導く、通じる。天牖とは天の精気を通じる窓であり、上半身特に頭部や頚部の疾患に効く穴という意味である。

TE 17 翳風 えいふう 部位:前頚部、耳垂後方、乳様突起下端前方の陥凹部。 取穴:天容(小腸経)の上方で、乳様突起下端と下顎枝との間の陥凹中に取る。 筋枝:顔面神経(顎二腹筋枝)(顎二腹筋後腹 皮枝:大耳介神経 血管:後耳介動脈 主治:中耳炎、耳鳴、片頭痛、顔面神経麻痺、歯痛、咽喉カタル、吃逆。 意義:翳はかざす、眼がかすむ、かくす、陰、風は風邪。翳風とは風邪によってきたる眼や耳の疾患を主治する穴という意味である。

TE 18 瘈脈 けいみゃく 部位:頭部、乳様突起の中央、翳風と角孫を結ぶ(耳の輪郭に沿った)曲線上、翳風から3分の1。 取穴:翳風から角孫に至る円弧上で、翳風から3分の1のところに取る。 補足:耳介を隔てて外耳孔と相対するところにあたる。 筋枝:顔面神経(後耳介神経)(後耳介筋) 皮枝:大耳介神経 血管:後耳介動脈 主治:耳の疾患、頭痛、脳充血、小児の痙攣。 意義:瘈はくるう、精神病、脈はながれる、ここでは静脈を意味する。瘈脈とは精神病による諸症状に効く穴という意味である。

TE 19 顱息 ろそく 部位:頭部、翳風と角孫を結ぶ(耳の輪郭に沿った)曲線上で、翳風から3分の2。 取穴:翳風から角孫に至る円弧上で、角孫から3分の1のところに取る。 皮枝:大耳介神経 血管:後耳介動脈 主治:脳充血、頭痛、耳鳴、脳膜炎。 意義:顱はかしら、頭の骨、息は呼吸、ねぎらう、ふさぐ。顱息とは頭の病をとめる、すなわち頭痛を主治する穴という意味である。

TE 20 角孫 かくそん 部位:頭部、耳尖のあたるところ。 取穴:耳を前方に折り曲げて、耳尖が頭に触れるところに取る。 筋枝:顔面神経(後耳介神経・側頭枝)(上耳介筋)、下顎神経(三叉神経第3枝)(側頭筋) 皮枝:下顎神経(三叉神経第3枝) 血管:浅側頭動脈の枝 主治:眼科疾患の特効穴(角膜実質炎、角膜混濁、結膜炎、フリクテン、トラコーマ、白内障、緑内障等)、歯痛、耳の疾患、口内炎。 意義:角はつの、すみ、とがり、先、孫はまご、ゆずる、へりくだる、従う、のがれる。角孫とは額角より後ろへへだたりくだるところ、または耳の上角の髪際にあたるところという意味である。

TE 21 耳門 じもん 部位:顔面部、耳珠上の切痕と下顎骨の関節突起の間、陥凹部。 取穴:耳珠の前上方で頬骨弓の後端に取る。 補足:聴宮(小腸経)の直上にあたる。 皮枝:下顎神経(三叉神経第3枝) 血管:浅側頭動脈 主治:耳の疾患(中耳炎、外耳道炎、耳鳴、難聴、耳だれなど)、顔面神経麻痺、三叉神経痛。 意義:耳門は耳の出入口であり、耳の疾患の主治穴である。

TE 22 和髎 わりょう 部位:頭部、もみあげの後方、耳介の付け根の前方、浅側頭動脈の後方。 取穴:頬骨弓後端の上方で、浅側頭動脈拍動部の後方に取る。 筋枝:顔面神経(側頭枝)(前耳介筋) 皮枝:下顎神経(三叉神経第3枝) 血管:浅側頭動脈 主治:眼科疾患の特効穴(角膜実質炎、虹彩炎、結膜炎、フリクテン、トラコーマなど)、耳鼻疾患、頭痛、顔面神経痙攣。 意義:和はやわらぐ、おだやか、精気、髎・はかどすみ。和髎とは頬骨弓後端のかどすみにあって三焦の精気あるいは原気を和らげ調和させる穴という意味である。

TE 23 糸竹空 しちくくう 部位:頭部、眉毛外端の陥凹部。 取穴:眉毛の外端で、骨のくぼんだところに取る。 補足:瞳子膠(胆経)の直上にある。 筋枝:顔面神経(側頭枝・頬骨枝)(眼輪筋) 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝)・上顎神経(三叉神経第2枝) 血管:浅側頭動脈 主治:三叉神経痛、眼科疾患(角膜実質炎、虹彩炎、結膜炎、トラコーマ、さかさまつげなど)。 意義:絲はいと、竹はたけ、絲竹とは糸が琴、竹がふえ(尺八)を意味するが、ここでは眉毛の形をさし、空はそら、空所、くぼみ。絲竹空とは眉毛外端のくぼみにある穴という意味である。

足の少陽胆経 Gallbladder Meridian GB 44穴

経脈流注: "足の少陽胆経は、手の少陽三焦経の脈気を受けて外眼角に起こり、額角、耳の後、頚をめぐり、三焦経に交わり、大鎖骨上窩に入る。耳の後より分かれた支脈は、耳の中に入り、前に出て外眼角に至る。外眼角より分かれた支脈は、[大迎]へ下り三焦経に合し、目の下から頚を下り大鎖骨上窩で合流して、胸中に至り、横隔膜を貫き、肝を絡い、胆に属する。さらに、側腹部をめぐり鼡径部に出て、陰毛をめぐる。また、支脈は、大鎖骨上窩より腋窩に下り、季肋部を下る支脈と、股関節で合流する。そこから大腿外側、膝外側、腓骨の前を下って腓骨下端に至り、外果の前[丘墟]に出て、足背をめぐり、足の第4指外側端に終わる。

足背で分かれた支脈は、足の第1指端に至り、足の厥陰肝経につながる。

"

WHO 経穴名 読み 部位 取穴 補足 筋枝 靱帯・腱など 皮枝 血管 要穴 主治 意義

GB 1 瞳子髎 どうしりょう 部位:頭部、外眼角の外方5分、陥凹部。 取穴:外眼角の外方5分で、骨の少しくぼんだところに取る。 筋枝:顔面神経(側頭枝・頬骨枝)(眼輪筋) 皮枝:上顎神経(三叉神経第2枝) 血管:浅側頭動脈の枝 主治:すべての眼科疾患、顔面神経痙攣および麻痺、三叉神経痛。 意義:瞳子は瞳孔、ひとみ、髎はかどすみ。瞳子髎とはひとみのかどすみにある穴という意味である。

GB 2 聴会 ちょうえ 部位:顔面部、珠間切痕と下顎骨関節突起の間、陥凹部。 取穴:珠間切痕の直前陥凹中で、口を開くと深く窪むところに取る。 補足:聴宮(小腸経)の直下にあたる。 皮枝:下顎神経(三叉神経第3枝) 血管:浅側頭動脈 主治:耳の疾患、顎関節炎、顔面神経麻痺。 意義:聴はきく、耳の中まで通す、会はあう、あつまる、合する、人の大勢集まるところ。聴会とは胆経の経脈が相集まって耳の 243疾患を主治する穴という意味である。

GB 3 "上関

別名:客主人

" " じょうかん

別名: きゃくしゅじん

" 部位:頭部、頬骨弓中央の上際陥凹部。 取穴:頬骨弓中央の上際に取る。 補足:頬骨弓をはさんで、下関(胃経)の直上にあたる。 筋枝:下顎神経(深側頭神経)(側頭筋) 皮枝:下顎神経(三叉神経第3枝) 血管:浅側頭動脈の枝 主治:三叉神経痛、特に上歯痛、眼科疾患、顔面神経麻痺、耳の疾患。 意義:客はよそから来た人、訪問する、ここでは胃経と三焦経とをさし、主はあるじ、客を迎える家の人、ここでは胆経をさす。客主人とは胆経が胃経と三焦経とを迎えて交わりあう顎関節部にある重要な穴という意味である。また本穴の別名を上関というが、これは胃経の下関穴に対応する穴名で、頬骨弓(せきあるいはしきり)の上にある穴という意味である。

GB 4 頷厭 がんえん 部位:頭部、頭維と曲鬢を結ぶ(側頭の髪際に沿った)曲線上、頭維から4分の1。 取穴:側頭髪際にほぼ並行して、頭維(胃経)から曲鬢までをなだらかに結ぶ曲線上で、頭維から4分の1のところに取る。 筋枝:顔面神経(側頭枝)、下顎神経(深側頭神経)(側頭筋) 皮枝:下顎神経(三叉神経第3枝) 血管:浅側頭動脈(前頭枝) 主治:片頭痛。 意義:頷はうなずく、あご、オトガイ、厭はいとう、いやになる、ふさぐ、疲れる。頷厭の穴名の意義は明らかではないが、穴所がふさがれるところにある穴といわれている。

GB 5 懸顱 けんろ 部位:頭部、頭維と曲鬢を結ぶ(側頭の髪際に沿った)曲線上の中点。 取穴:側頭髪際にほぼ並行して、頭維(胃経)から曲鬢までをなだらかに結ぶ曲線の中点に取る。 筋枝:顔面神経(側頭枝)(側頭頭頂筋)、下顎神経(深側頭神経)(側頭筋)(頷厭に同じ。側頭頭頂筋) 皮枝:下顎神経(三叉神経第3枝) 血管:浅側頭動脈(前頭枝) 主治:感冒、その他の発熱による顔面部の充血や熱感、痛みあるいは眼の充血、その他、激しい頭痛や歯痛。 意義:懸はかける、ひっかける、へだたる、転じて非常に苦しむこと、顱はあたま、頭蓋骨。懸顱とは頭痛を主治する穴という意味である。

GB 6 懸釐 けんり 部位:頭部、頭維と曲鬢を結ぶ(側頭の髪際に沿った)曲線上、頭維から4分の3。 取穴:側頭髪際にほぼ並行して、頭維(胃経)から曲鬢までをなだらかに結ぶ曲線上で、曲鬢から4分の1のところに取る。 頷厭に同じ。筋枝:顔面神経(側頭枝)(側頭頭頂筋)、下顎神経(深側頭神経)(側頭筋) 皮枝:下顎神経(三叉神経第3枝) 血管:浅側頭動脈(前頭枝) 主治:懸顱に同じ。 意義:懸は懸顱の懸と同じ、釐は尺度の単位、おさめる、みちすじ。懸釐とは懸顱の道すじにある穴あるいは懸顱と同じく頭痛に効果のある穴という意味である。

GB 7 曲鬢 きょくびん 部位:頭部、もみあげ後縁の垂線と耳尖の水平線の交点。 取穴:もみあげ後縁の上方で、耳尖の高さに取る。 筋枝:顔面神経(側頭枝)(側頭頭頂筋)、下顎神経(深側頭神経)(側頭筋) 皮枝:下顎神経(三叉神経第3枝) 血管:浅側頭動脈 主治:懸顱に同じ。 意義:曲はまがる、鬢は耳ぎわの髪の毛、へり、横毛。曲鬢とは耳ぎわの毛の曲がりかどにある穴という意味である。

GB 8 率谷 そっこく 部位:頭部、耳尖の直上、髪際の上方1寸5分。 取穴:角孫(三焦経)の上方1寸5分に取る。 筋枝:顔面神経(側頭枝)(側頭頭頂筋)、下顎神経(深側頭神経)(側頭筋) 皮枝:下顎神経(三叉神経第3枝)・小後頭神経 血管:浅側頭動脈の枝 主治:高血圧、熱性疾患、飲酒などに原因する食欲不振や嘔吐などの胃疾患。 意義:率はひきいる、したがえる、よそおう、谷はたに、谷あいのくぼみ。率谷とは経脈の気がかすかに流れるところにある穴という意味である。

GB 9 天衝 てんしょう 部位:頭部、耳介の付け根の後縁の直上、髪際の上方2寸。 取穴:率谷の後方5分に取る。 筋枝:顔面神経(側頭枝)(側頭頭頂筋)、下顎神経(深側頭神経)(側頭筋) 皮枝:小後頭神経 血管:浅側頭動脈の枝 主治:脳疾患(てんかん、片頭痛)、歯肉炎。 意義:天は天の部、ここでは頭部をさし、衝は拍動部、つく、ここでは刺鍼点を表す。天衝とは頭部の疾患に刺鍼してよいところにある穴という意味である。

GB 10 浮白 ふはく 部位:頭部、乳様突起の後上方、天衝と完骨を結ぶ(耳の輪郭に沿った)曲線上、天衝から3分の1。 取穴:耳尖直後の髪際の後方1寸に取る。 筋枝:顔面神経(後頭枝)、下顎神経(深側頭神経)(側頭筋)(後頭筋) 皮枝:小後頭神経 血管:後耳介動脈 主治:天衝に同じ。 意義:浮はうかぶ、さまよう、熱に浮かされる、白はしろい、きよい、あきらかなどの意味があるが、穴名の意義ははっきりしていない。

GB 11 頭竅陰 あたまきょういん 部位:頭部、乳様突起の後上方、天衝と完骨を結ぶ(耳の輪郭に沿った)曲線上、天衝から3分の2。 取穴:乳様突起の後上方で、完骨から天衝に向かって約3分の1のところに取る。 筋枝:顔面神経(後頭枝)(後頭筋) 皮枝:小後頭神経 血管:後耳介動脈 主治:耳の疾患、脳充血。 意義:竅はつつぬけの孔、からだにあるあな、七竅といえば、眼・耳・鼻・口の七つの孔をさし、ここでは耳をさしている。陰はかげ、陰経、もともと腎経は耳と二陰(性器と肛門)を支配する。竅陰とは耳の近くにある腎疾患と関係ある穴という意味である。竅陰は足にもあり本穴と関係が深い。

GB 12 完骨 かんこつ 部位:前頚部、乳様突起の後下方、陥凹部。 取穴:乳様突起の後下方陥凹中に取る。 筋枝:副神経・頚神経叢の枝(胸鎖乳突筋)、脊髄神経後枝(頭板状筋) 皮枝:小後頭神経 血管:後頭動脈 主治:片頭痛、めまい、脳充血、頚項強(項のこわばり)、顔面神経麻痺、中耳炎、耳下腺炎、扁桃炎、半身不随、不眠症。 意義:完骨は現今の乳様突起のことであり、したがって乳様突起のかたわらにある穴という意味である。

GB 13 本神 ほんじん 部位:頭部、前髪際の後方5分、前正中線の外方3寸。 取穴:神庭(督脈)と頭維(胃経)とを結ぶ線を3等分し、頭維から3分の1のところに取る。 筋枝:顔面神経(側頭枝)(前頭筋) 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝) 血管:眼窩上動脈 主治:脳疾患(頭痛、眩暈、後頭部の強直、てんかん、小児のひきつけなど)。 意義:本はもと、ねもと、神はかみ、精神、こころ。本神の穴名の意義は明らかではないが、督脈の神庭穴などとともに、てんかんなどの脳疾患に用いる穴である。

GB 14 陽白 ようはく 部位:頭部、眉の上方1寸、瞳孔線上。 取穴:眉毛中央の上方1寸、瞳孔を通る垂直線上で骨の陥凹部に取る。 本神に同じ。筋枝:顔面神経(側頭枝)(前頭筋) 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝) 血管:眼窩上動脈 主治:眼科疾患、三叉神経痛。 意義:陽は少陽胆経を意味し、白は眼輪筋周縁の白色部をさす。陽白は胃経の四白穴に対応する穴名で、少陽胆経において眼球周囲の白色部にある穴という意味である。また陽白を揚白とも書き、陽はあげる、白は衰える。したがって眼筋麻痺に応用する穴という意味もある。

GB 15 頭臨泣 あたまりんきゅう 部位:頭部、前髪際から入ること5分、瞳孔線上。 取穴:神庭(督脈)と頭維(胃経)とを結ぶ線の中点に取る。 補足:瞳孔の直上にあたる。前髪際の後方5分には前正中線から、神庭(督脈)、眉衝(膀胱経)、曲差(膀胱経)、頭臨泣、本神、頭維(胃経)が並ぶ。 本神に同じ。筋枝:顔面神経(側頭枝)(前頭筋) 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝) 血管:眼窩上動脈 主治:眼科疾患、鼻疾患(鼻孔閉塞、蓄膿症など)、脳溢血、人事不省。 意義:臨はのぞむ、みわける、あたる、泣はなく、なみだ。臨泣とは眼の疾患を主治する穴という意味である。

GB 16 目窓 もくそう 部位:頭部、前髪際から入ること1寸5分、瞳孔線上。 取穴:頭臨泣の後方1寸に取る。 腱:帽状腱膜 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝) 血管:眼窩上動脈・浅側頭動脈(前頭枝) 主治:眼科疾患、頭痛、頭重、顔面の浮腫。 意義:目窓とは眼に通じる窓、したがって眼科疾患を主治する穴という意味である。

GB 17 正営 しょうえい 部位:頭部、前髪際から入ること2寸5分、瞳孔線上。 取穴:承光(膀胱経)の外方で、頭臨泣の後方2寸に取る。 目窓に同じ。 腱:帽状腱膜 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝) 血管:眼窩上動脈・浅側頭動脈(前頭枝) 主治:頭痛、頭重、歯痛、片頭痛。 意義:正はただしい、かたよらない、まっすぐ、ただす、営はいとなむ、おさめる、しらべる、ととのえる。正営とは病を正しく整える穴という意味である。

GB 18 承霊 しょうれい 部位:頭部、前髪際から入ること4寸、瞳孔線上。 取穴:通天(膀胱経)の外方で、正営の後方1寸5分に取る。 腱:帽状腱膜 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝)・大後頭神経 血管:眼窩上動脈・浅側頭動脈(前頭枝)・後頭動脈 主治:脳や脊髄の炎症による発熱、痙攣、麻痺、眩暈、頭痛および鼻出血。 意義:承はうけたまわる、うける、霊はたましい。承霊とはたましいをうけるところ、したがって脳と関係ある穴という意味である。

GB 19 脳空 のうくう 部位:頭部、外後頭隆起上縁と同じ高さ、風池の直上。 取穴:上項線と風池を通る垂線との交点に取る。 補足:脳戸(督脈)、玉枕(膀胱経)と同じ高さにある。 筋枝:顔面神経(後頭枝)(後頭筋) 皮枝:大後頭神経 血管:後頭動脈 主治:頭痛、頭重、後頭神経痛、耳鳴、後頚部痙攣および麻痺、眼科疾患。 意義:脳空とは脳の空所すなわち脳頭蓋にある小陥凹部で、頭部疾患に効く穴という意味である。

GB 20 風池 ふうち 部位:前頚部、後頭骨の下方、胸鎖乳突筋と僧帽筋の起始部の間、陥凹部。 取穴:風府(督脈)の外方で、僧帽筋と胸鎖乳突筋との間の陥凹中に取る。 補足:深部に椎骨動脈が通る。 筋枝:副神経・頚神経叢の枝(胸鎖乳突筋・僧帽筋)、脊髄神経後枝(頭板状筋・頭半棘筋) 皮枝:頚神経後枝 血管:後頭動脈 主治:感冒、脳疾患(頭痛、頭重、高血圧、脳充血、脳溢血など)、鼻疾患(蓄膿症、肥厚性鼻炎など)、眼や耳の疾患、肩から後頚部にかけてのこり。 意義:風は風邪、池はたまる、地をうがち水を集めるところ。風池とは風邪が集まるところ、感冒や中風の際の反応点であり、その予防や治療に効果のある穴という意味である。

GB 21 肩井 けんせい 部位:後頚部、第7頚椎棘突起と肩峰外縁を結ぶ線上の中点。 取穴:第7頚椎棘突起と肩峰外縁中央との中点に取る。 補足:天髎(三焦経)の上方にあたる。 筋枝:副神経・頚神経叢の枝(僧帽筋) 皮枝:鎖骨上神経 血管:頚横動脈 主治:すべての疾患に基づく肩こり、頚項強(項のこわばり)、頭痛、眩暈、眼、耳、鼻、歯などの疾患、神経衰弱、ヒステリー、半身不随、上肢の神経痛、胸膜炎。 意義:肩はかた、肩上部、井はわく、出る、はじまる、井穴。肩井とは肩上部にあって脈気が湧き出る重要な反応点・治療点という意味である。

GB 22 淵腋 えんえき 部位:側胸部、第4肋間、中腋窩線上。 取穴:腋窩中央の下方で第4肋間に取る。 筋枝:長胸神経(前鋸筋)、肋間神経(肋間筋) 皮枝:肋間神経(外側皮枝) 血管:外側胸動脈・胸背動脈・肋間動脈 主治:肋間神経痛、腋窩リンパ腺腫、胸膜炎。 意義:淵はふち、水が深くよどむところ、腋はわきの下、胸の左右。淵腋とは腋窩部(側胸部)にある脈気が深くよどんでいるところにある穴という意味である。

GB 23 輒筋 ちょうきん 部位:側胸部、第4肋間、中腋窩線の前方1寸。 取穴:淵腋の前方1寸で、天渓(脾経)との中点に取る。 淵掖に同じ。筋枝:長胸神経(前鋸筋)、肋間神経(肋間筋) 皮枝:肋間神経(外側皮枝) 血管:外側胸動脈・胸背動脈・肋間動脈 主治:淵腋に同じ。 意義:輒はわき木、くるま箱の両わきの上端、前に向かってそり出しているもの、立って乗るときによりかかるもの、転じてもっぱら、そのたびごとにたやすく、足の病気、直立して動かないさま、筋はすじ、筋肉、ここでは前鋸筋をさす。輒筋は上肢を挙上すると側胸部で前鋸筋と外腹斜筋とが車耳(輒)のように筋隆起を現すことを意味する。また下肢の麻痺に効く穴でもある。

GB 24 日月 じつげつ 部位:前胸部、第7肋間、前正中線の外方4寸。 取穴:乳頭中央の下方で、乳根(胃経)の2肋間下に取る。 補足:女性では、鎖骨中線と第7肋間との交点に取る。 筋枝:内側・外側胸筋神経(大胸筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝・外側皮枝) 血管:肋間動脈 要穴:胆の募穴 主治:胆嚢疾患の特効穴(胆嚢炎、胆石症、胆道炎、黄疸など)、神経衰弱、ヒステリー、胃および肝臓疾患、吃逆。 意義:日は太陽、陽、月は太陰、陰。日月は自然界における天地運行の要素であって、重要な穴であることを意味する。また本穴は陰と陽とに関係し、陰病・陽病ともに効果のある穴である。

GB 25 京門 けいもん 部位:側腹部、第12肋骨端下縁。 取穴:側臥して、第12肋骨下縁を脊柱側から押していくと前端に触れ、その下縁に取る。 筋枝:胸背神経(広背筋)、肋間神経・腸骨下腹神経・腸骨鼡径神経(外腹斜筋・内腹斜筋) 皮枝:肋間神経(外側皮枝) 血管:肋間動脈 要穴:腎の募穴 主治:腎臓疾患(腎炎、腎臓結核、腎盂炎)の特効穴、膀胱炎、生殖器疾患、胃腸疾患、胆石症、胸腹膜炎、腰痛、坐骨神経痛。 意義:京はみやこ、君主の居城のあるところ、人体では先天の原気の出づるところ、すなわち腎を意味し、門は出入口。京門とは腎臓疾患の診断点・反応点および治療点として重要な穴という意味である。

GB 26 帯脈 たいみゃく 部位:側腹部、第11肋骨端下方、臍中央と同じ高さ。 取穴:臍の中央を通る水平線と、第11肋骨端を通る垂線との交点に取る。 筋枝:肋間神経・腸骨下腹神経(外腹斜筋・内腹斜筋) 皮枝:肋間神経(外側皮枝) 血管:肋間動脈 主治:婦人科疾患(子宮痙攣、子宮内膜炎、卵巣膿腫、帯下、月経不順)、腰痛、下腹痛、腰部冷感。 意義:帯はおび、腰に巻くもの、脈は経脈。帯脈は胆経と帯脈(奇経八脈の一つ)とが合するところであり、肝経の章門から出た経脈が、ここにきて身体を帯状に一周するという意味から出た穴名である。

GB 27 五枢 ごすう 部位:下腹部、臍中央の下方3寸、上前腸骨棘の内方。 取穴:関元(任脈)の外方で、帯脈の前下方、上前腸骨棘の内方に取る。 筋枝:肋間神経・腸骨下腹神経(外腹斜筋・内腹斜筋) 皮枝:腸骨下腹神経(外側皮枝) 血管:浅・深腸骨回旋動脈 主治:寒冷に基づく下腹痛、婦人科疾患、男子の生殖器疾患。 意義:五はいつつ、枢は重要という意味があるが、穴名の意義は明らかではない。

GB 28 維道 いどう 部位:下腹部、上前腸骨棘の内下方5分。 取穴:五枢の内下方5分に取る。 五枢に同じ。筋枝:肋間神経・腸骨下腹神経(外腹斜筋・内腹斜筋) 皮枝:腸骨下腹神経(外側皮枝) 血管:浅・深腸骨回旋動脈 主治:腰痛、下腹痛、大腿外側の知覚および運動麻痺。 意義:維はつな、ふとづな、つなぐ、むすぶ、連結する、道はみち。維道とは胆経と帯脈(奇経八脈の一つ)とがつながるところにある穴という意味である。

GB 29 居髎 きょりょう 部位:殿部、上前腸骨棘と大転子頂点の中点。 取穴:維道の外下方で、上前腸骨棘と大転子の頂点との中点に取る。 筋枝:上殿神経(大腿筋膜張筋・中殿筋) 皮枝:上殿皮神経・腸骨下腹神経(外側皮枝) 血管:外側大腿回旋動脈(上行枝)・上殿動脈 主治:維道に同じ。 意義:居はいる、くらいする、いどころ、髎は骨のかどすみ。居髎とは腸骨のかどすみに位置する穴という意味である。

GB 30 環跳 かんちょう "部位:殿部、大転子の頂点と仙骨裂孔を結ぶ線上、大転子頂点から3分の1。

(別泄)部位:大腿部、大転子の頂点と上前腸骨棘の間、大転子頂点から3分の1。

" "取穴:仙骨裂孔(督脈の腰兪)と大転子の頂点とを結ぶ線を3等分し、大転子の頂点から3分の1のところに取る。

(別泄)取穴:上前腸骨棘と大転子の頂点とを結ぶ線を3等分し、大転子の頂点から3分の1のところに取る。

" 補足:環跳は、側臥し、股関節を屈曲すると取穴しやすい。 筋枝:下殿神経(大殿筋) 皮枝:上殿皮神経・下殿皮神経 血管:上殿動脈・下殿動脈 主治:股関節炎やリウマチ、外側大腿皮神経痛、坐骨神経痛、半身不随。 意義:環はめぐる、輪、かこむ、跳ははねる、とぶ、とびあがる。環跳とは跳躍するときに動く大転子の近くにめぐっている穴という意味である。

GB 31 風市 ふうし 部位:大腿部外側、直立して腕を下垂し、手掌を大腿部に付けたとき、中指の先端があたる腸脛靱帯の後方陥凹部。 取穴:直立して上肢を下垂したとき、大腿外側に中指頭があたるところで、腸脛靱帯と大腿二頭筋との間に取る。 筋枝:脛骨神経(大腿二頭筋長頭)、総腓骨神経(大腿二頭筋短頭)、大腿神経(外側広筋) 靱帯:腸脛靱帯 皮枝:外側大腿皮神経 血管:外側大腿回旋動脈(下行枝) 主治:脚気、中風、下肢の神経痛。 意義:本穴は、諸風を治す要穴である。偏枯麻痺、湿痺、中風不語などの症はみなこの穴を取って治し、あたかも諸風の市場のようなので、「風市」と名付けた。ただし、外侵の風にかぎられる。内生の風を治す時には、解熱の穴を兼ね用いるべきである。針の運用は服薬と同じく、その配合によって効果をあらわす。

GB 32 中瀆 ちゅうとく 部位:大腿部外側、腸脛靱帯の後方で、膝窩横紋の上方7寸。 取穴:膝窩横紋の上方7寸で、腸脛靱帯と大腿二頭筋との間に取る。 補足:大転子から膝窩中央までの長さを1尺9寸とする。 風市に同じ。筋枝:脛骨神経(大腿二頭筋長頭)、総腓骨神経(大腿二頭筋短頭)、大腿神経(外側広筋) 靱帯:腸脛靱帯 皮枝:外側大腿皮神経 血管:外側大腿回旋動脈(下行枝) 主治:坐骨神経痛、外側大腿皮神経痛、腰痛、半身不随、脚気。 意義:中はなか、あたる、瀆はみぞ、流れる、通じるみぞ。中瀆とは大腿外側を下る溝(胆経の経脈)の中にある穴という意味である。

GB 33 膝陽関 ひざようかん 部位:膝外側、大腿二頭筋腱と腸脛靱帯の間の陥凹部、大腿骨外側上顆の後上縁。 取穴:中瀆から腸脛靱帯後縁に沿って下がると大腿骨外側上顆に触れ、その後上縁に取る。 筋枝:脛骨神経(大腿二頭筋長頭)、総腓骨神経(大腿二頭筋短頭) 靱帯:腸脛靱帯 皮枝:外側大腿皮神経 血管:外側上膝動脈 主治:膝関節炎やリウマチ、外側大腿皮神経痛、下腹部の冷感。 意義:陽は陽経、そとがわ、関はせき、しきり、かんぬき、ここでは関節部をさす。陽関とは膝関節の外側にある穴という意味である。

GB 34 陽陵泉 ようりょうせん 部位:下腿外側、腓骨頭前下方の陥凹部。 取穴:下腿外側で腓骨頭の前下部、長腓骨筋腱の前縁に取る。 筋枝:浅腓骨神経(長腓骨筋) 皮枝:外側腓腹皮神経 血管:腓骨回旋枝(後脛骨動脈) 要穴:胆経の合土穴、八会穴の筋会、胆の下合穴 主治:筋病の主治穴(すべての筋や腱の疾患)、坐骨神経痛、腓骨神経痛や麻痺、腰痛、膝関節炎やリウマチ、脚気、半身不随、側胸部の疼痛、内臓出血、帯下、顔面麻痺。 意義:陽はそとがわ、陽経、陽病、陵はおか、たかまり、泉はいずみ、湧き出るみなもと。陽陵泉は陰陵泉に対応する穴名で、腓骨頭の高まりの近くにあり、陽病の反応点・治療点であることを意味する。

GB 35 陽交 ようこう 部位:下腿外側、腓骨の後方、外果尖の上方7寸。 取穴:外果尖と膝窩横紋外端とを結ぶ線の中点の下方1寸の高さで、腓骨直後の陥凹部に取る。 補足:外丘と飛揚(膀胱経)との間にあたる。外果尖から膝窩横紋外端までの長さを1尺6寸とする。 筋枝:浅腓骨神経(長腓骨筋)、脛骨神経(ヒラメ筋) 皮枝:外側腓腹皮神経 血管:前脛骨動脈の枝 要穴:陽維脈の郄穴 主治:陽陵泉の補助穴。 意義:陽は陽経、そとがわ、交はまじわる、交叉する。陽交とは下腿外側において胆経と陽維脈とが交叉するところにある穴という意味である。

GB 36 外丘 がいきゅう 部位:下腿外側、腓骨の前方、外果尖の上方7寸。 取穴:外果尖と膝窩横紋外端を結ぶ線上の中点の下方1寸の高さで、腓骨直前の陥凹部に取る。 補足:陽交と下巨虚(胃経)との間にあたる。 筋枝:浅腓骨神経(長腓骨筋) 皮枝:外側腓腹皮神経 血管:前脛骨動脈の枝 要穴:胆経の郄穴 主治:頚項強(項のこわばり)、肋間神経痛、胸膜炎、下肢の関節の疾患。 意義:外はそと、外側、丘はおか、たかまり。外丘とは下腿外側部の丘のように隆起した部にある穴という意味である。

GB 37 光明 こうめい 部位:下腿外側、腓骨の前方、外果尖の上方5寸。 取穴:外果尖の上方5寸で、腓骨の前縁に取る。 筋枝:浅腓骨神経(長腓骨筋・短腓骨筋) 皮枝:外側腓腹皮神経 血管:前脛骨動脈の枝 要穴:胆経の絡穴 主治:浅腓骨神経痛や麻痺。 意義:光はひかり、ひかる、かがやく、明はあきらか、あかるいであるが、穴名の意義ははっきりしていない。

GB 38 陽輔 ようほ 部位:下腿外側、腓骨の前方、外果尖の上方4寸。 取穴:外果尖と膝窩横紋外端とを結ぶ線を4等分し、外果尖から4分の1のところ、腓骨の前縁に取る。 筋枝:浅腓骨神経(短腓骨筋) 皮枝:外側腓腹皮神経・浅腓骨神経 血管:前脛骨動脈の枝 要穴:胆経の経火穴 主治:脚気、足背痛、足関節捻挫、足関節炎やリウマチ。 意義:陽は陽経、そとがわ、輔はおぎなう、車の横木、ささえる、輔骨といえば腓骨のことである。陽輔とは腓骨の陽の部にある穴という意味である。

GB 39 懸鍾 けんしょう 部位:下腿外側、腓骨の前方、外果尖の上方3寸。 取穴:外果尖の上方3寸で、腓骨の前方に取る。 補足:跗陽(膀胱経)の前方にあたる。 陽輔に同じ。筋枝:浅腓骨神経(短腓骨筋) 皮枝:外側腓腹皮神経・浅腓骨神経 血管:前脛骨動脈の枝 要穴:八会穴の髄会 主治:脚気、半身不随、高血圧、動脈硬化症、脊髄炎、胃カタル、鼻出血、痔出血。 意義:懸はかける、ひっかける、鐘はつりがね、つく。懸鐘の穴名の意義は明らかではないが、外果をつり鐘にみたて、その近くにある穴という意味のようである。なお別名を絶骨というが、絶骨は腓骨をさし、その近くにある穴という意味である。

GB 40 丘墟 きゅうきょ 部位:足関節前外側、長指伸筋腱外側の陥凹部、外果尖の前下方。 取穴:抵抗に抗して足の第2指から第5指を伸展させると、長指伸筋腱がはっきり現れ、その外側陥凹中に取る。外果尖の前下方にあたる。 筋枝:深腓骨神経(長指伸筋) 皮枝:浅腓骨神経 血管:外果動脈網 要穴:胆の原穴 主治:足関節捻挫、足関節炎やリウマチ、項強(項のこわばり)、側胸痛、下肢外側の神経痛や麻痺、胆経に起因する胃腸疾患、胸膜炎、咳嗽、胆嚢疾患。 意義:丘はおか、たかまり、墟はあと、うつろ、陥凹部。丘墟とは足背の丘隆部にあって圧迫すると落ち凹むところにある穴という意味である。

GB 41 足臨泣 あしりんきゅう 部位:足背、第4・第5中足骨底接合部の遠位、第5指の長指伸筋腱外側の陥凹部。 取穴:第4・第5中足骨間を指頭で撫で上げたとき、指が止まるところに取る。 筋枝:外側足底神経(第4背側骨間筋) 皮枝:浅腓骨神経 血管:第4背側中足動脈 要穴:胆経の兪木穴、八脈交会穴 主治:足関節捻挫、足背痛、婦人科疾患(月経痛、月経不順、子宮疾患)、胆石症、胸膜炎。 意義:臨泣とは頭の臨泣と同じく眼の疾患を主治する穴という意味である。

GB 42 地五会 ちごえ 部位:足背、第4・第5中足骨間、第4中足指節関節近位の陥凹部。 取穴:第4中足指節関節の後外側陥凹中に取る。 足臨泣に同じ。筋枝:外側足底神経(第4背側骨間筋) 皮枝:浅腓骨神経 血管:第4背側中足動脈 主治:足趾の麻痺、足背痛。 意義:地五会の穴名の意義は明らかではないが、胃経の人迎穴を天五会ともいい、これと対応する穴名とされる。「地」の文字があるところから、おそらく下半身の疾患に用いて効果のある穴であろう。

GB 43 侠渓 きょうけい 部位:足背、第4・第5指間、みずかきの近位、赤白肉際。 取穴:第4・第5中足指節関節間の直前の陥凹部に取る。 筋枝:外側足底神経(第4背側骨間筋) 皮枝:浅腓骨神経 血管:背側指動脈 要穴:胆経の栄水穴 主治:足背痛、足背水腫、眩暈。 意義:侠ははさむ、せまい、谿は細長い谷川、くぼみ、みちすじ。侠谿とは経脈が第4・第5中足指節関節部を谷川のように流れるところにある穴という意味である。

GB 44 足竅陰 あしきょういん 部位:足の第4指、末節骨外側、爪甲角の近位外方1分(指寸)、爪甲外側縁の垂線と爪甲基底部の水平線との交点。 取穴:足の第4指爪根部近位縁に引いた線と、外側縁に引いた線との交点に取る。 皮枝:浅腓骨神経 血管:背側指動脈 要穴:胆経の井金穴 主治:足背痛、耳および眼の疾患。 意義:竅陰とは頭の竅陰と同じく腎疾患を主治する穴という意味である。

足の厥陰肝経 Liver Meridian LR 14穴

経脈流注: "足の厥陰肝経は、足の少陽胆経の脈気を受けて足の第1指外側端に起こり、足背、内果の前、下腿前内側を上り、脾経と交わり、膝窩内側、大腿内側に沿って、陰毛の中に入り、生殖器をめぐって下腹に至り、側腹部を経て、胃をはさんで肝に属し、胆を絡う。さらに、横隔膜を貫き季肋に広がり、食道・気管、喉頭、目系(眼球、視神経)につらなり、額に出て、頭頂部[百会]で督脈と交わる。

目系から分かれた支脈は、頬の裏に下り唇の内側をめぐる。肝から分かれた支脈は、横隔膜を貫いて肺を通って、中焦に至り、手の太陰肺経とつながる。

"

WHO 経穴名 読み 部位 取穴 補足 筋枝 靱帯・腱など 皮枝 血管 要穴 主治 意義

LR 1 大敦 だいとん 部位:足の第1指、末節骨外側、爪甲角の近位外方1分(指寸)、爪甲外側縁の垂線と爪甲基底部の水平線との交点。 取穴:足の第1指爪根部近位縁に引いた線と、外側縁に引いた線との交点に取る。 皮枝:深腓骨神経 血管:背側指動脈 要穴:肝経の井木穴 主治:生殖器における痙攣や激痛、神経性ショックや人事不省の救急療法、小児のひきつけ、遺尿症、眼科疾患。 意義:大はおおきい、重要、井穴、敦はあつい、さかん、大きい、うつ。大敦とは肝経の井穴として脈気が盛んにうつ重要な穴という意味である。

LR 2 行間 こうかん 部位:足背、第1・第2指間、みずかきの近位、赤白肉際。 取穴:第1・第2中足指節関節間の直前の陥凹部に取る。 大敦に同じ。 皮枝:深腓骨神経 血管:背側指動脈 要穴:肝経の栄火穴 主治:のぼせ、足底痛、足の母趾麻痺、生殖器疾患(陰茎痛、月経不順、子宮出血)、精神障害、胸膜炎、肋間神経痛、胆石症、糖尿病。 意義:行はいく、あゆむ、すすむ、流れる、間はあいだ。行間とは肝経が第1・第2中足骨間を流れ行くところにある穴という意 272味である。

LR 3 太衝 たいしょう 部位:足背、第1・第2中足骨間、中足骨底接合部遠位の陥凹部、足背動脈拍動部。 取穴:第1・第2中足骨間を指頭で撫で上げたとき、指が止まるところで、足背動脈の拍動部に取る。 筋枝:外側足底神経(第1背側骨間筋) 皮枝:深腓骨神経 血管:足背動脈 要穴:肝の原穴、肝経の兪土穴 主治:肝臓疾患の特効穴(肝炎、肝臓肥大、肝硬変)、生殖器疾患(精巣炎、子宮出血、これらの慢性症による腰痛、下腹部や側腹部のひきつり)、消化器疾患(腸疝痛、腸炎)、胸膜炎、肋間神経痛、眼科疾患、足背の神経痛や麻痺。 意義:太はふとい、重要、原穴・兪穴を意味し、衝はつく、つきあげる、うつ、拍動部。太衝とは肝経の原穴・兪穴として第1・第2中足骨底の間の動脈拍動部にある重要な反応点・治療点という意味である。

LR 4 中封 ちゅうほう 部位:足関節前内側、前脛骨筋腱内側の陥凹部、内果尖の前方。 取穴:内果尖の前方で、前脛骨筋腱の内側陥凹中に取る。 補足:解渓(胃経)と商丘(脾経)との間にあたる。 筋枝:深腓骨神経(前脛骨筋) 皮枝:伏在神経 血管:前内果動脈 要穴:肝経の経金穴 主治:足関節炎やリウマチ、下肢の冷感、下肢の麻痺、泌尿器疾患(尿道炎、膀胱炎など)、生殖器疾患(精巣炎、精力減退)。 意義:中はなか、あたる、封はとじる、ふさぐ、ふうじる。中封とは肝経の病変で経気がふさがるとき、これに治療して効果の上がる穴という意味である。

LR 5 蠡溝 れいこう 部位:下腿前内側、脛骨内側面の中央、内果尖の上方5寸。 取穴:内果尖と膝蓋骨尖とを結ぶ線を3等分し、内果尖から3分の1のところ、脛骨の前縁と内側縁との中間に取る。 補足:内果尖から膝蓋骨尖までの長さを1尺5寸とする。 皮枝:伏在神経 血管:下行膝動脈の枝 要穴:肝経の絡穴 主治:精巣炎、月経不順、帯下(生殖器疾患)。 意義:蠡はつつきあう、木の新芽を食う虫、むしばむ、溝はみぞ。蠡溝とは肝経の経脈が流通するところであり、病変の現れるところにある穴という意味である。

LR 6 中都 ちゅうと 部位:下腿前内側、脛骨内側面の中央、内果尖の上方7寸。 取穴:内果尖と膝蓋骨尖とを結ぶ線の中点の下方5分で、脛骨の前縁と内側縁との中間に取る。 蠡溝に同じ。 皮枝:伏在神経 血管:下行膝動脈の枝 要穴:肝経の郄穴 主治:生殖器疾患(陰嚢水腫、下腹痛、子宮出血、産後出血)、てんかん。 意義:中はなか、あたる、都はみやこ、君主のいるところ、集まる。中都とは肝経の・穴として経気が深くよく集まり、これを治療することができる穴という意味である。

LR 7 膝関 しつかん 部位:下腿脛骨面、脛骨内側顆の下方、陰陵泉の後方1寸。 取穴:陰陵泉(脾経)の後方1寸で、脛骨内側顆の下方に取る。 筋枝:閉鎖神経(薄筋)、脛骨神経(半腱様筋) 皮枝:伏在神経 血管:内側下膝動脈・下行膝動脈(伏在枝) 主治:膝関節炎やリウマチ。 意義:膝は膝関節、関はせき、しきり、かんぬき。膝関とは膝関節部にあって膝関節疾患を主治する穴という意味である。

LR 8 曲泉 きょくせん 部位:膝内側、半腱・半膜様筋腱内側の陥凹部、膝窩横紋の内側端。 取穴:膝関節を屈曲し、膝窩横紋の内端で最も明らかに触れる腱の内側陥凹中に取る。 筋枝:閉鎖神経(薄筋)、脛骨神経(半腱様筋・半膜様筋) 皮枝:伏在神経 血管:内側下膝動脈・下行膝動脈(伏在枝) 要穴:肝経の合水穴 主治:膝関節炎やリウマチの特効穴、生殖器疾患(陰嚢水腫、尿道炎、遺精症、子宮疾患)、泌尿器疾患(尿道炎や膀胱炎による尿意頻数と尿道痛、尿閉)、肝虚証による視力減退、眩暈、神経衰弱、大腿神経痛。 意義:曲はまがる、ここでは膝関節部をさし、泉はいずみ、地中から湧き出る水、みなもと。曲泉とは膝関節部にあって合穴として脈気がよく反応し、治療点となる穴という意味である。

LR 9 陰包 いんぽう 部位:大腿部内側、薄筋と縫工筋の間、膝蓋骨底の上方4寸。 取穴:曲泉の上方、膝蓋骨底上方4寸の高さで、薄筋と縫工筋との間に取る。 補足:股関節をやや屈曲・外転・外旋させ、筋を緊張させると、縫工筋がより明確になる。膝蓋骨上縁から恥骨結合上縁までの長さを1尺8寸とする。 筋枝:大腿神経(縫工筋)、閉鎖神経(薄筋) 皮枝:閉鎖神経 血管:下行膝動脈(大腿動脈の枝) 主治:月経不順、腎臓や膀胱の疾患による排尿困難、腰痛、下腹痛、閉鎖神経痛、膝関節痛、足根痛。 意義:陰は陰経、ここでは特に生殖器を意味し、包はつつむ。陰包とは肝経が生殖器を支配し生殖器疾患に用いられる穴という意味である。

LR 10 足五里 あしごり 部位:大腿部内側、気衝の下方3寸、動脈拍動部。 取穴:大腿内側の上部で気衝(胃経)の下方3寸、動脈拍動部に取る。 筋枝:大腿神経(恥骨筋)、閉鎖神経(長内転筋) 皮枝:陰部大腿神経 血管:大腿動脈 主治:閉鎖神経痛、中風、泌尿生殖器疾患。 意義:五里の穴名の意義は明らかではない。

LR 11 陰廉 いんれん 部位:大腿部内側、気衝の下方2寸。 取穴:大腿内側の上部で気衝(胃経)の外下方2寸に取る。 補足:長内転筋の外方にある。 筋枝:大腿神経(恥骨筋) 皮枝:陰部大腿神経 血管:大腿動脈 主治:閉鎖神経痛、精索神経痛、精巣炎、泌尿生殖器疾患。 意義:陰は陰部、廉はかど、すみ。陰廉とは陰部のかどぎわにあり、生殖器疾患を主治する穴という意味である。

LR 12 急脈 きゅうみゃく 部位:鼡径部、恥骨結合上縁と同じ高さ、前正中線の外方2寸5分。 取穴:曲骨(任脈)の外方2寸5分に取る。 筋枝:肋間神経・腸骨下腹神経(外腹斜筋)、肋間神経・腸骨下腹神経・腸骨鼡径神経(内腹斜筋)、(男子)陰部大腿神経(精巣挙筋) 皮枝:腸骨下腹神経(前皮枝)・腸骨鼡径神経 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 主治:生殖器疾患(精巣炎、陰萎症、陰茎痛、大陰唇炎など)、大腿内側痛。 意義:陰廉は、側の意であり、隅であり、又辺際である。そこには、羊腸のような筋核があり、その筋核の下方に本穴があって、婦人の不妊症に灸をすえて治すことができる。月経不順、腿股痛にもこの穴を取る。《銅人》には「針八分」と示している。急脈と陰廉は同一の穴底であるとされているが、実は一つの穴位である。急脈は筋核の上方にあり、陰廉は筋核の下方にあるというので、後世の人が強いて分けただけの話である。核の下に脈があって、それがすべり動くので「急脈」と名付けられた。これはすなわち、厥陰の大絡で、睾丸の系帯である。タイを治療するには灸をすえ針刺は禁ずる。

LR 13 章門 しょうもん 部位:側腹部、第11肋骨端下縁。 取穴:側臥して、第11肋骨前端の下縁に取る。 筋枝:肋間神経(外腹斜筋・内腹斜筋) 皮枝:肋間神経(外側皮枝) 血管:肋間動脈 要穴:脾の募穴、八会穴の臓会 主治:肝臓疾患(肝炎、肝臓肥大)、胃腸疾患(嘔吐、消化不良、食欲不振、胃痙攣、腸雷鳴、腸疝痛)、腹水や腹膜炎、半身不随、肋間神経痛、腰痛。 意義:章はいろどり、あや、ひとくぎり、あきらか、門は出入口。章門とは脾経の募穴として病邪が出入りするところにあり、反応点・治療点として効果が現れる穴という意味である。

LR 14 期門 きもん 部位:前胸部、第6肋間、前正中線の外方4寸。 取穴:乳頭中央の下方で、乳根(胃経)の1肋間下に取る。 補足:巨闕(任脈)の外方4寸にあたる。女性では鎖骨中線と第6肋間の交点に取る。 筋枝:内側・外側胸筋神経(大胸筋) 皮枝:肋間神経(前皮枝・外側皮枝) 血管:肋間動脈・胸肩峰動脈 要穴:肝の募穴 主治:肝臓疾患の特効穴(肝臓肥大、肝硬変)、胆石症、胸膜炎、肋間神経痛、肺炎や気管支炎による激しい咳嗽、婦人科疾患(月経不順、子宮内膜炎)、吃逆、神経衰弱。 意義:期は時を定める、めあてをつける、待ちうける、門は出入口。期門とは肝経の募穴として病邪が出入りするところにあり、その反応点・治療点として効果が現れる穴という意味である。

督脈 Governor Vessel GV 28穴

経脈流注: 督脈は、胞中(小骨盤腔)に起こり、会陰部に出て、後正中線上を尾骨先端から腰部、背部、後頚部と上り、外後頭隆起直下[風府]に至り脳に入る。さらに頭部正中を通り、頭頂部[百会]に上り、顔面部正中を経て、上歯齦、上唇小帯の接合部[齦交]に終わる。陽脈の海と呼ぶ。

WHO 経穴名 読み 部位 取穴 補足 筋枝 靱帯・腱など 皮枝 血管 要穴 主治 意義

GV 1 長強 ちょうきょう 部位:会陰部、尾骨の下方、尾骨端と肛門の中央。 取穴:伏臥位あるいは膝胸位にし、尾骨下端の下方で肛門との間に取る。 筋枝:陰部神経(下直腸神経)(外肛門括約筋) 靱帯:肛門尾骨靱帯 皮枝:陰部神経(下直腸神経) 血管:内陰部動脈(下直腸動脈) 要穴:督脈の絡穴 主治:肛門疾患の特効穴(痔核、痔瘻、脱肛など)。 "意義:長はながい、育つ、養う、盛ん、強はつよい、すこやか、心身の力が強いの意味。長強とは陽の気を長じ(心身を養い)強壮にする穴という意味である。

"

GV 2 腰兪 ようゆ 部位:仙骨部、後正中線上、仙骨裂孔。 取穴:殿裂の直上に仙骨裂孔を触れ、その陥凹中に取る。 靱帯:浅後仙尾靱帯 皮枝:仙骨神経後枝 血管:下殿動脈 主治:腰痛、腰部諸筋の強直、腰部冷感、痔疾、膀胱麻痺。 意義:腰は腰部、兪はそそぐ、治す、運ぶ。腰兪とは腰部の疾患を治す穴という意味である。

GV 3 腰陽関 こしようかん 部位:腰部、後正中線上、第4腰椎棘突起下方の陥凹部。 取穴:第4・第5腰椎棘突起間に取る。 補足:左右の腸骨稜最高点を結ぶ線(ヤコビー線)と脊柱との交点が第4腰椎棘突起にあたる。 筋枝:腰神経後枝(棘間筋) 靱帯:棘上靱帯・棘間靱帯 皮枝:腰神経後枝 血管:腰動脈背枝 主治:腰痛、下肢の神経痛やリウマチ、関節炎や関節痛、腰部および下腹部の冷感、腰髄麻痺、遺尿症、尿意頻数、膀胱炎、膀胱麻痺、便秘。 意義:陽は陽経、関はせき、しきり、かんぬき、出入りするところ。陽関とは陽経の脈気が出入りし、これを治すところという意味である。

GV 4 命門 めいもん 部位:腰部、後正中線上、第2腰椎棘突起下方の陥凹部。 取穴:第2・第3腰椎棘突起間に取る。 補足:左右の第12肋骨先端を結ぶ線と脊柱との交点が第2腰椎棘突起にあたる。 腰陽関に同じ。筋枝:腰神経後枝(棘間筋) 靱帯:棘上靱帯・棘間靱帯 皮枝:腰神経後枝 血管:腰動脈背枝 主治:腰痛、腰椎カリエス、精力減退、婦人科疾患(特に子宮出血)、すべての出血(鼻出血、腸出血、痔出血など)、坐骨神経痛。 意義:命はいのち、生命力、ここでは両腎の間にあって先天の原気の宿るところ、門は出入口。命門とは生命力の出入りするところで、腎と密接な関係にある穴という意味である。

GV 5 懸枢 けんすう 部位:腰部、後正中線上、第1腰椎棘突起下方の陥凹部。 取穴:第1・第2腰椎棘突起間に取る。 腰陽関に同じ。筋枝:腰神経後枝(棘間筋) 靱帯:棘上靱帯・棘間靱帯 皮枝:腰神経後枝 血管:腰動脈背枝 主治:腰痛、腰椎カリエス、胃腸疾患(嘔吐、消化不良、胃炎、腸炎、下痢)、坐骨神経痛。 意義:懸はかける、ひっかける、枢は重要。懸枢とは重要なところにかかる穴で、ここでは三焦と密接な関係のある穴という意味である。

GV 6 脊中 せきちゅう 部位:上背部、後正中線上、第11胸椎棘突起下方の陥凹部。 取穴:第11・第12胸椎棘突起間に取る。 補足:第2腰椎棘突起を定め、これを基準にする。 靱帯:棘上靱帯・棘間靱帯 皮枝:胸神経後枝 血管:肋間動脈背枝 主治:脊髄炎、脊椎カリエス。 意義:脊中とは背骨の中央にある穴という意味である。

GV 7 中枢 ちゅうすう 部位:上背部、後正中線上、第10胸椎棘突起下方の陥凹部。 取穴:第10・第11胸椎棘突起間に取る。 補足:左右の肩甲骨下角を結ぶ線と脊柱との交点が第7胸椎棘突起にあたり、これを基準にする。 脊中に同じ。 靱帯:棘上靱帯・棘間靱帯 皮枝:胸神経後枝 血管:肋間動脈背枝 主治:食道痙攣、背部痛、肋間神経痛、小児疳虫症。 "意義:本穴は、十一番目の椎骨の上にあり、また椎骨の中部の枢軸にあたる。多くの古書には記載されておらず、後世の人が書き足したものである。穴名の由来は背中や懸枢と大体同じく、その効もほぼ同じである。おそらく背中の「中」と懸枢の「枢」を取って「中枢」と命名したのであろう。

"

GV 8 筋縮 きんしゅく 部位:上背部、後正中線上、第9胸椎棘突起下方の陥凹部。 取穴:第9・第10胸椎棘突起間に取る。 補足:第7胸椎棘突起を定め、これを基準にする。 脊中に同じ。 靱帯:棘上靱帯・棘間靱帯 皮枝:胸神経後枝 血管:肋間動脈背枝 主治:背部痛、麻痺性疾患(中風、小児麻痺、顔面神経麻痺)、てんかん、ヒステリー。 意義:筋はすじ、筋肉、五臓色体表の五主で肝に属し、縮はちぢむ、治める。筋縮とは筋肉の縮まるところ、筋の弛緩をひきしめ、肝と関係ある穴という意味である。

GV 9 至陽 しよう 部位:上背部、後正中線上、第7胸椎棘突起下方の陥凹部。 取穴:第7・第8胸椎棘突起間に取る。 補足:左右の肩甲骨下角を結ぶ線と脊柱との交点が第7胸椎棘突起にあたる。 脊中に同じ。 靱帯:棘上靱帯・棘間靱帯 皮枝:胸神経後枝 血管:肋間動脈背枝 主治:腎の熱をつかさどる。腎炎、胃疾患(食欲不振、胃酸過多症、胃アトニー)、背部痛。 意義:至陽とは陽にいくところ、本穴より上を人身の陽の部といい、その陽と関係のある穴という意味である。

GV 10 霊台 れいだい 部位:上背部、後正中線上、第6胸椎棘突起下方の陥凹部。 取穴:第6・第7胸椎棘突起間に取る。 補足:第7胸椎棘突起を定め、これを基準にする。 脊中に同じ。 靱帯:棘上靱帯・棘間靱帯 皮枝:胸神経後枝 血管:肋間動脈背枝 主治:脾の熱をつかさどる。喘息、咳嗽、背部痛。 意義:霊はたましい、神のみたま、不思議なもの、ここでは心臓をさし、台は上にものを乗せてささえるもの、物事のもととなるもの。霊台とは心臓を乗せるところという意味で、心臓と関係ある穴である。

GV 11 神道 しんどう 部位:上背部、後正中線上、第5胸椎棘突起下方の陥凹部。 取穴:第5・第6胸椎棘突起間に取る。 補足:第7胸椎棘突起を定め、これを基準にする。 脊中に同じ。 靱帯:棘上靭帯・棘間靭帯 皮枝:胸神経後枝 血管:肋間動脈背枝 主治:肝の熱をつかさどる。機能的疾患(神経衰弱、ヒステリー、てんかん、健忘症、小児のひきつけ等)、心悸亢進症。 意義:神は天の神、精神、こころ、五臓色体表の五精で心に属し、 53

GV 12 身柱 しんちゅう 部位:上背部、後正中線上、第3胸椎棘突起下方の陥凹部。 取穴:第3・第4胸椎棘突起間に取る。 補足:左右の肩甲棘内端を結ぶ線と脊柱との交点が第3胸椎棘突起にあたる。 脊中に同じ。 靱帯:棘上靱帯・棘間靱帯 皮枝:胸神経後枝 血管:肋間動脈背枝 主治:小児科疾患の特効穴(疳虫症、吐乳症、腺病質、百日咳、消化不良、てんかん等)、神経系疾患(神経衰弱、ヒステリー、精神病、脊髄炎、脳溢血、小児麻痺、顔面神経麻痺)、呼吸器疾患(感冒、咳嗽、咽喉カタル、気管支カタル、喘息、肺結核、胸膜炎)、疲労回復、肩背痛。 意義:身はからだ、木の幹、柱ははしら。身柱とは人身の支柱となる大切なところにある穴という意味である。

GV 13 陶道 とうどう 部位:上背部、後正中線上、第1胸椎棘突起下方の陥凹部。 取穴:第1・第2胸椎棘突起間に取る。 補足:第7頚椎棘突起を定め、これを基準にする。 脊中に同じ。 靱帯:棘上靱帯・棘間靱帯 皮枝:胸神経後枝 血管:肋間動脈背枝 主治:感冒(鍼が良い)、脳神経系疾患による頭重、頭痛、眩暈、項強。 意義:陶はやきもの、ひらく、喜ぶ、やしなう、道はみち。陶道とは道を開く、すなわち陽の脈の海(督脈のこと)として陽気の運行を発揚するところという意味である。陽気がうっ積して起こる病に効果のある穴である。

GV 14 大椎 だいつい 部位:後頚部、後正中線上、第7頚椎棘突起下方の陥凹部。 取穴:第7頚椎・第1胸椎棘突起間に取る。 補足:後頚部で最も突出しているのが第7頚椎棘突起にあたる。頚部を軽く前屈し頭部を回旋すると、第7頚椎の回旋を触れる。 筋枝:頚神経後枝(棘間筋) 靱帯:棘上靭帯・棘間靭帯 皮枝:頚神経後枝 血管:頚横動脈上行枝 主治:頚項強(項のこわばり)、頭痛、鼻出血、鼻カタルや扁桃炎の発熱、肺結核。 意義:大は大きい、大切、椎は椎骨。大椎とは大きな椎骨という意味で第7頚椎(隆椎)をさす。またすべての陽経と交わり、陽病に用いる重要な穴という意味である。

GV 15 瘂門 あもん 部位:後頚部、後正中線上、第2頚椎棘突起上方の陥凹部。 取穴:項窩のほぼ中央で後髪際の上方、風府の下方5分に取る。 筋枝:頚神経後枝(棘間筋) 靱帯:項靱帯 皮枝:頚神経後枝 血管:頚横動脈上行枝 主治:脳炎、脳溢血、高血圧などによる言語障害の特効穴、頚項強(項のこわばり)。 意義:瘂は言語を発し得ない病、門は出入口。瘂門とは言語障害を主治する穴であり、また深部に延髄があるため、注意を要する穴という意味がある。

GV 16 風府 ふうふ 部位:後頚部、後正中線上、外後頭隆起の直下、左右の僧帽筋間の陥凹部。 取穴:頚部を軽く後屈させて僧帽筋の緊張を緩め、後髪際中央から後頭骨に向かって撫で上げたとき、指が止まるところに取る。 靱帯:項靱帯 皮枝:大後頭神経 血管:後頭動脈・頚横動脈上行枝 主治:風邪の主治穴、鼻疾患(鼻出血、蓄膿症、鼻カタル、肥厚性鼻炎)、脳充血、脳溢血、高血圧、頭痛、神経衰弱、言語障害。 意義:風はかぜ、風邪、中風、府は人やものが集まるところ、反応点。風府とは風邪の集まるところという意味である。

GV 17 脳戸 のうこ 部位:頭部、外後頭隆起上方の陥凹部。 取穴:後正中線上で、外後頭隆起の上方の陥凹中に取る。 補足:脳空(胆経)と同じ高さにあたる。 筋枝:顔面神経(後頭筋) 皮枝:大後頭神経 血管:後頭動脈 主治:脳充血、後頭神経痛、顔面部の痛み。 意義:脳戸とは脳の出入口、すなわち脳疾患の反応点・治療点という意味である。

GV 18 強間 きょうかん 部位:頭部、後正中線上、後髪際の上方4寸。 取穴:脳戸の上方1寸5分、脳戸と百会とを結ぶ線を3等分し、脳戸から3分の1のところに取る。 補足:小児では小泉門部にあたる。 腱:帽状腱膜 皮枝:大後頭神経 血管:後頭動脈 主治:頭痛、脳充血、高血圧、てんかん。 意義:強はつよい、体力や気力が強い、強くする、間はあいだ、安んずる、転じていやす。強間とは脳をすこやかにする穴という意味である。また強間の間をてんかんと考えれば、てんかんや精神病などの主治穴ともいえる。

GV 19 後頂 ごちょう 部位:頭部、後正中線上、後髪際の上方5寸5分。 取穴:脳戸の上方3寸、脳戸と百会とを結ぶ線を3等分し、百会から3分の1のところに取る。 強間に同じ。 腱:帽状腱膜 皮枝:大後頭神経 血管:後頭動脈 主治:頭痛、眩暈、脳充血。 意義:後はうしろ、頂はいただき、頭頂骨。後頂とは前頂に対応する穴名で、頭頂部の百会の後ろにある穴という意味である。

GV 20 百会 ひゃくえ 部位:頭部、前正中線上、前髪際の後方5寸。 取穴:左右の耳介を前に折り、その上角(耳尖)を結ぶ線の中点に取る。 補足:前髪際と後髪際とを結ぶ線の中点の前方1寸にあたる。 腱:帽状腱膜 皮枝:大後頭神経・眼神経(三叉神経第1枝) 血管:眼窩上動脈・浅側頭動脈・後頭動脈 主治:すべての脳疾患の特効穴(脳充血、脳溢血、高血圧、神経衰弱、てんかん、不眠症、健忘症、精神病、頭痛など)、鼻疾患(蓄膿症、肥厚性鼻炎など)、肛門疾患(痔疾、脱肛)。 意義:百は百回、多い、十分、会はあう、合する、交わる。百会とは百脈すなわち多くの経脈が集まり合うところという意味であり、人身の陽気を整えるのに重要な穴である。

GV 21 前頂 ぜんちょう 部位:頭部、前正中線上、前髪際の後方3寸5分。 取穴:百会の前方1寸5分、百会と神庭とを結ぶ線を3等分し、百会から3分の1のところに取る。 腱:帽状腱膜 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝) 血管:眼窩上動脈 主治:百会の補助穴。 意義:前はまえ、頂はいただき、頭頂骨。前頂とは後頂に対応する穴名で、頭頂部の百会の前にある穴という意味である。

GV 22 顖会 しんえ 部位:頭部、前正中線上、前髪際の後方2寸。 取穴:百会の前方3寸、百会と神庭とを結ぶ線を3等分し、神庭から3分の1のところに取る。 補足:小児では大泉門部にあたる 筋枝:顔面神経(側頭枝・頬骨肢)(前頭筋) 腱:帽状腱膜 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝) 血管:眼窩上動脈 主治:神経衰弱、不眠症、高血圧、頭痛、肥厚性鼻炎、蓄膿症。 意義:顖はいただき、頭蓋骨にかたどってできた文字、会はあう、合する、交わる。顖会とは頭蓋部で大泉門部にあたるところにある穴という意味である。

GV 23 上星 じょうせい 部位:頭部、前正中線上、前髪際の後方1寸。 取穴:顖会の前方で前髪際との中点に取る。 筋枝:顔面神経(側頭枝・頬骨肢)(前頭筋) 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝) 血管:滑車上動脈・眼窩上動脈 主治:眼科疾患、鼻疾患(肥厚性鼻炎、鼻たけなど)、眼窩上神経痛、精神病。 意義:上はうえ、かしら、星はほし、小さい点。上星とは頭部にある重要な点という意味である。

GV 24 神庭 しんてい 部位:頭部、前正中線上、前髪際の後方5分。 取穴:前髪際がはっきりしない場合は、眉間の中点の上方3寸5分に取る。 補足:前髪際の後方5分には前正中線から、神庭、眉衝(膀胱経)、曲差(膀胱経)、頭臨泣(胆経)、本神(胆経)、頭維(胃経)が並ぶ。 上星に同じ。筋枝:顔面神経(側頭枝・頬骨肢)(前頭筋) 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝) 血管:滑車上動脈・眼窩上動脈 主治:顖会に同じ。 意義:神はかみ、精神、こころ、庭はにわ。神庭とは精神病を主治する穴という意味である。

GV 25 素髎 そりょう 部位:顔面部、鼻の尖端。 取穴:鼻尖の中央で、指頭で押すと特にくぼむところに取る。 皮枝:眼神経(三叉神経第1枝) 血管:顔面動脈・鼻背動脈 主治:鼻出血。 意義:素はもと、白糸、ありのまま、髎はかどすみ。素髎とは鼻尖部にある穴という意味である。

GV 26 水溝 すいこう "部位:顔面部、人中溝の中点。

(別説)部位:顔面部、人中溝の上から3分の1。

" "取穴:前正中線上で、鼻中隔直下と上唇結節上縁との中点に取る。

(別説)取穴:鼻中隔直下から上唇に向かって3分の1のところに取る。

" 筋枝:顔面神経(頬骨肢・下顎縁枝)(口輪筋) 皮枝:上顎神経(三叉神経第2枝) 血管:上唇動脈 主治:気付けに用いる(脳充血、脳溢血、ヒステリー、てんかん、溺死などによる人事不省)。 意義:水溝とは水の溝すなわち鼻水の流れる溝(人中)にある穴という意味である。

GV 27 兌端 だたん 部位:顔面部、上唇結節上縁の中点。 取穴:上唇の中央で皮膚と粘膜との移行部に取る。 水溝に同じ。筋枝:顔面神経(頬骨肢・下顎縁枝)(口輪筋) 皮枝:上顎神経(三叉神経第2枝) 血管:上唇動脈 主治:顔面神経麻痺。 意義:兌はかえる、とりかえる、なめらか、移行部、端ははし。兌端とは上唇中央先端で皮膚と粘膜との移行部にある穴という意味である。

GV 28 齦交 ぎんこう 部位:顔面部、上歯齦、上唇小帯の接合部。 取穴:上唇を上げ、上唇小帯と歯齦との移行部に取る。 ヒダ:上唇小帯 皮枝:上顎神経(三叉神経第2枝) 血管:前上歯槽動脈 主治:あまり用いない。 意義:齦ははぐき、交はまじわる。齦交とは歯肉部にあって任脈、督脈および胃経の交わるところにある穴という意味である。

任脈 Conception Vessel CV 24穴

経脈流注: 任脈は、胞中(小骨盤腔)に起こり、会陰部に出て、腹部、胸部および前頚部の正中線を上り、喉に至り、下顎の正中から下歯齦に至り、顔面をめぐって目に入る。陰脈の海と呼ぶ。

WHO 経穴名 読み 部位 取穴 補足 筋枝 靱帯・ 皮枝 血管 要穴 主治 意義

CV 1 会陰 えいん 部位:会陰部、男性は陰嚢根部と肛門を結ぶ線の中点、女性は後陰唇交連と肛門を結ぶ線の中点 取穴:側臥位あるいは膝胸位にし、男性は肛門と陰嚢との間に、女性は肛門と後陰唇交連との間に取る。 筋枝:陰部神経(外肛門括約筋) 腱:会陰腱中心 皮枝:後大腿皮神経(会陰枝)・陰部神経(下直腸神経・会陰神経) 血管:内陰部動脈 主治:慢性肛門疾患、陰部の疼痛。 意義:会陰とは会陰部にある穴という意味である。

CV 2 曲骨 きょっこつ 部位:下腹部、前正中線上、恥骨結合上縁 取穴:恥骨結合上縁の中点に取る。 補足:神闕から曲骨までの長さを5寸とする。 靱帯:白線 皮枝:腸骨下腹神経(前皮枝)・腸骨鼡径神経 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 主治:泌尿器疾患(尿道炎、膀胱炎、膀胱麻痺、遺尿症、尿閉)、生殖器疾患(下腹部痛、帯下、産後悪露)。 意義:曲骨は現今の恥骨にあたり、その近くにある穴という意味である。

CV 3 中極 ちゅうきょく 部位:下腹部、前正中線上、臍中央の下方4寸。 取穴:神闕の下方4寸、曲骨の上方1寸に取る。 靱帯:白線 皮枝:腸骨下腹神経(前皮枝) 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 要穴:膀胱の募穴 主治:泌尿器、特に膀胱疾患の特効穴(膀胱炎、膀胱結核、膀胱麻痺、尿道カタル、夜尿症)、生殖器疾患(前立腺炎、陰萎症、遺精症、子宮内膜炎、帯下、月経不順、月経痛、不妊症、下腹部の冷感や緊張感など)、坐骨神経痛、下肢のリウマチ、腹膜炎。 意義:中はなか、あたる、極はきわめる、最上位、転じて重要、ここでは下腹部が重要器官を入れているので極という。中極とは重要器官の反応点・治療点にある穴という意味である。

CV 4 関元 かんげん 部位:下腹部、前正中線上、臍中央の下方3寸。 取穴:神闕と曲骨とを結ぶ線の中点の下方5分に取る。 靱帯:白線 皮枝:肋間神経(前皮枝)・腸骨下腹神経(前皮枝) 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 要穴:小腸の募穴 主治:消化器、特に小腸疾患の特効穴(消化不良、腸カタル、腸出血)、生殖器疾患(精巣炎、遺精症、子宮疾患、不妊症、月経不順、月経痛)、泌尿器疾患(尿閉、尿意頻数、夜尿症)、肛門疾患、腹膜炎、下肢のリウマチ。 意義:関はせき、しきり、かんぬき、重要、元は人が集まるもと、はじめ、大きい。関元とは先天の原気と後天の原気とが集まる重要な穴という意味である。

CV 5 石門 せきもん 部位:下腹部、前正中線上、臍中央の下方2寸。 取穴:神闕と曲骨とを結ぶ線の中点の上方5分に取る。 靱帯:白線 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 要穴:三焦の募穴 主治:関元に同じ。 意義:石はいし、いわ、石ぶみなど、硬いものの形容、門は出入口。石門とは硬結や腫瘤、・血塊などを主治する穴という意味である。

CV 6 気海 きかい 部位:下腹部、前正中線上、臍中央の下方1寸5分。 取穴:神闕の下方1寸5分に取る。 石門に同じ。 靱帯:白線 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 主治:腸疾患(腸カタル、腸疝痛、腸出血、虫垂炎)、機能的疾患(ヒステリー、精神病)、泌尿器疾患、生殖器疾患(夢精、陰萎症、子宮筋腫、月経不順)、腹膜炎、腰痛、下肢の冷感。 意義:気は精気、エネルギー、水蒸気、海はうみ、広くて大きい、集まる。気海とは原気の集まるところにある穴という意味である。

CV 7 陰交 いんこう 部位:下腹部、前正中線上、臍中央の下方1寸。 取穴:神闕の下方1寸に取る。 石門に同じ。 靱帯:白線 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈 主治:気海に同じ。 意義:陰はかげ、陰経、交はまじわる。陰交とは任脈、少陰腎経、衝脈(奇経)の3経が交わるところにある穴という意味である。

CV 8 神闕 しんけつ 部位:上腹部、臍の中央。 取穴:臍の中央に取る。 補足:中庭から神闕までの長さを8寸とする。 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:浅腹壁動脈・下腹壁動脈・上腹壁動脈 主治:消化器疾患(食欲不振、消化不良、胃アトニー、腸カタル、脱肛)、婦人科疾患(子宮脱、流産癖等)、夏負け、全身倦怠。 意義:神はかみ、精神、こころ、闕は門、宮城門、かける。神闕とは心臓に宿る精神の出入りするところにある穴という意味である。

CV 9 水分 すいぶん 部位:上腹部、前正中線上、臍中央の上方1寸。 取穴:神闕の上方1寸に取る。 靱帯:白線 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:上腹壁動脈 主治:胃疾患(特に胃下垂や胃アトニーなどの胃内停水)、腎炎、小便不利、遺尿症、下痢、腹膜炎、腹水。 意義:水分とは水の清濁を分けるところにある穴という意味であり、不要の水分はここから膀胱へ送られ、不要の残渣はここから大腸へ送られる。

CV 10 下脘 げかん 部位:上腹部、前正中線上、臍中央の上方2寸。 取穴:中庭と神闕とを結ぶ線を4等分し、神闕から4分の1のところに取る。 水分に同じ。 靱帯:白線 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:上腹壁動脈 主治:胃疾患(胃下垂症、胃拡張、胃痙攣)、腎臓疾患。 意義:下はした、脘は胃袋、油。下脘とは上脘・中脘に対応する穴名で、胃の下部(幽門部)にある胃疾患を主治する穴という意味である。

CV 11 建里 けんり 部位:上腹部、前正中線上、臍中央の上方3寸。 取穴:中脘を取り、その下方1寸に取る。 水分に同じ。 靱帯:白線 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:上腹壁動脈 主治:下脘に同じ。 意義:建はたてる、たつ、おこる、里はさと、道のり。建里とは胃に次ぐ小腸の起始部にある穴という意味である。

CV 12 中脘 ちゅうかん 部位:上腹部、前正中線上、臍中央の上方4寸。 取穴:中庭と神闕とを結ぶ線の中点に取る。 水分に同じ。 靱帯:白線 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:上腹壁動脈 要穴:胃の募穴、八会穴の腑会 主治:すべての胃疾患の特効穴、腸カタル、腸疝痛、子宮や内臓の位置異常、悪阻、神経衰弱、不眠症、消化器障害を伴う呼吸器疾患。 意義:中はなか、脘は胃袋、油。中脘とは下脘・上脘に対応する穴名で、胃の中央部にある胃疾患の反応点・治療点として重要な穴という意味である。

CV 13 上脘 じょうかん 部位:上腹部、前正中線上、臍中央の上方5寸。 取穴:中脘を取り、その上方1寸に取る。 水分に同じ。 靱帯:白線 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:上腹壁動脈 主治:中脘の補助穴。 意義:上はうえ、脘は胃袋、油。上脘とは下脘・中脘に対応する穴名で、胃の上部(噴門部)にある胃疾患を主治する穴という意味である。

CV 14 巨闕 こけつ 部位:上腹部、前正中線上、臍中央の上方6寸。 取穴:中庭と神闕とを結ぶ線を4等分し、中庭から4分の1のところに取る。 水分に同じ。 靱帯:白線 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:上腹壁動脈 要穴:心の募穴 主治:心臓疾患の特効穴(心臓部の疼痛、心悸亢進症、心臓弁膜症、狭心症など)、胃疾患(胃痙攣、胃酸過多症、胃拡張、嘔吐)、喘息、咳嗽、上下肢の神経痛やリウマチ、腰痛。 意義:巨は大きい、重要、闕は門、宮城門、かける。巨闕とは少陰心経の募穴として心臓の正気が出入りするところ、すなわち心臓疾患の反応点・治療点となる穴という意味である。

CV 15 鳩尾 きゅうび 部位:上腹部、前正中線上、胸骨体下端の下方1寸。 取穴:中庭の下方1寸に取る。 水分に同じ。 靱帯:白線 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:上腹壁動脈 要穴:任脈の絡穴 主治:心臓痛、心臓神経症、喘息、気管支炎、神経衰弱、しゃっくり、嘔吐。 意義:鳩尾は現今の胸骨剣状突起をさし、その近くにある穴という意味である。

CV 16 中庭 ちゅうてい 部位:前胸部、前正中線上、胸骨体下端の中点。 取穴:前正中線と胸骨体下端の交点に取る。 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:内胸動脈の枝 主治:心臓部の疼痛、食道狭窄、小児の吐乳。 意義:中はなか、あたる、庭はにわ、家の前の広場。中庭とは心臓部の前庭にあたるところにある穴という意味である。

CV 17 膻中 だんちゅう 部位:前胸部、前正中線上、第4肋間と同じ高さ。 取穴:胸骨前面の正中線上で、第4肋間の高さに取る。 補足:胸骨角(第2肋骨の高さ)を基準にする。第4肋間の高さには前正中線から、膻中、神封(腎経)、乳中(胃経)、天池(心包)、天渓(脾経)、輒筋(胆経)、淵腋(胆経)が並ぶ。胸骨裂孔が存在する場合があるので刺鍼には注意を要する。 中庭に同じ。 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:内胸動脈の枝 要穴:心包の募穴、八会穴の気会 主治:心臓疾患の特効穴(神経性心悸亢進症、狭心症)、胸膜炎、神経衰弱、ヒステリー、精神病、肋間神経痛、乳房痛、乳汁分泌不足、背部痛。 意義:膻は肌をぬぐ、胆(胆嚢)、心包または隔膜、中はなか、あたる。膻中とは心臓の下の心包の部にある募穴として重要な穴という意味である。

CV 18 玉堂 ぎょくどう 部位:前胸部、前正中線上、第3肋間と同じ高さ。 取穴:胸骨前面の正中線上で、第3肋間の高さに取る。 補足:胸骨角を基準にする。 中庭に同じ。 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:内胸動脈の枝 主治:膻中の補助穴。 意義:玉堂とは美しい殿堂という意味であり、心臓部にある穴であることを意味する。

CV 19 紫宮 しきゅう 部位:前胸部、前正中線上、第2肋間と同じ高さ。 取穴:胸骨前面の正中線上で、胸骨角の下方に取る。 中庭に同じ。 皮枝:肋間神経(前皮枝) 血管:内胸動脈の枝 主治:膻中の補助穴。 意義:紫宮とは君主の玉座という意味であり、心臓部にある重要な穴であることを意味する。

CV 20 華蓋 かがい 部位:前胸部、前正中線上、第1肋間と同じ高さ。 取穴:胸骨前面の正中線上で、胸骨角と胸鎖関節の高さとのほぼ中央に取る。 皮枝:鎖骨上神経・肋間神経(前皮枝) 血管:内胸動脈の枝 主治:膻中の補助穴。 意義:華蓋は五臓の最も上にある蓮の花の形にみえる肺をさしており、したがって肺と関係のある穴という意味である。

CV 21 璇璣 せんき 部位:前胸部、前正中線上、頚窩(胸骨上窩)の下方1寸。 取穴:天突の下方1寸に取る。 華蓋に同じ。 皮枝:鎖骨上神経・肋間神経(前皮枝) 血管:内胸動脈の枝 主治:膻中の補助穴。 意義:璇は美しい赤玉、璣は丸くない小さな玉。璇璣とは美しい高貴な玉のことで重要性を意味し、心臓部にある穴という意味がある。

CV 22 天突 てんとつ 部位:前頚部、前正中線上、頚窩(胸骨上窩)の中央。 取穴:左右の鎖骨内端の間で、最もくぼんだところに取る。 筋枝:頚神経ワナ(胸骨舌骨筋) 皮枝:頚横神経 血管:下甲状腺動脈 主治:呼吸器疾患の特効穴(咽頭カタル、喉頭結核、気管支カタル、喘息、咳嗽、扁桃炎)。 意義:天は天の部、ここでは頚から上の部分を意味し、突はつく、突出、さす、つきさす。天突とは天の部の病変に際して刺鍼して効果のあがる穴という意味である。

CV 23 廉泉 れんせん 部位:前頚部、前正中線上、喉頭隆起上方、舌骨の上方陥凹部。 取穴:頚部を軽く後屈して舌骨を触れ、その上際陥凹部に取る。 皮枝:頚横神経 血管:上甲状腺動脈 主治:舌や咽喉の疾患。 意義:廉はかど、ほとり、泉はいずみ、わく、はじまり。廉泉とは喉頭隆起と舌骨との角にある穴という意味である。

CV 24 承漿 しょうしょう 部位:顔面部、オトガイ唇溝中央の陥凹部。 取穴:顔面の正中線上でオトガイ唇溝の中央に取る。 筋枝:顔面神経(下顎縁枝)(口輪筋・下唇下制筋) 皮枝:下顎神経(三叉神経第3枝) 血管:下唇動脈 主治:顔面神経麻痺、三叉神経痛、下歯痛、言語障害。 意義:承はうける、うけたまわる、うけいただく、漿はしる、白い、水、どろどろした飲み物、ここではつばやよだれをさす。承漿とはつばやよだれを受ける部にある穴という意味である。

経穴(ツボ)の参考書籍・グッズ

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ツボを見つける機械SEIRINココロケーターを使うと探索にも治療効果の確認にも便利ですね。